歴史新発見ベスト10より。南東北の前方後方墳について | 原島礼二、原島隆の「池袋古代史入門講座」のブログ

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先日放映されたBS・NHKの「歴史フロンティア」で、令和になってからの新発見ベスト10を紹介していました。

1位は去年ニュースになった富雄丸山古墳かと予想していましたが、源氏物語の新しく発見された写本でした。

しかし2位に入ったのは南東北(福島県、山形県)の古墳の話でした。
 

紹介されたのは、福島県喜多方市の灰塚山古墳(61mの前方後円墳)で5世紀の古墳です。

埋葬施設は2つあり、小さい方は骨が残っていたので男性と分かりました。(2020年春に放送された「偉人たちの健康診断」では、この古墳から出土する骨から縄文人より大陸人に近い現代人の骨に近いと分析されていました。)

大きい埋葬施設は骨はなかったのですが、鏡や腕輪などが出土していることから女性が埋葬されたと考えられています。

番組では同じ南東北エリアに女性が埋葬された前方後方墳がいくつかあることも紹介していました。(郡山市・大安場古墳など)

そして清家章さんの古人骨の研究成果なども紹介され、3~4世紀の古墳に比べ5世紀には男性の埋葬が増えることが解説されました。

前方後方墳は女性埋葬の墳形とはすぐには決めつけできませんが、前方後方墳の謎を解くヒントが南東北エリアにはありそうですね。