バウ史に残る名作!星組バウホール『龍の宮物語』千秋楽観劇 | 茶々吉24時 ー着物と歌劇とわんにゃんとー

星組バウホール公演『龍の宮物語』千秋楽を見てきました。

 

11月末に見たときには、ストーリーや、

ご贔屓の出番をチェックすることに必死でした。

それでも作品の魅力は十二分に感じました。

初見の感想はこちらです。

隼玲央くんの良いところいっぱい 星組バウホール『龍の宮物語』

(茶々吉24時 2019年11月29日)

 

さて今日は、前回より全体を見渡せたと思います。

結論から言いますと、私のバウホール観劇史上、

ベスト5に入る名作だと断言できます。

(1位は何があろうと不動の、

 花組 大浦みずき主演『アンダーライン」です)

 

初見の感想は個人別に書かせていただきましたが、

今回は別の視点で掘り下げてみます。

 

まずは舞台装置、転換が素晴らしい!

ものすごく凝った道具立てがあるわけではないのだけど、

現実世界と「龍の宮」(竜宮城みたいなもの)の差が

はっきりとわかります。

 

開幕早々、ホリゾントに輝く青い満月が圧巻。

あれは水面に映った月にも、

池の底から水面を見上げて見える月にも見え、

見る人を一気に幽玄の世界に誘います。

 

そこに登場する龍の宮の人々(人間じゃないけど)の造形がまた素晴らしい!

冒頭、段上がりの所にずらっと並んだ様子には鳥肌が立ちました。

いかにも池の底に住まう者らしい衣装とメイクは、

できることなら さかなクンにお見せしたかった!!

絶対褒めてくださったと思うのよ。

歌舞伎で登場人物勢揃い場面を見るような、

不思議なゴージャス感がありました。

「わー!すごい!この後どんなお話が展開されるのか!」と

ワクワクが止まらないのでした。

もし、冒頭この場面で勢揃いした龍の宮の面々がショボかったら、

物語世界に没頭できなかったと思います。

 

「人間」世界の衣装も負けてはいません。

明治中期から大正後期までの着物やスーツが、

古臭くないのです。モダンなの。

特に第二幕の酒場「セリジエ」の女給さんや女将さんの

着物や帯のオシャレなこと!

思わず、オペラグラスで着物の柄や生地をガン見してしまいました。

美稀千種さん演じるやくざ者の、

着流しにマフラー、ハット姿も粋だし、

せおっち・清彦の長羽織の羽織紐までオシャレ。

龍の宮で着ている長羽織の羽織紐は長めのビーズがキラキラ、

カフェで働いているときの羽織紐は幅が広めでフサが大きい、

どちらも体の大きなせおっちとのバランスが最高でした。

 

アカデミー賞のように、

宝塚歌劇団の年度賞や阪急すみれ会パンジー賞に衣装部門があれば、

「龍の宮物語」は文句なしに受賞できると思います。

 

有沙瞳さん・玉姫は衣装も素敵だけど、

ヘアスタイルが良いのです。

龍神に愛でられるのも当然と思えるビジュアルです。

 

 

次に場面ごとの感想を。

●第一幕、島村家の山荘で書生たちが百物語をする場面。

 清彦(瀬央ゆりあ)、山彦(天華えま)、松次郎(天路そら)、

 桂介(隼玲央)、竹雄(鳳真斗愛)の仲良さげな様子がとても良い。

 この場面の若者たちが、明るければ明るいほど、

 楽しげであればあるほど、

 後半、清彦の孤独を際立たせるのだと思います。


 この場面、私のご贔屓 隼玲央くんが良いんですわー。

 この物語の基礎となる「夜叉ヶ池伝説」を語るセリフが良いのは

 初見の感想で書きました。

 今日感心したのは、所作です。

 座布団に正座している状態からすっと立ち上がる、

 あれ、簡単に見えて実はすごく体幹がしっかりしていないとできません。

 特に片手に燭台を持っている状態で。

 嘘だと思うなら一度、正座状態から

 手をつかずに立ち上がってみてください。

 ちょっと前にかしいでしまいません?

 隼玲央くんはすっと背筋を伸ばしたまま苦もなく立ちます。

 書生さんの中でも「ええしの坊々」である桂介らしさが、

 こういう所にも出ているのだなと思いました。

 

 書生の中の山彦・天華えまさんの役については、

 私の中では謎が残っております。

 なぜ山彦は色々な事情を知っているの?

 そして、なぜ●●になってまで、清彦に警告をしてくれたの?

 第一幕を見る限り、清彦との親しさは他の書生さんたちと

 さほど変わらないように見えたのに。

 そこの部分だけ、もっと説明してほしいと思いました。

 

 

●龍の宮の場面。

 ニコイチ的な配置になっている源五郎と弥五郎。

 息のあった二人が笑いを誘います。

 メイクが特殊すぎて初見ではどなたかわからなかったのですが、

 夕陽真輝さんと蒼舞咲歩さんだったんですね!

 (役名の順に書きました)

 二人とも達者ですねー。

 達者といえば、岩鏡役の紫月音寧さんも印象に残りました。

 第二幕での長いセリフは明瞭であると同時に、

 高官らしい怜悧さがありました。

 そして、カーテンコールの時の紫月さんは、

 挨拶する美稀千種さんや せおっちの言葉に深く頷いていて、

 作品への深い思いが伝わってきました。

 

●第二幕 玉姫の砌(庭)

 この物語の最終幕、清彦と玉姫が思いをぶつけ合う所は

 胸がキュンキュンしますね。

 清彦が玉姫を正面から抱き寄せず、

 姫の中に燃えていた憎しみや哀しみを丸ごと抱えるように、

 バックハグするのがたまらん!!

 そして玉姫の胸につかえていた負の感情が

 一気に溶けて流れるように、

 玉姫・有沙瞳さんの目から零れ落ちる涙の美しかったこと!

 客席からもすすり泣く声が聞こえてきて、私も泣きそうに。

 

 でもそこで泣かなかったのは、龍神が登場してきたから。

 龍神・天寿光希さんの憤りが客席にビンビンと伝わってきて、

 涙も引っ込む迫力です。

 「口惜しきかな、口惜しきかな!」と、歌舞伎調のセリフが

 龍神によく似合いますね。

 物狂おしいまでに玉姫を愛する龍神、

 玉姫を恋う清彦、清彦をかばう玉姫、

 三つの愛が絡み合うこの場面は、まばたきするのも惜しい名場面でした。

 そこに割って入る、龍神の弟君 火遠理・天飛華音さんは、

 ものすごくパワーが必要だろうなと思いました。

 これがバウホールデビューの指田珠子先生は

 すごい場面を作ったものですねぇ。

 

●フィナーレ

 黒服の男役・娘役のダンスから、デュエットダンスまで、

 素敵な振り付けでした。

 

 

拍手鳴りやまず、4回、5回とカーテンコールがありまして、

最後はせおっち一人が緞帳の前に出てきてご挨拶。

一瞬せおっちは涙がこみ上げてきたのか、

言葉に詰まりかけたのですが、

そこでグッとガッツポーズのような手振りをして

(泣かないぞ、頑張るぞ的な)

言葉を繋いだのが可愛らしかったです。

せおっち、いい男役さんに成長してますねー。

来年2月の新生星組公演が俄然楽しみになりました。 

 

 

ああ、他にもっと感じたことがあるはずだけど、

これ以上書けません。

本当に、感動しすぎて、興奮しすぎて、

バウホールを出たら喉がカラカラになっていました。

 

聞けば『龍の宮物語』は東京での公演がないそうですね?!

こんないい作品をご覧いただけないなんて、お気の毒すぎます。

せめてDVDを!!

 

 

 

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