◇1999年7月11日/宝塚記念(GI)
1999年、年明け初戦で選んだ京王杯SCで1着。しかし、安田記念では直線で抜けたところを伸びきれず、エアジハードに差し切られ2着に敗れてしまった。
対して、3連勝で天皇賞春を制したダービー馬のスペシャルウィーク。そんな同世代の2頭が、宝塚記念で初めて相まみえる事となった。
2強争いの結果やいかに
レース前の輪乗りの際の、
「あなたの夢はスペシャルウィークか。グラスワンダーか。
私の夢はサイレンススズカです。夢叶わぬとはいえ もう一度この舞台で ダービー馬やグランプリホースと走ってほしかった。」
という杉本清節は、今でも心に響いている。
先行した武豊騎手スペシャルウィークを、的場騎手グラスワンダーが徹底マーク
最後の直線は2頭抜け出して、
杉本清アナの「もう言葉はいらないのかー」からのデッドヒートを期待されたが、そこから並ぶことなく交わし去り、グラスワンダーが3馬身差圧勝。グラスワンダー信奉者の溜飲を下げる結果となった
こちらがその宝塚記念。的場騎手サイン入りポスター。
スペシャルウィークはこの敗戦により、凱旋門賞の挑戦を取りやめ、秋は国内専念をする事を表明した。
◇1999年10月3日/エルコンドルパサー凱旋門賞(GI)2着
この年、同世代のエルコンドルパサーは長期の海外遠征を敢行。イスパーン賞2着、サンクルー大賞典優勝、フォア賞優勝から臨んだ凱旋門賞で、モンジューの半馬身2着となり、日本競馬が確実に海外レベルに近づいてきたことを実感することが出来た。
◇1999年12月26日/有馬記念(GI)
秋は毎日王冠からの始動となったが、格下相手に辛勝
これにより左回り苦手説が囁かれる
JCを目標にしていたが、筋肉痛で回避。有馬でグランプリ3連覇を目指すこととなった。
対してスペシャルウィークは、10月31日に武豊騎手とともに天皇賞秋に出走。前年のサイレンススズカの弔いとなる勝利を飾り、春秋連覇。
11月28日のJCでは日本総大将を務め、凱旋門賞優勝のモンジューを撃破しGI連勝
有馬記念では、いよいよ再び2強対決が実現した。
迎えた12月26日の有馬記念
私は中山競馬場にいた。
スペシャルウィークはこのレースで引退する事が決まっており、これが2頭の最後の戦いである。
右回りならグラスワンダーのほうが強いと支持を集め、
1番人気は7番のグラスワンダー、
2番人気は3番のスペシャルウィークという人気順であった。
ゲートインが完了し、スタート
グラスワンダーは後方から4番手、そしてスペシャルウィークは、武豊騎手の秘策として最後方からのレースを選択した。
最後の直線
ツルマルツヨシが抜け出したところをグラスワンダーが捕らえる。
そこを大外からスペシャルウィークが一気に飲み込もうと迫ってきた。
最後は2頭が首の上げ下げでゴールイン
写真判定!!
態勢はスペシャルウィーク有利
武豊騎手が勝利を確信したのか、ウイニングランをしている。
観衆もそれに応えて歓声をあげるが、、、
私は一人「スペシャルじゃないよ」と、半ば願望のような心の叫びをあげていた。
果たして、、、
勝ったのは、
グラスワンダー!!!!
グランプリ3連覇達成
この時の有馬記念。
的場騎手のサイン入りポスターがこれである。
この勝利を最後に力を使い果たしたのか、2000年は3戦して全て掲示板外。
宝塚記念で骨折を発症し、このレースを最後に引退を発表
種牡馬入りとなった。
私はトウカイテイオーをリアルタイムで見ることは出来なかったが、
「栄光と挫折」のドラマをこのグラスワンダーで体験することが出来た。こうして、今でも推しの馬となっている。
グラスワンダー→スクリーンヒーロー→モーリスと繋げることができた系統。
社台Fで繋養されるような後継種牡馬を、出資馬として掴み取れたらなんと幸せだろう。それを実現できるよう、逸材を見逃さずにいたい
競走成績
◆OPクラス(9-1-0-5) GI4勝