イケメン戦国*信玄17 | 時をかける妄想BLOG

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幸推しOLのイケ戦議事録。好き勝手につっこみ騒ぎます(^o^)


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ネタバレ注意。

主人公の名前は「かな」です。

 

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信長「ずいぶんと遅い帰りだな、かな」

脇息にもたれた信長様が、にやりと笑って口火を切った。

「はい、お久しぶりです。あの……ご迷惑をおかけしました」

ずらりと並んだ武将たちに頭を下げる。

(みんなの顔、懐かしいな…)

 

秀吉「越後では、どう暮らしてた」

秀吉さんが険しい顔をして尋ねる。

(怒ってる……。不注意で捕まって戦の駒になったんだから、当たり前だよね)

身を小さくしながらも、正直に話す。

「ええっと……人質としては破格の扱いだったと思います。戦に連れ出されたりはしましたけど、それ以外の時は、親切にしてもらいました」

(むしろ、優しくされて、戸惑うくらいだった)

 

秀吉「……なるほど。甲斐の虎の罪が少し軽くなったな」

「え?」

きょとんとする私を見て、光秀さんが面白そうに口を挟む。

光秀「秀吉はな、お前が向こうで乱暴されていないか、心配で仕方なかったんだ」

「っ…そうだったの?」

(秀吉さん、心配してくれてたんだ…)

秀吉「当たり前だ。女を人質にするなんざ、許せねえ」

憤る秀吉さんの隣で、三成くんが微笑みを浮かべる。

三成「さらわれたことがわかっても、すぐに助けに行けず、申し訳ありませんでした。かな様がご無事で戻って来られて、とても嬉しいです」

(三成くん…)

秀吉「そうだな。それを踏まえ、あいつらのことは全殺しで勘弁してやってもいい」

「ぜ、全殺し!?」

 

家康「全然、勘弁してないじゃないですか」

冷めた顔でやりとりを聞いていた家康が、呆れたようにため息をついた。

家康「秀吉さんはかなを甘やかしすぎです。弱いやつが、乱世で利用されるのは当たり前。これに懲りたら、ふらふら一人で出歩かない方がいいんじゃない」

「あ、ごめん…」

家康「いちいち謝らないでくれる、鬱陶しい」

(やっぱり、家康は厳しいな)

 

しゅんとしていると、政宗が笑う。

政宗「かなが甲斐の虎に戦場へ連れて行かれた時――強引に攻め込もうとした俺に、かなの安全を思って噛み付いたのは、どこの誰だ」

家康「それは……」

(え…)

「それ、本当?」

家康は眉を寄せて、素っ気なく答える。

家康「信玄相手には、いくら慎重になっても足りないと思っただけ」

 

(あの時、家康が私のことを気にかけてくれてたなんて、知らなかった)

感動して家康を見つめると、ふいっと顔を逸らされた。

家康「……じろじろ見ないでくれる」

三成「家康様は、やはり素晴らしい方ですね」

三成くんが、きらきらと目を輝かせる。

三成「優しさと冷静さを併せ持つだけでなく、それを人に見せない謙虚なお心…感動いたしました」

家康「…お前の口は、へらへら笑うだけじゃなくて、余計なことをお喋りする役目までついてるの?」

家康は心底うんざりしたように毒づくけれど、三成くんは意に介さず、無邪気に笑みを深める。

三成「やだな、家康様。物を食べたり飲んだりする役目もありますよ。あれ?そういえば今日はまだ何も食べていなかったかもしれません…」

家康「お前の食生活についての情報は聞いてない」

(すごい、三成くん…。家康の皮肉に気づいてない……!)

 

すかさず、秀吉さんが目を三角にする。

秀吉「こら、三成。読書に熱中してたからって、食事は抜くな。家康も、三成と仲良くしろっていつも言ってるだろ」

(わあ…秀吉さん、お母さんみたいだ)

信長「騒がしい奴らだ」

みんなのやりとりを悠然と上座で見守っていた信長様が、唇の端を吊り上げる。

(ああ……なんだか、この感じ。久し振りだ。私、本当に安土城に帰ってきたんだな)

 

信長「貴様ら、かなに少しは喋らせてやれ」

「あ、はい」

急に水を向けられて、私はしどろもどろにみんなに向かい、口を開く。

「私をもう一回迎え入れてくれて、ありがとうございます。本当に、何て言ったらいいのかわからないけど…」

政宗「馬鹿だな、言うことなんて、ひとつしかないだろ」

「え?」

政宗「こういう時は『ただいま』って言うもんだ」

「……っ」

全員の温かい眼差しが、後押しするように私を包む。

(嬉しいな……)

「…ただいま、帰りました」

胸をほんのり熱くしながら、私は笑みをこぼした。

信長「よく帰った。今後も俺の持ち物として、仕えるが良い」

(信長様は、相変わらずだな)

呆れるほど自信に溢れた信長様の態度が、今はただ懐かしかった。

その一方で、春日山城の武将たちと過ごした日々を思うと、胸が締め付けられる。

(もう、安土城での暮らししか知らなかった頃の私には、戻れないんだな)

みんなの笑顔を眺めながら、密かに、せめぎ合う想いを持て余していた。

 

 

表向きはあっという間に安土城での生活に戻り、私は世話役の仕事を再開した。

 

ある日、各御殿へ文を届けていた私は、最後に信長様の部屋を訪れた。

「信長様、失礼します」

部屋の前で立ち止まって、声をかける。

信長「入れ」

部屋に足を踏み入れると、信長様机に向かって書き物をしているところだった。

「文をお届けに来ました」

信長「ご苦労。置いていけ」

信長様が指差した場所に、紙の束を置く。

 

(今日の仕事、これで終わっちゃうな。じっとしてると信玄様のことを思い出しちゃうから、できれば何かしてたいんだけど……)

「信長様、何かお手伝いできることはありませんか?」

信長「いや、貴様の手を借りるようなことはない」

「……そうですか。では、失礼しますね」

肩を落として部屋から出ようとすると……

 

信長「貴様は、あまり笑わなくなったな」

「はい?」

不意にかけられた言葉に、私は驚いて立ち止まる。

(そういえば……春日山城では信玄様と賭けをしてたから、笑うことができなかった。もう、あの賭けは終わったのにな)

今は信玄様のことがずっと、頭の中に引っかかって、心から笑顔になれない。

(どうすれば、振り返らずに前へ進めるんだろう)

 

「あの……忘れたい記憶があるとき、信長様ならどうしますか?」

信長「俺にはそのようなものはない」

思い切って信長様に聞いてみると、身も蓋もない答えが返ってくる。

信長「わからんな。なぜ、わざわざ記憶を捨てる必要がある」

「でも、つらいだけの思い出なら、持ってても仕方ないって思いませんか……?」
信長「つらい記憶というならば、俺はなおさら忘れん。忘却は、停滞と同じだからな」

「どういうことですか……?」

信長「記憶が経験を作り、経験が人を作る。であれば、記憶を忘れることは、己の経験を無駄にすることに他ならん」

信長様のいつも冷静な瞳が、私を観察するように捕えた。

信長「つらい記憶を経ることで、貴様は何も変わらなかったのか」

 

(っ……そんなことない……)

信玄様と接して、この乱世には悪も正義もなく、信念のぶつかり合いがあることを知った。

信玄様のことがわからなくて、自分なりに必死に考えるようになった。

(少しずつ距離が近づくと、それだけで嬉しくて……触れられた場所から、溶けてしまいそうだった。ああ、そっか。これは忘れちゃいけない記憶だったんだ)

信長様の言葉が、胸の深い部分にすとんと落ちた。

信玄様の記憶が、今も身体中に残って、胸が潰れそうに軋む。

(でも、このままでいい。……このままがいい。苦しい記憶を消したら、それは今の私を否定することになるから)

 

「ありがとうございます、信長様。私、忘れないことにします」

私は信長様に、今の私にできる精一杯の笑顔を向ける。

信長「……」

すると、信長様は虚をつかれたように、わずかに目をみはった。

信長「やはり、貴様はつらい記憶とやらを経て、変わったようだ」

「信長様……?」

信長「このような笑い方、以前の貴様ならばしなかった」

信長様は初めて見るかのように、私の顔をしげしげと眺める。

「ええっと……どこか、変でしょうか?」

信長「そうは言っていない。むしろ、いっそう貴様に興を引かれた」

「え……?」

驚いて、信長様を見つめ返す。

 

信長「だが、ひとつだけ面白くないことがある。貴様の変化をもたらしたのが、この俺ではないという事実だ」

(あ…)

信長様は机越しに手を伸ばし、私の髪をひと房、指先で弄んだ。

信長「貴様を安土からさらったのも、送り帰してきたのも、信玄だったな」

 

-選択肢-

ええ ◎

 

「っ…ええ、そうです…」

色々な想いが溢れそうになって、思わず目を伏せる。

(なんで……)

その様子を見ていた信長様が、愉しげに笑った。

信長「あの男と戦う理由が、またひとつ増えたようだな」

(っ、本気じゃないよね……?)

「もう……冗談はやめてください」

信長「まあ、良いだろう」

信長様は、机の上の書類に手を伸ばし、作業を再開する。

信長「俺は政務に戻る。貴様も用が済んだなら、さっさと行くが良い」

「はい…。じゃあ、失礼します」

(何はともあれ、信長様のおかげで気持ちの整理が少しついた)

私は一礼して、部屋をあとにした。

 

けれど、平和な時間は長くは続かず……

数日後の夜――安土城の広間では軍議が開かれていた。

信長様に同席するように言われた私も、末席に腰を下ろす。

(みんな、戦が近いせいか、ぴりぴりしてるな)

 

三成「武田・上杉軍の話の前に、ご報告があります」

三成くんが立ち上がり、一同を見渡す。

三成「本能寺の一件の、犯人が見つかりました」

(っ……ついに、信長様を暗殺しようとした犯人が……)

信長「名は」

三成「本願寺、顕如です」

(っ……顕如って……)

 

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顕如「夜分に女子がひとり歩きとは……どうなさった?私は顕如と申す旅の僧だ。困ったことがあるなら相談に乗ろう」

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(私、その人に会ったことがある)

「ねえ、その人、顔に大きな傷がある?」

三成「よくご存知ですね。どうして、それを……?」

「見てるの。本能寺の夜、その人、森の中にいた……」

(あのお坊さんが、犯人だったなんて……)

 

私の呟きに、武将たちが顔を見合わせた。

秀吉「裏付けが取れたな。顕如、あの男……しぶとく御館様に弓を引くか」

家康「確かに顕如なら、信長様を恨む動機がありますね」

「皆さん、知ってる人なんですか……?」

信長「かつて――信玄を始めとした全国の武将や寺と手を組み、俺を攻めた男だ」

(信玄様と……?)

 

政宗「だが、信長様によって本願寺は滅ぼされ、顕如は行方を眩ましていたはず。よく兵力が残っていたものだな。不死身か、あの男は」

感心したように政宗が呟く。

秀吉「政宗、褒めてる場合じゃねえ。信玄と謙信だけでも面倒なのに、この上、顕如が出張ってくると骨が折れそうだ」

三成「顕如はすでに兵を集め、戦の準備をしているそうです。武田・上杉との戦でこちらが弱ったところを、攻め込むつもりかと」

家康「どこを向いても敵だらけか。ぞっとするね」

秀吉「一斉にかかられたら、たまったもんじゃねえ。早急に信玄・謙信を潰す必要があるな」

 

光秀「その信玄のことだが……」

黙って聞いていた光秀さんが、するりと片手を上げて注目を促した。

光秀「あの男の病は、どうやら、先の大戦から治っていない」

「え……」

光秀さんの言葉に、頭が真っ白になる。

(病気が治ってないって……)

 

家康「待ってください。病が治ったからこそ、信玄は織田軍に戦いを挑んだんじゃなかったんですか」

光秀「まんまと信玄の情報操作に引っかかっていたらしい。実際には、信玄はいつ倒れてもおかしくない。それこそ、以前のように戦中に倒れることもあり得る」

にわかに現実感を失くした世界の中、光秀さんの声がやけに明瞭に響いた。

(なんで……信玄様は、言ってくれなかったの……?)

 

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「そういえば、信玄様がかかってたっていう病気はもう大丈夫なんですか?さっき、若い頃からの病って言ってましたよね?」

信玄「……――ああ、そのことか。もちろん。じゃなきゃ、戦おうなんて思わないさ」

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(あの時……どうして私はもっと食い下がって聞かなかったの?ううん、違う……。ずっと前から、気づくチャンスは、あった)

 

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信玄「っ…かな?」

「どうしたんですか?具合でも悪いんですか」

「――ああ、そうだ。君のことを思うと胸が痛い。これは恋の病だな。君の口づけで治してくれるか」

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信玄「君は、強いな」

「信玄様……?」

信玄「俺が死にそうなときは、ぜひ君に看取ってほしい。天女に見守られていたら、安らかに眠ることができそうだ」

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(私が、見逃したんだ)

いつも明るい信玄様につきまとう儚い影、気まぐれのように突き放された関係……

すべてのピースが、私の中でかちりとはまる。

(今になって知るなんて、遅すぎるよ)

 

信長「命尽きる前に、俺の喉笛に喰らいつく気か。面白い」

信長様の目が、先の先まで見通すように冴え冴えと光った。

信長「家康、信玄と謙信の動向はどうなっている?」

家康「戦の準備を、間もなく終わらせようとしています。先発隊はすでに越後を発ち、奴らの目標は――甲斐の国です」

(甲斐の国って、信玄様の故郷の…国と取り戻すために、戦うつもりなんだ。文字通り、命を賭けて)

不吉な予感が、身体中で警鐘のように鳴り響いた。

 

信長「家康、政宗は俺とともに武田・上杉を迎え討つ。光秀は引き続き、顕如への警戒に当たれ。秀吉と三成、お前は城に残り防衛と兵站に注力するように」

全員「はっ」

たちまち広間に覇気がたちこめ、思わず身震いした。

(ついに戦が、始まるんだ。このまま信玄様が死んでしまったら、私は一生後悔することになる。考えなきゃ。私に、できることは――)

 

「…信長様」

信長「なんだ、かな」

とっさに声を上げて、信長様を見つめる。

「お願いがあります。私を戦場に連れて行ってください」

信長「なに…?」

(どんなに苦しい想いをしたっていい。例え、信玄様に逢えなかったとしても、この戦いの結果を見届ける)

 

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