カミムラヒロタ・強さの秘訣
 
 昨年は、僅差での勝利。「たまたま勝てた。僕より速い人はたくさんいる」ということだったが、今年は、世界記録も樹立、2位とも0.4秒以上引き離し、圧巻の勝利であった。
 
 映像からの計時では、100段通過、11秒55、まるおの11秒2に次いでのスピードだが、彼の凄いところは、ここからスピードが落ちないところ。125段通過、14秒45。100段~125段が、2秒9と、よしだと並んで最速。そして125段からゴールまでが、5秒6。全選手の中で、ダントツの速さである。生田階段171段を最後までピッチを落とさず駆け上がる実力はホンモノであった。
 

 一緒に練習して感じたのは、「踊り場で差がつく」「踊り場で加速している?」ということ。しかし今大会の映像を見ても、決して踊り場の処理が完璧という訳ではない。むしろそこにまだまだ伸び代が感じられる。
 そして、彼の走りには、野生の走りが感じられる。少々の段差や、踊り場はお構いなしに、目の前にある階段をひたすら「速く」駆け上がる。

 21秒44→20秒59→20秒03と確実に進歩。本来なら19秒台に一番近い男なのであるが、
本人のコメントは「来年は20秒02を目指します」控えめなのか、無欲なのか。通常なら、あと0.03秒に迫れば、「悔しい、来年狙います」となるところである。
 しかし昨年も彼は「もう年なんで、無理です。」と言いつつ、ここまで記録を伸ばしてきたのである。来年が楽しみである。

 そして、私がいつか見てみたいのが、かみむらvsよしだの対決。おそらく通常は実現しないであろう、貴乃花と若乃花のような、夢の同門対決(ちょっと古いか)。大会主催者が、予選上位者での決勝戦とかを企画してくれない限り実現は不可能であろう。ただでさえ年齢層の高いクライマーズ、早く企画してくれないと、みんなマスターズデビューしてしまうだろう。