月組『カンパニー』『BADDY』観劇

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本日2回目の更新です。
 
月組公演を観て参りました。
 
伊吹有喜さんの原作本は先に読んでいます。
感想はこちらをご参照ください。

 

宝塚歌劇では、日本を舞台にしている小説が原作であっても、

外国の話に作り変えることが多いのです。

ところが『カンパニー』は日本の企業・バレエ団そのままの

設定でした。

 

以後敬称略で失礼します。

 

⚫︎青柳 誠二:珠城 りょう

青柳さんはごく普通のサラリーマン。

企業合併で、もしかしたら職場に自分の場所がなくなるかもしれない

そんな悩みの中、ほとんど左遷の人事異動も受けて、

おまけに2年前に妻を亡くしている、そんな青年です。

開幕早々、通勤の満員電車が登場するのも、

あまり宝塚的ではありませんが、

なんとなく違和感なくすっと物語に入ることができました。

たまきち(珠城さん)はスーツにバックパックがよく似合う好青年。

普通の社員……なんですが、通勤に着ているコートが全然普通じゃない!!

細かいラメのようなものが織り込まれていて、

地味な地色のコートなのにキラキラしているんです。

ああ、やっぱり宝塚だわ。

畑違いのバレエ団に派遣され、

芸術に携わる人たちの努力や志を知り、

自分も前向きに生きる様子、

不器用ながらに成長してい様子がたまきちのイメージにぴったり。

たまきちって、

「俺様はスターだぜ、お前ら文句言うな、ついてこい!」

というのではなく、仲間と一緒に、前を向いて頑張っている感じ。

(私の勝手なイメージです、すみません)

非常に好感の持てるドラマに仕上がっていました。

それと、ドラマのあちこちにクスッと笑える台詞や場面が

散りばめられているのですが、

それが出演者の内輪受けにはなっていなくて、

客席全体から小さな笑い声が聞こえる感じなのが良い。

まさにこのドラマのテーマの一つ

「客席もカンパニーの一部」を体現していると思いました。

私は特に、たまきちが踊る「空手ダンス」にハマっちゃいましたワ。

 

⚫︎高崎 美波:愛希 れいか

『グランド・ホテル』のグルーシンスカヤで、

バレリーナ役のチャピを見ていたので、

今回もこの役は全く違和感がありませんでした。

違和感どころか、バレエ団に所属している女性の中で、

バレリーナらしい風貌の人がチャピ以外だと

憧花ゆりのくらいしかいないことにビックリ。

私はバレエの門外漢なので、

本当のバレリーナ体型を知っているわけではないのですが、

首の長さとか、首から肩にかけての形とか、そういうフォルムです。

体型は急に変えられないから仕方がないのですけどね。

チャピは、もう娘役トップの頂に到達した感があります。

どんな役でもOK、という安心感が。

退団は惜しまれるけれど、美しい引き際、お疲れさまでした。

 

あ、追伸。

チャピが劇中で「東京五輪音頭」を歌ったのにはぶっ飛びました。

まさか、宝塚でこの歌を聞こうとは!

 

⚫︎高野 悠:美弥 るりか

世界的プリンシパル、高野役を

ちょっとミステリアスな風貌で演じていました。

ただ、カツラや役作りがショーのほうと同じように見えたのが

少し残念。

妖しげ、けだるそう、ミステリアス…という美弥さんは素敵だけど、

もっと様々な色合いの美弥さんを見てみたいのです。

 

⚫︎敷島 瑞穂:京 三紗

⚫︎田中 乃亜:憧花 ゆりの

このお二人は、バレエ団の要の役。

私はバレエの場内アナウンスなどを担当することがあるのですが、

京三紗さん、憧花さんと全く同じ印象のかたを見たことがあります。

見た目といい、お話しぶりといい、

「そうそう、こういうかたたちがいらっしゃったワ」

説得力大でした。

 

⚫︎有明 清治郎:綾月 せり

企業のトップらしい落ち着いた雰囲気が好感度大でした。

 

⚫︎脇坂 英一:光月 るう

脇坂専務、かなり面白い役でした。

最後に、台車いっぱいの荷物を押しながら光月さんが登場した時、

おかしくて笑い転げてしまいました。

別に妙なセリフをしゃべるわけではないのですよ、

サラリーマンの悲哀が逆におかしいんです。

観劇されている男性のかたには一番親近感を持たれる役かも。

儲け役でしたね。

 

⚫︎社長秘書:夏月 都

この会社の秘書の制服がおしゃれなのに、まず注目しました。

セリフがない時も表情があり、

こういう演技が舞台にリアリティを与えるのでしょうね。

 

⚫︎阿久津 仁:宇月 颯

ユニット「バーバリアン」の代表者(?)。

EXILEのHIROさん的な立場なんですよね?

見た目も雰囲気も、ぴったりな役だと思いました。

 

⚫︎大塚 三朗:紫門 ゆりや

⚫︎山田 正芳:輝月 ゆうま

サラリーマンのお二人のさりげない会話が状況説明になっていて、

実はとても重要なのでした。

どこか飄々としていて、現実にこういう人がいたら、

職場では人気がありそう、そんなお二人でした。

 

⚫︎バーバリアン:貴澄 隼人、夢奈瑠音、蓮 つかさ、輝生 かなで、英 かおと

パフォーマンスユニット、イケメンぞろいです。

生きのいい男役さんが楽しげに演じているのが、

見ていて楽しかったです。

 

⚫︎有明 紗良:早乙女 わかば

これまた私の勝手なイメージですが、

「金で役を買った社長令嬢」と言われてしまうバレリーナ、

という設定に早乙女さんはぴったり。

見た目の華やかさ、苦労知らずに見えるところが、

アルバイトをしながらバレエを続ける他の団員と

あきらかに違うのですよ。

役の適材適所を感じました。

 

⚫︎水上 那由多:月城 かなと

那由多役は月城さんと事前に予習していたのに、

舞台姿を見た時

「え?このイケメン誰だっけ?」

と、しばらくわからなかったんです。

メイクとカツラのせいか、ものすごく下級生に見えて、

しばらく悩みました。

月城さん、綺麗。

月城さんも根が真面目なかたなのかな?

ラスト近く、泣きの演技が、なぜか笑いを呼ぶのでした。

 

⚫︎瀬川 由衣:海乃 美月

スポーツトレーナーの一本気な感じが好感度大。

冒頭、自分がお世話をしていた選手が

競技をやめなくてはいけない原因となったピン芸人に対して

キレるところが私的にはツボでした。

ただ、海乃さん、痩せましたねぇ。

ジャージ姿の時はさほどとも思わなかったけれど、

素敵なワンピース姿になった時、

「うわ、細っ!!」

びっくりしました。

もう少しだけふっくらしたほうがより美しいかも。

 

⚫︎長谷山 蒼太:暁 千星

バレエ団の男子。

暁さんって、歌も踊りもなんでもできる人、

という印象があります。

蒼太役は、等身大な感じで、非常に好感が持てました。

もっと歌を聞きたかったけれど、

今回はバレエで活躍されていたので、まぁ良しとしましょうか。

 

『カンパニー』は、現代的な問題を織り交ぜながらも深刻にならず、

笑いを散りばめながらもドタバタ喜劇にならず、

非常にわかりやすい楽しめる作品だったと思います。

あれ?演出は石田昌也先生だったのね。

石田先生なのにお下品発言も、やりすぎギャグもなかったは良かった良かった。

(いつも「あれさえなければ」と思っていたのですよ)

あ、楽しかったと言えば、

私は今日、お誘いいただいて1階3列通路ぎわで見せていただいたのです。

ありがたいことです。

『カンパニー』ではお芝居なのに客席降りがありましてね、

それがハッと気が付けば隣に人が居る、という演出になっており、

かなりびっくりしました。

突然人が現れるだけでも驚きますが、それがプチ小林幸子なんだもの。

どういう意味かはご観劇いただけばわかりますヨ。(^^)

 

さて『BADDY』。

ショー『BADDY』の作・演出は上田久美子先生。

これまで泣かせるお芝居を多く手がけておられる上田先生のショー。

ストーリー仕立てで、ほとんどの人が通し役を持っていました。

 

宝塚市を中心として平和な世界となった未来の地球が舞台。

月から悪いヤツ(バッディ=珠城りょう)が降りてくるのです。

悪いヤツ仲間で、妖しげな魅力を放っているのが 美弥るりか。

悪を追う女性捜査官グッディ=愛希れいか。

グッディにひそかに思いを寄せるポッキー警部が月城かなと。

(月城・ポッキー、とても可愛く、目が離せなかった……)

未来の設定だけど、おとぎ話のような世界観で、

その世界に溶け込むことさえできれば、

年齢に関係なく楽しめる作品でした。

面白くって私は大好きです。

途中何度も「なんでやねん!」と突っ込み、笑いながら見ていましたよ。

 

まず開演アナウンス。

タイミングもセリフも面白いの。

たまきちが常に悪ぶっているのも、なんだか可愛い。

 

二枚目男役がなぜロブスター?なぜオマール海老?

どうにもこうにも笑いが止まりません。

 

チャピはお芝居同様、大活躍。

特にラインダンスに乱入(?)したシーンは、

表情といいダンスといい、迫力がありました。

 

大階段が出てきた後の、男役勢揃いのダンスが良い!

最もしびれたのはデュエットダンス。

普段のデュエットダンスは、

トップ二人が”互いを思い合い、求めあう愛”が描かれているものですが、

これはちょっと違うの。

「悪」が「善」を引き込もうとし、

「善」は「悪」を裁こうとする、

敵対しているはずの二人が、

実は互いに惹かれあっていることも心のどこかでわかっており、

最後はともに破壊の炎の中に身を委ねる……

このシーンは、息をすることを忘れてしまいそうでした。

このデュエットダンスで良かったことはもう一つ。

シーンの余韻そのままにセリ下がっていったこと。

最近のデュエットダンスって、銀橋に出てきて決めポーズの後、

かならず客席に挨拶をするでしょう?

あれ、いつから決まりごとのようになったのでしょうか?

あのおじぎ、本当に要ります?

私はデュエットダンスは、そのままハケてもらいたい派です。

ダンスの世界観をそのまま残しておいて欲しいんですよ。

うまく言えませんけど。

 

最後は文句になってすみません。

今回の月組公演はお芝居もショーもレベルが揃っていて、

老若男女どなたでも楽しめると思いました。

宝塚歌劇を見たことがない人をお連れするのも良いかも。

月組に ごひいきスターがいないとおっしゃるかたも、

見て損はないと思います。

 

 

 

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