三谷監督の最高傑作だと思う『記憶にございません!』 | 茶々吉24時 ー着物と歌劇とわんにゃんとー

ナイトショーで三谷幸喜監督の最新作『記憶にございません』を

見てきました。

いやー、笑いに笑いました。

時間帯のせいか、客席は中高年が多かったです。

最初は遠慮がちなクスクス笑いがあちこちから上がっていて、

途中からは声をあげて笑う人続出。

終わったあとは気分爽快。

笑ったからスッキリしただけではなく、

極悪非道な人物が一人も登場せず、

明るい結末だからこそ。

三谷幸喜監督は性善説を信じておられるのではないかと思います。

 

三谷監督がこれまで作った映画は6本。

『ラヂオの時間』、『みんなの家』、『THE 有頂天ホテル』、

『ザ・マジックアワー』、『ステキな金縛り』、『清洲会議』のうち、

『ザ・マジックアワー』以外は全て映画館で見ています。

どれも面白かったけど、私は『記憶にございません』を見終わって、

これが最高だと思いましたよ。


【注】

三谷幸喜監督作品に漏れがある、とご指摘をいただきました。

2015年『ギャラクシー街道』がありますよ、と。

タイトルを聞いても思い出せません。

ごめんなさい。

 

物語はとてもシンプルです。

 

口が悪く、汚職もバンバンやる、

セクハラ、パワハラの権化のような総理大臣 黒田啓介。

当然、国民からの人気もなく、支持率は一桁で

公開演説中に石を投げられる始末。

石の当たりどころが悪かったのか、目が覚めた時に黒田は記憶を失っていた。

その事実を知るのは、医師たちと総理秘書官3名のみ。

優秀な秘書たちは、記憶を失ったままの黒田を支え、しのいでいくことを決意する。

しかし、閣僚たちをはじめ、マスコミに悟られずに済むだろうか?!

しかも数日後にはアメリカ初の日系女性大統領が来日する予定だ。

おまけに「最悪の」総理だった時に進めていた談合の相手もやってくる。

さあ、どうする、どうなる、黒田総理!!

(三谷幸喜監督『記憶にございません』 を私なりにざっくりと紹介しました)

YouTubeで公開されている予告編をご覧ください。

 

 

率直に申しましょう。

最近、筋立ては面白いものの、設定や細部に はてなマーク連発、

主役級の演技力が 今ひとつなテレビドラマを見ていたせいでしょうか。

芝居のうまい俳優さんの演技を見ることが、

こんなにもストレスなく、面白いものかと心の底から思いました。

 

以下、なるべくネタバレしないよう注意して書きますが、

予備知識を得たくない方は読まないようにしてくださいね。

芸名に敬称なしで失礼します。

 

●黒田啓介 内閣総理大臣:中井貴一 

 記憶を失う前の最悪な総理大臣像と、

 記憶を失って羊のようになった総理のギャップがおかしくて

 大いに笑いました。

 そして、人間はいつからでも決意一つで変われるものだという

 明るいメッセージが中井貴一さんには似合うのです。

 

●総理秘書官 井坂:ディーン・フジオカ

 あら、五代様。(古いね)

 大画面で拝見したらその美しさが際立ちますわー。

 NHKの朝ドラ『あさが来た』の五代友厚役は

 美しくて好きでした。美形、大好きです。

 ところがディーン様の演技に関しては、

 これまでうまいと思ったことがありません。

 誠に申し訳ない言い草だけど、

 どちらかといえばダイコンじゃないのかと思っておりました。

(すみません、失礼すぎる。でもこれが本音なの)

 ところが、井坂役はとてもナチュラルで、

 これまでで一番素敵でした!!

 

●事務秘書官 番場のぞみ:小池栄子

●総理官邸の料理人:斉藤由貴

●野党第三党 国民党党首 山西あかね:吉田羊

 この3人は、適材適所、いかにもいそうな人に見えました。

 特に小池栄子さんの前向きなパワーと役柄はぴったりで、

 今まで以上に好きになりました。

 

●総理夫人:石田ゆり子

 なんともマイペース、天然な総理夫人。

 上映前にわざわざ

 「この映画はフィクションで、登場人物にモデルはいないし、

  もし似ていたとしてもそれは たまたまです」

 といった内容のテロップが出るのですが、

 石田ゆり子演じる総理夫人はどう見てもあの人がモデルよね、

 と思えました。

 

●警官:田中圭

 今最も売れっ子といってもいい田中さん。

 私は田中さんの大げさな演技がチト苦手。

 ですが、この映画では田中さんらしい演技が役にはまっていて、

 良かったです。

 出番は少ないけれど、儲け役です。

 

●初の日系人女性大統領:木村佳乃

 「世界の果てまでイッテQ」というテレビ番組へのご出演で

 木村さんのイメージが変わりました。

 そのイメージにちょっと共通する役だったように思います。

 ヒラリー・クリントン風メイクやファッションがよくお似合い。

 華やかで綺麗でしたわ。

 

ここからは役柄と対比させないでおきますね。

 

●ROLLY

ROLLYが登場した時にはちょっと驚きました。

顎の感じですぐにROLLYと分かったものの、

素顔を見るのが初めてで、しばらくは半信半疑でしたが、

やっぱりROLLYでした。

こういう地味な役もできるんだ!

 

●宮沢エマ

 見たことがあるのだけど、誰だか思い出せず、

 モヤモヤしてしまいました。

 クスッとなる面白いエピソードがちょろっと挟まれていて、

 三谷監督は細かいところまで面白い設定を作っているなぁと思いました。

 

●有働由美子

 何度か登場します。

 最初誰かわかりませんでした。

 3回目に「あれ?!有働さん?!」と。

 すると斜め前でご覧になっていたご婦人が

 「あれ、有働さんじゃない?」とくちに出されたので、

 思わず「ですよね!」と、ハイタッチしたくなりましたワ。

 

●山口崇

 すごくおじいちゃんになっておられ、

 びっくりしました。

    この映画の要石みたいな登場です。

 ご健在で嬉しい!

 

●ジャルジャル 後藤淳平

 すごくいい役だと思いました。

 役柄に似合う声や物腰がとても素敵で、

   どこの劇団の方かと思ったらジャルジャルの後藤さん?!

    三谷監督の慧眼に脱帽です。

 

●天海祐希

 パンフレットを見て驚愕!

 天海氏、一体どこに出ていたの?!

 全然わからなかったし、記憶を巻き戻しても思い出せないの。

 パンフレットを見てみると、ある意味「男役」としての出演です。

 天海祐希を発見するためにもう一度見ようかと思うくらいに

 見逃したことが残念です。

 

最後に、三谷幸喜監督にどうしてもお尋ねしたいことがあります。

この映画の中には「あ、これはあの人がモデルね」と思う人物が

ところどころに出てくるのです。


黒田総理の小学校からの幼馴染役、

梶原善演じる小野田治はどなたがモデルですか?

夫は「横山ノックだ!」と言うのです。

Twitterなどでも横山ノックそっくりと言う方が多いんです。

でも、私は絶対に小佐野賢治氏がモデルだと思うんです。

絶対に。

と言うのも、ロッキード事件の証人喚問で

小佐野賢治氏が連発した言葉が「記憶にございません」。

当時流行語大賞があれば、絶対に大賞を受賞していますよ。

おそらく日本で初めて公の場で「記憶にございません」と言ったのは

小佐野賢治氏。

小野田治役はきっと、小佐野賢治氏をモデルにしていると思うの。

ああ、なんとか三谷幸喜監督にこのことをお聞きできないものか?!

 

 俳優さんだけでなく、総理官邸のセットなども見どころ。

ともかく、面白い作品です。

絶対に見て損はない、お勧めします。

 

 

ブログランキングに挑戦しています。

もし記事を気に入っていただけたなら、

ポチッとクリックよろしくお願いします。

   ↓


人気ブログランキング