小説の醍醐味。

この本もいい作品でした。

なんて言うのだろう。

よく練られたサスペンスなのだろうけど、

一言では表せない。

この小説、総ページ数はそんなにないのだ。

しかし、読んでいくと登場人物の心情の深さ

そして、構成の成り立ち(複線が明らかになるまで)が

緻密なのだ。

しかも、言葉を最小限に抑えているのだ。

設定やら表現する言葉を極力少なくし、

けれど、読み応えのある小説を成立させてしまう。

作者の表現者としての実力と見識の深さ、

あくなき完璧主義が手に取るように感じる作品だ。

オトナな小説です。