10年後どうなっているかな?キョロキョロ

現在72歳の私、10年後は82歳です。

日本人男性の平均寿命81歳を越えてますが、私の齢の平均余命は14年なのでまだこの世に生があるとしてエンディングノートをもとに「10年後の物語」を綴ります。

→ エンディングノート① 終の棲家

→ エンディングノート②花の祭壇

 

**************2028年11月*************

 

多系統萎縮症の妻はこの難病と診断されてから9年間の苦しい闘病生活の末2023年にこの世を去りました。

 

2023年の結婚記念日は金婚式、妻の病床で迎えました。

 

話すことができない妻がまばたきで「あ・り・が・と・う」と言ってくれたのが最後の言葉でした。

 

葬儀から納骨まであっという間に時が過ぎて、妻は菩提寺の墓で夭折した娘と48年ぶりに再会しました。

 

愛犬のモモちゃんも妻の死を見届けるかのように18年の生涯を閉じて、妻の墓と同じ境内のペット墓地に眠っています。

 

妻の一周忌までは一人残された我が家で思い出の品を処分する日々を過ごしました。

 

妻の介護疲れと生きがいを無くした私は一気に老いを感じるようになっていました。

 

我が家を処分して身軽になった私は終の棲家を求めて、妻が最後の日々を過ごした東京郊外の療養型病院を訪ねました。

 

身一つになった私が持参した物は妻との思い出の詰まったフォトブックでした。

 

子供たちは近くの老人ホームを薦めましたが、妻を親身になってお世話してくれたこの病院に親しみを感じ、人生の最後の時は妻と同じ風景を見て終えたいと思いました。

 

入院して4年近い歳月が流れました。

 

今は車椅子生活になったけど病院のレクリエーションを楽しんだりラウンジで仲間(といっても婆さんばかりですが)との語らいが単調な日々を救ってくれます。

 

仕事が忙しい子供たちは家から遠いこの病院にはなかなか来れませんが、VRゴーグルを通してしょっちゅう孫たちに会えるのでそれで十分だと思います。

 

妻と娘が眠るお墓には車椅子になってからあまり行けなくなりましたが、お彼岸と妻の命日には息子か娘が連れて行ってくれます。

また、彼らの都合がつかない時はヘルパーさんにお願いしています。

 

今年も結婚記念日がやってきました。

 

2028年は結婚55周年のエメラルド婚式

妻が難病でなければ二人そろって祝えたと思います。

 

でも妻はずっと心の中にいるので今年も二人の心の結婚記念日を祝うことができました。


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