月組『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』観劇 | 茶々吉24時 ー着物と歌劇とわんにゃんとー

本日2回目の更新です。

 

月組『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』を観劇しました。

 

 

先週日曜日に参加した月組副組長 夏月都さんのトークショーと、

劇団公式発表の舞台ダイジェストでの予習を済ませていざ劇場へ。

 

ありがたいことに、最前列の通路寄りの席で拝見しました。

目の前にスターが!!

鼻血出そうになりながらの観劇でした。

 

『I AM FROM AUSTRIA  ー故郷は甘き調べー』は、

『エリザベート』『モーツァルト!』などの大ヒットミュージカルを産んだ

ウィーン劇場協会が2017年に制作したミュージカル。

今年が日本オーストリア有効150周年記念ということで、

月組での上演となりました。

 

舞台となるのは、オーストリアの四つ星ホテル ホテル・エードラー。

オーナーであるエードラー夫妻は、五つ星ホテルにして、

息子に引き継ぎたいと考えている。

 

一方、息子のジョージ・エードラーは、伝統を第一に考える両親とは

考え方が違う。

だが自分なりに、より良いホテルにし、ホテルの顧客だけではなく、

周囲の人をもしあわせにしたいと考えていた。

 

そんな時に、ハリウッドで人気の美人女優 エマ・カーターが

お忍びでホテル・エードラーに滞在することになった。

同じ時に、アルゼンチン代表のサッカー選手、

パブロ・ガルシアもホテル・エードラーにやってきた。

実はエマのマネージャー リチャードは

パブロ・ガルシアとエマを結婚させ、

大きな話題作りをしようと考えていた。

しかし、ジョージとエマが出会ってしまい、意気投合してしまう。

リチャードは作戦を練る。

一方エマは、周囲に明かしていなかったが、

本当はオーストリア出身だった。

家出して渡米、ハリウッドで人気が出ても母と連絡を取れずにいた。

 

ジョージとエマの恋は成就するのか?

エマは母と会えるのか?

(『I AM FROM AUSTRIA』の導入部分を私なりにまとめました)

 

 

それでは覚えている範囲で、個々の感想を。

ネタバレもあるかと思いますので、

ここから先を読むかどうかは あなたの気持ち次第ということで。

 

 

 

●ジョージ・エードラー:珠城 りょう

ホテル・エードラーの一人息子です。

たまきち(珠城りょう)ってこういう前向きで素直な青年が

本当によく似合います。

正義感があり、理想に燃える姿もぴったり。

そんな好青年ジョージ・たまきちを見ていて気がついたのは、

私はもう ジョージより、ジョージの両親の立場や考え方に

共感する年齢なんだなということでした。

親に内緒でホームレス支援をしているたまきちが、

エマに「ご両親には言わないの?」と聞かれ、

「きっと反対するさ」と答える場面では、

心の中で、こんな風にジョージに語りかけてしまいました。

「ホームレス支援に反対したからって、両親が悪い人とは限らないよ。

 ホテルを五つ星にしたいのは、単なる私利私欲とは違うと思うナ。

 経営者には、従業員を養う義務があるの。

 従業員(大きな意味での家族)の幸せを最優先するのは

 経営者としては当然のことなんだよ。

 それに、相談もせずに決めつけるのはどうかと思うよ」と。

 

 私はもともと「憂い」好きなので、

 明るい たまきちには熱狂しません。

 ただ、本当に素直でまっすぐな青年に見えるので、

 ジョージが嬉しそうだと、私も嬉しいし、

 悩んでいると「めげないで!きっとうまくいくさ!」と

 励ましたくなるのです。

 永遠の好青年、たまきち。

 私はこれまで見た中ではダルタニアンが一番好きです。

 いつか、あれを超える役を見てみたいです。

 

 ●エマ・カーター:美園 さくら

 ハリウッド女優のゴージャスさが若干足りない気もしました。

 今回は宝塚歌劇の娘役さんにしてはセリフも歌も低い声。

 きっと原作ミュージカルとしてのことだと思います。

 私は、ベチャベチャしたセリフ回しの娘役さんが苦手。

 美園さんは残念ながら普段はベチャベチャ系です。

 今回は低音のためか、少しは良かったのですが、

 歌になると歌詞が全く聞き取れなくて困りました。

 でもそれは美園さんのせいではないのかも。

 私は20年ほど前に突発性難聴と診断され、

 3週間入院し、ステロイドの点滴治療を受けました。

 幸い聴力を失うことはなかったのですが、

 以来、バイオリンの高音が耐え難かったり、

 ある周波数の音が聞き取りにくいように思います。

 だから歌詞が聞き取れなかったのは、私の耳のせいかも知れません。

 

 エマの靴がどれも可愛かったんです。

 白と黒のコンビカラーの靴が特に。

 

●リチャード・ラッティンガー:月城 かなと

 エマのマネージャーです。

 オーストリアの家出娘に大金を費やし、

 スターにしてやったという自負があり、

 今後はエマを思った通りに操って大儲けしようとしています。 

 そしてジョージに対しては、ことあるごとに「このウィンナー野郎」を連発。

 本当に感じ悪いったらないヤツなんですよ。

 ただ、どうしようもなく綺麗。

 綺麗だから余計に嫌味。

 片えくぼすら憎たらしい、いい役ですねー。

 

●ヴォルフガング・エードラー:鳳月 杏

 ジョージのパパです。

 奥さんに頭が上がりません。

 奥さんが違うといえば、即座に持論を曲げることを

 恥ずかしいとも思っていません。

 登場してすぐに、そういう場面が繰り返され、

 お客様がクスクス笑います。

 嬉しい!

 私はね、ちなつさん(鳳月杏)には 

 ゆうひくん(元宙組トップスター大空祐飛)の面影を重ねてしまいます。

 つまりビジュアルが好みなんです。

 もしかしたら今の宝塚歌劇団で一番長いかも知れない脚!

 髭をたくわえ、ピンストライプのスーツを着こなしたパパを見て、もう悶絶。

 「ステキ!好き!!」

 なんと、銀橋に出てこられた時、指差していただきました!昇天!

 (多分、私の座った番号の列全員が「私が指さされた!」と思っているでしょう)

 ホテル経営に血眼になっている奥さんとは心に溝ができ、

 浮気している……と思わせておいて、実は違う、という展開は最大限の胸キュンでした。

 中年夫婦の鑑!!

 

●ロミー・エードラー :海乃 美月

 ジョージの母でホテルの社長です。

 浮気性の夫より、ホテルの経営に血眼になっている奥さんです。

 息子は今時の若者で、いつまでたっても頼りない、

 と思い込んでいる節があり、だからこそホテル経営を盤石にしたいと思う、

 その母心と、中詰でダルマ(水着のように腕と足を出す衣装)で踊り狂うギャップがいい。

 すごく吹っ切れた感じがして、いいと思いました。

 

●パブロ・ガルシア:暁 千星

 アルゼンチン代表のサッカー選手。

 もしかして、脳みそも筋肉でできているおバカさんなのか?という役です。

 両手を広げるシーンなどで、いつもより背筋がムキムキに見えました。

 もしかして、この役のために筋トレしたのか?

 単に肉布団を着ていたのか…。

 ヘアスタイルやちょっと薄汚い感じの髭もいい感じ。

 すごく楽しそうに演じているのがいい感じでした。

 エマと結婚させられかけていたのだけど、

 まさかあの人を好きになるとはねぇ。

 面白い、トクな役ですね。

 

●エルフィー・シュラット:光月 るう

 ホテルのコンシェルジュ、組長に珍しい女性役です。

 まず、髪の毛が良いんですよ。

 美しいグレーヘアーを模索している私にとって、

 「おお、こういう髪型いいなぁ」と思わせてくれるグレーヘアー。

 とてもおしゃれな外見なのに、発言のいちいちが古臭いのがオカシイ。

 ともかく著名人といえば「シュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガー)」だし、

 イケメンを見ると「私の○番目の夫にそっくりだわ」。

 いったい何回結婚しているのか。

 そしていったい何年生きているんだというエピソードを連発し、

 ホラ吹きなのか、真面目なのか全くわかりません。

 わかりやすくいうと、樹木希林さんのような役柄でした。

 私が今日一番感情移入したのがエルフィーでした。

 もし、好きな役をやらせてあげようと言われたら、

 迷わずこの役を選びます。

 光月組長、本当に楽しそうに演じていました。

 

●ヘルタ・ヴァルトフォーゲル:夏月 都

 エマのお母さんです。

 夏月都さんのトークショーレポ(月組副組長 夏月都さんトークショー(2019年10月)

 では書ききれなかったことがあります。

 夏月さんは今回、役をどう演じるかといったプランは置いておき、

 ヘルタの居る場所を思い描き、そこに「実際に居る」ことを大事にしてみた、

 とおっしゃっていたのです。

 ヘルタはキオスク(?)で働いているんです。

 だからその職場をしっかりと思い描き、ヘルタとしてその場に立てば、

 自然と動き、しゃべることになると。

 その言葉を思い出しながら拝見すると、夏月ヘルタにとっては、

 ちょっとした箱型の大道具があるわけではなく、

 実際の建造物や人の流れが見ているんだろうな、と思えました。

 今回、銀橋を歩くシーンがあり、1列目で見ていた私には

 ヘルタが履いている靴がよく見えたのですが、

 ちょっとくたびれたような生活感溢れる靴だったのでびっくりしました。

 リアルでしたわ。

 ヘルタ以外の出番で、ホテルの若いスタッフを演じているところも

 見逃せません。可愛いです。

 

●デニス :紫門 ゆりや

 警官役の時の制服もいいのだけど、

 ホテルでの「セレブ」役の時のド派手な衣装が妙に似合っていて、

 とても目を引きました。

 

●ミス・ツヴィックル:白雪 さち花

 旅行会社の社員。

 台詞回しや衣装は、先に見た「ON THE TOWN」の延長のような役に見えました。

 おしゃれな中年男子 ヴォルフガングが、

 どうしてこんな女性と浮気しちゃうんだろうか、

 奥さんとは全く違うタイプなのがいいんだろうか、と

 真剣に考えこんでしまいましたよ。

 種明かしをされて、ホッとしました。

 白雪さんはこういう役がハマりますね。

 

●ナディヤ:晴音 アキ

 女性警官のユニフォームがとても似合っていて、

 カッコ良かったです。

 

●セルヴス:蘭 尚樹

 2015年に中山寺の節分を取材させていただいた際に、

 お話を聞かせていただいて以来、

 いつも蘭尚樹さんには注目しています。

 男役さんらしくなられたなぁという気持ちと、

 すごく痩せておられるのでお身体が心配という気持ち、

 両方があります。

 セルヴス以外にも色々な場面で活躍されていました。

 特に、若き日のヴォルフガングのダンスシーンは素敵でした。

 中山寺の節分に関する記事はこちらです。

 ↓

 関西ウーマン 宝塚歳時記「タカラジェンヌと節分」(2015年2月)

 

●フェリックス・モーザー:風間 柚乃

 ホテルのフロント係。

 紅白のホテルのユニフォームがよく似合っています。

 大きな代役を何度もこなし、すでにベテランの風格もあるけれど、

 若々しいのが良いですね。

 声もいいし、セリフも聞き取りやすいし、

 どこまで伸びていくのやら、将来がますます楽しみです。

 

 娘役に転向した蘭世惠斗さん、

 今日はなかなか見つけることができませんでした。

 娘役さんとしてのいでたちを見慣れていないせいかもしれませんが、

 正直に言うと、私は男役さんのままでいて欲しかったナ。

 

 

 

『I AM FROM AUSTRIA』は「故郷」と「家族」がテーマの作品です。

作品の中に度々、「同じオーストリア人」「家族」と言う言葉が出てきます。

しかし、夏月都さんがトークショーでもおっしゃっていましたが、

日本人としては「同じ日本人だから、私たちは家族」とは、

なかなか思えないと思うのです。

ただ、「宝塚歌劇」と「ファン」の関係に置き換えてみると

どこか通じる気がするのです。

私は現役OGひっくるめたタカラジェンヌとは全くの他人なわけですが、

他の芸能人には感じない親近感を覚えています。

見ず知らずの人であっても

「実は私、宝塚ファンなんですよ」と言われたら

一気に距離が縮まります。

 

オーストリアの栄枯盛衰や、細かい歴史を知れば、

もっと深い意味を汲み取れるでしょうが、

そうでなくても、クスクス笑いながら最後はハッピーな気持ちになれる

好感が持てるミュージカルだと思いました。

 


 

 

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