こんにちは！ひのははです。

紀元前５００年くらい昔の人物・孔子は論語の中で「六十而耳順」といっていますよね。

６０歳では、人のいうことを逆らわず素直に聴ける境地に至ったということでしょう。

そうありたいものですが、現実は難しいようです。

６０歳近い人が、音楽を趣味にしている仲間から泣かされたと雑談で聞きました。

理由は「演奏がヘタ」と指摘されたからだそうです。

いう方も泣かされる方も、五十歩百歩といいますか・・・。

おとなの無意味でバカバカしいトラブルを見せてくれた「おとなのけんか」

なんて映画もありました。

さて、絵画の世界では「新古典主義」を代表する画家アングルと「ロマン主義」のドラクロワのけんかが有名ですね。

アカデミーにドラクロワが入会を許されたとき、アングルは「私はこの愚かな世紀と決別したい」とまでいったとか。

アングル（１７８０～１８６７年）は、ドラクロワ（１７９８～１８６３年）より１８歳年上ですが、ロマン主義という新しい絵画の流れを受け入れる大人の対応ができない頭の固さがあったのかもしれません。

一昨日見に行った三菱一号館美術館の「フィリップス・コレクション展」では、奇しくもこのおとなのけんかを繰り広げた２人の作品を楽しむことができました。

アングルの《水浴の女（小）》

のムッチリとした肌の感じは絵画ならではの美の追求でいいですね～。

ドラクロワの《パガニーニ》

と《海からあがる馬》

うまい人は、馬がうまいと山田五郎さんがオヤジギャクを言っていたことがありましたが、本当だと思えます。

ところで、「あなたは演奏がヘタ」と面と向かっていわれてしまったら、どうしたらよかったと思いますか？

木山泰嗣弁護士の『図解　反論する技術』には、「言葉の定義を尋ねる」というテクニックが書かれていました。

ですから、「私の演奏は下手ですか？」とまず相手のいった言葉を繰り返すという方法でキャッチします。

そうした上で、「ヘタというのは誰と比べてですか？」とヘタの定義を尋ねてみてはどうだったでしょうか？

相手がすぐに答えなければ「いや～、実は私も自分がパガニーニよりもヘタなんじゃないかとは思っていたんですよ～。そういえば、先日三菱一号館美術館でドラクロアの《パガニーニ》を見てきましてね～」

なんて、話をするりと切り替えることが出来たら、おとなのけんかは起こしにくいかもしれません。