イケメン戦国*三成13 | 時をかける妄想BLOG

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幸推しOLのイケ戦議事録。好き勝手につっこみ騒ぎます(^o^)

ネタバレ注意。
主人公の名前は「かな」です。

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信長「かな、このたびの戦には貴様も連れていくことにした」
「え……っ」

軍議に呼びだされた私は思いもよらない言葉をかけられて、声を失う。
他の武将たちも驚いたように信長様を見つめていた。
(私が戦に……っ?どうして)

ざわめく広間の中で、誰よりも早く三成くんが立ちあがる。
三成「っ……お待ちください」
「三成くん…」
三成「お言葉ですが、かな様を戦に連れていく理由が見当たりません」
信長「理由ならある。かなは縁起物だ。戦場で俺のために幸いを呼び込ませる」
三成「ですが……」

秀吉さんが難しい顔で腕を組んで、私に視線を向ける。
秀吉「かな。お前の意見は?」
「私は……」
(敵は怖い。乱世に来た時から、ずっと不安でしょうがなかった。だけど……)

タイムスリップした日から、すでに二か月が経過している。
その時、私は戦の恐ろしさと向き合うために知識を身につけようとしてきた。
(怪我人の手当てについて勉強を始めたのも、目の前で誰かが傷ついた時に助けるためだった)
私に知識という武器を教えてくれたのは、三成くんだ。
(その人がこれから死地に向かうのなら、私に役立てるチャンスがあるのなら……)

「……連れて行ってください」
三成「かな様!?」
掠れる声を上げた私を、三成くんが驚愕した顔で見つめる。
(ごめん、三成くん。止めてくれようとしたのに)

「怪我人の手当てでも、雑用でもします。縁起物じゃなくて、私を世話役として使ってください」
信長「良い心意気だ」
信長様はにやりと唇の端を吊り上げた。
信長「やはり貴様は面白い女だな」
三成「……」
信長「三成。本人がこう言っているのだ。異論はあるまい」
三成「――わかりました」

ぐっと言葉を呑み込むように三成くんは俯き……すぐに決然と顔を上げる。
三成「では、かな様は私の隊においていただきたいです」
(三成くんの隊に……っ?)
信長「ほう……。貴様、この女を守るつもりか」
三成「――はい」
私と目を合せないままに、三成くんは信長様に頷いた。
(どうして……私を遠ざけてるのに、守ってくれようとするのは何で?)
膨れ上がった疑問が、胸の中で暴れる。
信長「良いだろう。三成、貴様の好きにしてみるが良い」
三成「ありがとうございます」

(三成くんの考えてることはわからないけど……)
信長様に頭を下げる三成くんを見て、ひとつだけ心に決めた。
(戦場で足手纏いにならないようにしよう。少しでも、三成くんの力になるんだ)



そして出陣の日――
私は織田軍の中に混じって、馬の背に揺られていた。
(三成くんとこんなに長い間そばにいるのは、久しぶりだ)
意外なことに、三成くんは進軍中、私と並んで馬を走らせていた。
(もっとも、話しかけられる雰囲気じゃないな)
整った横顔を眺めて小さくため息をついたその時……

三成「……いつの間に、馬に乗れるようになられたのですか?」
「え?」
不意に三成くんがこちらを向いて口を開く。
(っ、話しかけてくれた)
「実は、戦の同行が決まってから必死に練習したんだ。付け焼き刃だけど……」
三成「…… ……確かに、貴女はそういう方でしたね」
虚を突かれたような表情をしたあと、三成くんは苦笑を浮かべた。
「それ……どういう意味?」
三成「いえ、深い意味はないのです」
気になって尋ねるけれど、かわされてしまう。

「あの、一緒の隊にしてくれてありがとう」
三成「合理性を考えた結果です。怪我人の看護をするなら、後方支援と連携を取れた方がいいでしょう」


-選択肢-
そうだね… (4+2)
それでも… ◎
だけど… (2+4)


「それでも嬉しいよ。三成くんのそばにいられたら、心強いから」
三成「っ……そういうことを、簡単に仰らないでください」
(……やっぱり頼りすぎは迷惑ってことかな)
わかってはいたけど、三成くんの態度は終始素っ気ない。
(あの笑顔を、もうずっと見てない)
記憶の中の温かな想い出まで、寂しさに塗り潰されていってしまう気がした。



一方、その頃――
織田軍の進軍経路よりやや外れた場所では、顔に傷のある僧が道を歩いていた。

顕如「おや……?」
顕如が足を止めると、錫杖の音がしゃん…と鳴る。
顕如「そこの方、こんなところでどうされた」
男「っ、お坊様……?」
道端で倒れ伏していた若い男が顔を上げる。
顕如はそれを抱き起こし、水の満たされた竹筒を口にあてがった。

顕如「この辺りの村の者か」
男「はい…」
顕如「見たところ何か事情がありそうだが」
男のぼろぼろの着物や、栄養の足りていない細い手足を見て、顕如が呟く。
男「お恥ずかしい話ですが、子どもが病気なもんで、薬代がかかるんです。自分の食うものを削ってたら、このざまです」

僧衣の懐から取り出された小さな布袋が、男の手に落とされた。
顕如「……これも何かの縁だ。取っておきなさい」
男「え、ですがこれは……っ」
硬貨の重い閑職に男は首を横に振るけれど――
顕如「子どもらにも、食わせてやるといい」
男「っ……ありがとう、ございます」
深く頭を垂れる男を見て、闇色の瞳がわずかに和らぐ。
男「あの、あなた様は……?さぞかし徳の高いお坊様とお見受けいたしますが」
顕如「昔の話だ。今は、ただの……鬼だ」
男「鬼、でございますか?」
顕如「ああ、そうだ」
不思議そうな顔をする男に顕如は薄く微笑んだ。
その時、彼の後ろから草を踏む音が近づいてきて……

顕如の部下「顕如様」
顕如「今、行こう」
遠慮がちにかけられた声に顕如は応え、ばさりと袈裟をひるがえした。
部下と歩き出した顕如の表情は、すでに冷たく凍り付いていた。
顕如「首尾はどうだ」
顕如の部下「上々です。織田軍の経路を特定し、我々の手の者を配置しました」
顕如「――あるいはさっきの男の村も、犠牲になるかもしれんな」
顕如の部下「……」
自嘲するような言葉に、部下は痛ましそうに眉を寄せる。

顕如「何の罪滅ぼしにもならぬことをしたと笑うか?」
顕如の部下「……いえ。顕如様が我らのために鬼になってくださったことは、わかっています。ですから我々もあなたについていくだけです。――なんなりとご指示を」
顕如「……ああ。わかっている。まずはじっくりと罠を仕掛け、私たちは身を潜めよう。罠の成果が熟した頃に……織田軍を狂乱の渦に落としてやる」
深い怨嗟を込め、顕如はかっと目を見開いた。



(戦の時の食事って、確か兵糧っていうんだったよね。作るのは初めてだけど、それなりに上手にできた気がする)
織田軍の野営地で私は食事の炊き出しを手伝っていた。
(干し飯を見ると、三成くんを思い出すな…)

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三成「味のことはよくわかりませんが、こんなにきちんとした食事を摂るのは久しぶりです」
「いったい、普段はどんなものを食べてるの?」
三成「強いていうなら、干し飯でしょうか」
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(何だか、ものすごく前の出来事みたいに感じる。干し飯ばっかり食べてるって言ってたけど、最近はどうだったんだろう)
準備が整うと、担当の兵が私に頭を下げる。
兵「かな様、ありがとうございます!あとの配膳は私たちだけで大丈夫です。どうぞお食事をしてきてください」
「でも……みんながまだなのに申し訳ない気がして」
兵「では……秀吉様たちのところへお食事を届けていただけないでしょうか?かな様の分もご一緒に。信長様の天幕へはすでに運んでおりますので、大丈夫です」
(そういうことなら…)
「わかりました、ありがとうございます!」
温かい気遣いに感謝して私も頭を下げた。


(ええっと、秀吉さんたちは……)
秀吉さん、家康さん、そして三成くんは焚き火を囲んで会話をしているようだった。
(当たり前だけど、他の人とは普通に会話してるんだな…)
近くにいけて嬉しい反面、かすかに胸が疼く。
近づいていくと、気がついた秀吉さんが手を振ってくれた。
「お待たせしました!」
家康「本当にあんたって、じっとしてられないんだね」
秀吉「家康、こういう時は素直に礼を言うもんだ。ありがとな、かな」
「どういたしまして。どうぞ、三成くんも…」
三成「あ、はい…」
器を渡した時、互いの指先がわずかに触れ合う。
三成「……っ、ありがとうございます」
「ううん…」
たったそれだけのことで、自分でも驚くほど胸が震えた。
秀吉・家康「…………」
ぱちりと焚き火のはぜる音が、やけに大きく響く。
(っ、何この沈黙……気まずい)

秀吉「……そういえばさっき、家康の天幕に忘れ物をしたような気がするなー」
家康「あー…。はい。俺もそんな気がしてきました」
(ん?)
唐突な発言に三成くんもきょとんとしている。
三成「忘れ物、ですか?秀吉様が珍しいですね」
秀吉「いやー、俺としたことがうっかりしてた。すごい大事なものでな。悪いが可及的速やかに取りに行っていいか?家康」
家康「ソレハ大変デスネー。心配だから俺もついて行きます」
(やけに棒読みのような気がするんだけど…)
家康「ついでに俺の天幕で食事もすればいいですよね」
秀吉「名案だな。さすがは家康だ」
三成「えっ」
(ふたりとも行っちゃうの……っ?)

流れるように会話を終わらせ、秀吉さんと家康さんは食事の器を持って立ちあがる。
秀吉「そんなわけで、三成。かなと飯を食べてくれ。ああ、間違ってもかなをひとりにするなよ?野郎だらけの中じゃ心細いだろうからな」
(あ……)
去っていくふたりを見送り、
呆気に取られたまま三成くんと顔を合わせる。
(どうしよう、ふたりきりだ)
三成「……食べましょうか」
「うん…」
向かい合わせで腰かけ、食事を始める。
「一緒にご飯食べるの、久しぶりだね」
三成「そうですね…。久しぶり、です」
(前はあんなに食事の時間に楽しく話をしてたのに…)
ぎこちない言葉のやりとりに心がくじけそうになってしまう。
自分を奮い立たせるために、意識して声を張り上げた。
「せっかく久しぶりなのに、味気ない兵糧なのが残念だよね!あ……でも、三成くんは食べ物の味を気にしたことがないんだっけ」
三成「ええ。普段の食事も兵糧も、私にとっては変わらない味です」
(そっか……。私、ひとりで空まわってるな)

三成「ですが、この食事は……」
「え?」
ぽつりと呟きが落とされて、顔を上げる。
三成くんは躊躇うようにゆっくりと言葉を続けた。
三成「この食事は……いつもと違うと思います」
「…どうして?」
三成「貴女が作った料理を食べるのは、初めてだから」
(っ、それって……)
三成「あ……」
私を見て、三成くんがはっとした表情になる。
三成「……ごめんなさい、自分でも何を言ってるかわからない」
いつも丁寧な三成くんの言葉遣いがほんの少しだけ乱れている。
それが彼の感情の乱れを表してる気がして、どくっと鼓動が跳ねた。

三成「――貴女は、どうしてこの戦について行きたいと言ったのですか」
「それは……」
深く息を吸い込んで、すみれ色の瞳の底を覗き込む。
「三成くんのそばにいたかったから」
三成「っ…」
(ああ、言ってしまった…)
そのもっと先にある『好き』という気持ちは伝えられないまま、
いつか三成くんのもとを離れなくてはならない私の、精一杯の告白だった。

三成「――私も、」
(な、に……?)
かたずを呑んで続きを待つけれど……
三成「…いえ。無責任な発言はやめておきます」
短い逡巡の末に、三成くんは首を横に振った。
三成「食事を、続けましょう。冷めてしまいますから」
「そう、だね…」
(本当は、何て言おうとしたの?)
考えても答えは出ずに、臆病な沈黙の中に沈んでいく。
この夜、三成くんと私の間にこれ以上の言葉が交わされることはなかった。


停滞する感情と裏腹に、戦火は容赦なく回り始める。
三日後――ついに戦いの火蓋は切って落とされる。

信長「三成、報告を」
三成「はっ。斥候の兵によれば、間もなく上杉・武田軍と予定通りの地点で衝突します」

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信長様の縁起物発言にめっちゃ笑った。軍議で言うことじゃねえww

あと秀吉おにーちゃんと家康おにーちゃんの空気の読めること読めること!

出来ることなら席を外さないでほしかったけど

しぬほど下手な芝居を見られたので良かった。癒された。

 

普段優しい人にここまで素っ気なくされると心折れるよ…三成くん…避けないでつらいから…

わたしならふたりきりにされても何も発言できない。

むしろ泣きながら2人を追いかける。笑

 

顕如たんの優しさ描写、初めて読んだ!!!!いい人なんだね…

しかし顕如たんの本編とか一ミリも想像つかないよ…