イケメン戦国*秀吉5 | 時をかける妄想BLOG

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幸推しOLのイケ戦議事録。好き勝手につっこみ騒ぎます(^o^)


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ネタバレ注意。

主人公の名前は「かな」です。


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秀吉さんに小袖を贈られた数日後。

(ええっと、次の角を左だっけ)
昼下がり、私は小包を抱え城下町を急いでいた。
今日は、秀吉さん宛ての荷物を御殿に運ぶよう頼まれている。

(秀吉さんが案内してくれたから、土地勘がついてきたな)
見知らぬ土地が見知った町に変わるのは、なんだか楽しい。
けれど、足どりが弾むのは、そのせいだけじゃない。

(秀吉さんに会えるの、着物をもらって以来だな……)
どこかそわそわして、自然と歩調が速くなっていった。


やがて御殿へとたどり着き、女中さんに秀吉さんの私室へ案内された。

「お邪魔します、秀吉さん」
声をかけて、襖が開くのを待つと…

政宗「よく来たな、かな。ゆっくりしていけ」
(あれっ、政宗さん?)
まるで家主のように出迎えた政宗さんを、呆気にとられて見つめる。
すると、政宗さんの肩越しに、秀吉さんが呆れ顔で近づくのが見えた。

秀吉「あのなぁ政宗、ここはお前の御殿じゃないだろう」
三成「こんにちは、かな様」
家康「……どうも」
「こんにちは。三成くんと家康も来てたんだ」
文机の周りに座っている二人に、私は笑顔で挨拶を返した。

秀吉「お遣いご苦労様。少し休憩していけ」
「ありがとう」
招き入れられ、私は文机のそばに、秀吉さんと政宗さんに挟まれ腰を下ろした。

(この前は気づかなかったけど、改めて見ると、秀吉さんらしい部屋だな。きっちり片付いていて居心地がいい。飾ってあるお皿や花瓶も綺麗……。インテリアにこだわる人なんだ)

秀吉「何をきょろきょろしてるんだ?」
「あ、ううん、何でもない……っ。にしても、みんな揃ってどうしたの?」
秀吉「戦支度の相談をしてたところだ」
(そうか、越後で怪しい動きがあるから、家康と三成くんで兵を集めておくって話だったっけ)
そわそわした心地に、暗い影が一筋差した。
暮らしの中の折々、こうして胸がざらつくことがあって、ここが乱世なのだと思い知る。
秀吉「どうかしたのか?」
「……ううん、何でもない」
(いちいち不安がってちゃだめだ。また秀吉さんに心配かけることになる)

「はい、これ。預かってきた荷物だよ」
秀吉「助かった。ありがとな」
秀吉さんは包みを解き、中から大きな巻物を取り出した。

政宗「なんだ、それは」
秀吉「過去に信長様が上杉と戦った記録だ。越後は上杉家の根城――家康と三成が戦略を練るのに役立つだろう」
三成「秀吉様、ぜひ拝読させてください」
秀吉「ああ、そのつもりだ」
三成くんは巻物を手渡されると、すぐさま広げた。
懐から眼鏡を出し視線を落とした途端、口を閉ざして黙りこむ。
三成「…………」
(三成くんのこんな顔、初めて見る……)
まるで、文字に目が吸い寄せられているみたいだ。

家康「……会議は一時中断ですね」
秀吉「だな。茶でも淹れるか」
「中断って、どうして?」
政宗「三成の寝ぐせを引っ張ってみればわかるぞ」
「そ、そんなことできませんよ」
家康「あんたが出来ないなら俺が代理でやってあげる」
(あ……)
家康の手が、ためらいもなく三成くんの髪の毛を引っ張った。
三成「…………」
(無反応!?)
家康「――ほらね」
政宗「一度こうなったら、三成はテコでも動かない」
「そうなんだ……。すごい集中力ですね」
秀吉「三成の長所のひとつだ。ちょっと度が過ぎてるけどな」

苦笑しつつ、秀吉さんが席を立つ。
テキパキとお茶の用意を整え、私達に茶碗を差し出してくれた。

政宗「秀吉、茶請けの菓子を作ってきた」
秀吉「いつも悪いな」
(作ってきた?)
秀吉さんが片付けた机に、政宗さんが色とりどりの和菓子を並べる。
「これ、政宗さんが作ったんですか!?すごい…」
政宗「おう。お前も食っていけ。味は保証する」
「ありがとうございます。……わぁ、美味しいですね、このおまんじゅう」
政宗「へえ、いい顔で食うな、お前。もっと良く見せろ」
「ちょ、近いです…!」
秀吉「やーめーとーけ、政宗」
政宗「やめる理由がないな」
「ありますよ…っ。恋仲でもない女性にそんなに近づいたら駄目です!」
政宗「近づいてみないと、そいつが欲しいかどうかもわからないだろ」
(あ、一理あるかも…。って、納得してる場合じゃない!)
返す言葉を必死に探していると、口元にお菓子が差し出された。
政宗「ほら、もう一つ食え。口開けろ」
(っ…そ、そんな…)

秀吉「いい加減にしろ」
政宗「!」
秀吉さんに襟を引っ張られ、政宗さんの顔が遠のいた。
(た、助かった……)
秀吉「かなを困らせるな、政宗。かな、政宗には気をつけろよ。戦でも女でも、口より先に身体が動く男だからな」
政宗「その台詞は、誉め言葉として受け取っておく」
にっと笑ってみせる政宗さんの瞳は、危険な香りを放ちながら光っている。
(吸い込まれそうな目……たしかに気をつけないと、政宗さんのペースに巻き込まれて大変なことになりそう)

動揺して騒ぐ胸をなだめ、私は居ずまいを正した。
「っ…政宗さん、私は知り合ったばっかりの人と近距離で話す習慣がないので…近すぎたら、今度は怒ります!」
政宗「……面白いことを言う女だな。『知り合ったばっかり』じゃなくて、お前に俺をよく知ってもらえばいいんだな。じゃ、とりあえず、その堅苦しい話し方をやめろ。『政宗』で良い」
「え、でも…」
政宗「呼べ」
「っ……政宗……」
政宗「良し」
(良し、って……何それ)
満足気な笑みを見て、なし崩しに緊張が解けてしまった。

秀吉「政宗。仲良くなるのはいいことだけど節度は守れよ。かなは、信長様の気に入りの娘だぞ」
(あ……だから、秀吉さんは庇ってくれたのか)
かすかに胸が疼いた時、政宗が口の端を上げにやりと笑った。
政宗「だったらどうした。欲しい物があるなら奪うまでだ」
「っ…勝手なこと言わないで」
(やっぱりこの人、危険だ……!)

家康「いい加減、静かにしたらどうですか」
秀吉「家康、知らん顔してないで俺に加勢しろ」
家康「今、きなこ餅を食べるのに忙しいんで」
政宗「そういや三成は、さっきから茶にも菓子にも手を伸ばさないな」
秀吉「気付いてないんだろ。いつも放っておくとメシも食わずに書物を漁ってるからな。おい、三成。食え。で、飲め」
秀吉さんが無造作に三成くんの手元にお菓子を持っていく。
三成くんは視線は巻物に落としたまま、渡されたお菓子をもぐもぐ食べた。
ごくん、と飲み込むとタイミングよく秀吉さんがお茶を差し出し、それも受け取る。
(無我夢中で読んでて気づいてない……。秀吉さんは秀吉さんで、慣れてる……)

政宗「今なら、差し出されたもの何でも口に入れそうだな、こいつ」
家康「主君に世話を焼かせるなんて、大した器ですね」
秀吉「三成が大物になってくれるなら、俺も世話を焼いてる甲斐がある」
「秀吉さんは心が広いね」
政宗「こいつの世話焼きは、ただの趣味だ」
秀吉「適当なこと言うな。単にお前らが手がかかるんだろ」
家康「いえ、俺も政宗さんの意見に賛成です。食事も忘れるような、どこかのぼんやりした家臣なんて、干からびるまで放っておけばいいんですよ」
秀吉「あのな、普通に『三成』って言えよ。もう少し素直になれ、お前は」

賑やかな言い合いは尽きず、思わず笑ってしまった。
(皆、仲が良いんだな。あ、でも……光秀さんは来てないんだ。どこかへ出掛けるって言ってたっけ)

秀吉さんは、政宗や家康に対しては、お説教していても冗談混じりだけれど…
軍議の場で光秀さんと対立した時は、本気で怒っているように見えた。
(他の皆と違って、あの二人には深い確執がありそう)
この場の賑わいが余計に、光秀さんの不在を際立たせている。
考え込みながら、私は温かいお茶をゆっくりと飲み終えた。
「私はそろそろ、おいとまするね。ご馳走さまでした」
おじぎをして立ち上がると…

秀吉「じゃ、そこまで送ってく」


-選択肢-
ありがとう (2+4)
いいよ、まだ明るいし… (4+2)
ううん、大丈夫 ◎


「ううん、大丈夫。お遣いの仕事できたのに見送りまでしてもらえないよ」
秀吉「だったらせめて表通りまで送らせろ。言っただろ?甘やかし倒すって」
立ち上がった秀吉さんの大きな手のひらが、私の頭をぽんっと撫でる。
(っ……ほんと、過保護だな。でも、嬉しい)

それを見た政宗が片眉を上げ、口笛を短く吹く。
政宗「秀吉、俺には『手を出すな』と言っておいて抜け駆けする気か?」
(え……っ)
家康「変わった趣味ですね、秀吉さん」
秀吉「政宗、お前と一緒にするな。家康もどさくさ紛れに失礼なことを言うな。かなと俺はそういうんじゃない。いってみれば兄妹みたいなもんだ。な?」
「…うん」

向けられた優しい笑みに、笑顔を返すけれど――
嬉しいのに、何かが胸につっかえた。
(っ……いやいや、喜ぶべきところでしょ、ここは。前は敵だと思われてたのに、今はこんなに親身になってもらえてるんだし)

政宗「兄妹、か。成程、そんな感じだな」
家康「ですね。かな、あんた弱そうだし、放っといたら死んじゃいそうだから…秀吉さんにしっかり面倒見てもらうといいよ」
「たしかに私は弱いけど、自分の面倒は自分で見られるようにするつもりだよ。仕事して、ちゃんと働いてるし…」
政宗「そういえば秀吉に聞いたぞ。お前は着物を作る才があるそうだな」
(え?)
秀吉「ああ、勉強中らしいけど大した腕だ」
政宗「今度、俺からも頼まれろ、かな。羽織を新調しようと思ってたんだ」
「う、うん!もちろんいいよ」
家康「へえ……。俺も覚えとこう」
「ぜひ!服を作る依頼があったら、よろしくお願いします」
(嬉しい……。この時代にいる間も、服を作る仕事を続けられるかもしれない)

秀吉「よかったな、得意先が出来そうで」
「うん…!安土にいる間、自活できるように頑張るよ」
秀吉「ただし、気負い過ぎるなよ?」
家康「秀吉さん、甘やかしてばっかりだと、生活力皆無の人間が身近にまた増えますよ」
政宗「そういえば、三成はまだ黙ったままだな」
三成「…………」
(あ、本当だ)

全員同時に顔を見合わせ、それから家康以外、ふっと吹きだした。
秀吉「悪いな、かな。三成はあとで叱っとく」
「ううん。あとで、よろしく伝えてね」
こうして私は、秀吉さんに途中まで見送られ、御殿をあとにした。



数日後の夜。

(あれ、いつの間にか外が静まり返ってる……)
私は縫い物をする手を止め、部屋を見回した。
(皆、寝静まるような時間になってたんだ。夢中になって気づかなかった…)
秀吉さんがあちこちで宣伝してくれ、針子の仕事が舞い込むようになった。
城内のお針子さん達も紹介してもらい、一緒に仕事をして、技術を教え合っている。
(少し前まで、『現代に帰りたい』って、そればっかり思ってたのに…最近、戦国ライフが楽しくなってきちゃった。秀吉さんのお陰だな)
裁縫道具を片付けながら、胸がほっこり温かくなる。

(ちょっと喉が渇いたな。寝る前に水を飲もう)
そう思って廊下へ出て、私はその場で固まった。

信長「……かな?」
「信長様……っ?」
信長「こんな時刻に何をしている」
「ええっと、お水でも飲もうかと…」

夜の闇の中で、信長様の瞳が鋭く光る。
信長「丁度良いところで会ったものだな。貴様、しばし俺に付き合え」
(え……っ?)
「付き合えって、一体何を…」
眼光におされ一歩下がったけれど、遅かった。
(あっ)
手首を掴まれて引き寄せられ、鮮やかな笑みが目の前に迫る。

信長「――文句は言わせん。来い」

**********

 

仲良し武将ズの回。楽しい。呼び捨てにさせたがる勢。可愛い。

あーーー兄妹っていうワード、毎度出されるとぐっさりくるなーーーwww

あんだけお兄ちゃん扱いしてたくせに本編になるとこの我がまま。笑

信長様の、っていちいち言われるのもぐさっとくるよお兄ちゃん!!頼むよ!!!

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