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これまで何度か本屋さんで見かけたものの、

買うのをためらっていた本があります。

 

こんな不気味なカバーをかぶせて売られている本を

ご覧になったことはありませんか?

 

黒く塗りつぶした紙に、鉛筆もしくはサインペンで

(ぺんてる社の”ボールPentel"で書いたのではないかと想像しています)

ぎっしり書かれた紹介文。

字面を見るだけでも、ある種の力を感じてしまいます。

image

この本は通称「文庫X」と呼ばれていました。

このたび、意を決して読むことにしたのです。

清水潔さんの『殺人犯はそこにいる』。

 

 

タイトルだけ見れば、ちょっと面白そうな推理小説ふう。

でもサブタイトルを見てください。

『隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』とあります。

これは現実に起こった事件の話。

小説ではなく、ドキュメンタリーなのです。

 

1979年に栃木県足利市で5歳の女の子が行方不明になり、

その後遺体となって発見されました。

1984年には同じ栃木県足利市で、やはり5歳の女の子が、

1987年には群馬県尾島長で8歳の女の子が、

1990年には栃木県足利市で4歳の女の子が、

いずれも誰かに連れ去られ、その後遺体となって発見されました。

そして1996年には群馬県太田市で4歳の少女が行方不明に。

その少女はまだ消息不明です。

 

足利市で起こった3件については、

菅家利和さんが連続殺人犯として逮捕され、刑務所へ。

(ただし起訴されたのはそのうち1件のみ)

自白と、当時始まったばかりのDNA鑑定が決め手でした。

しかしのちに菅家さんは、

自白は強要されたもので、自分は無実だと主張します。

いわゆる「足利事件」。

菅家さんは17年間刑務所で過ごしたあと、

無罪(無実)が確定し、釈放されたことは私も知っています。

 

著者 清水潔さんは菅家さんがまだ刑務所にいるときに、

何かおかしいと感じたそうです。

足利事件の現場と群馬県での行方不明の場所は、

県こそ違うものの、地図で見ると驚くほど近接しているのです。

そんな狭い地域で、幼い女児を狙う犯罪者が

他に何人もいるのはおかしいでのではないか、

しかも行方不明になった女児のほとんどが、

パチンコ屋から連れ去られるという類似点がある、

これは5件とも同一犯ではないのか、と清水さんは考えました。

 

しかし警察は県が違うとお互いの連携が取りにくいことがほとんど。

栃木県足利市の3件と、群馬県の2件の事件は長いあいだ、

別の事件として取り扱われてきました。

 

清水さんは日本テレビの記者。

推論だけではなく、現場に足を運び、

関係者にも会い、資料を読みふけり、徹底的な取材を始めます。

これまでのマスコミの姿勢とは違う、

真摯なものを清水さんに感じたご遺族も

「本当のことが知りたい」と立ち上がりました。

 

それにしても、自白の強要はあったとしても、

DNA鑑定の結果で捕らえられた菅家さんが

どうして無実を勝ち取ることができたのか。

その理由を聞いてゾーッとしました。

「DNA鑑定」では、100パーセント同一人物と

特定できるわけではないのですねぇ。

そのあたりの説明は私には難しくてできません。

直接読んでください。

 

罪は裁かれねばなりません。

しかし、無実の人を捕まえて、

解決したかのように見せかけるのは、それ自体が罪です。

無実の人がいわれのない刑罰を課され、

苦しんでいるあいだに真犯人はのうのうと生きながらえているなんて!

しかも、別の人が捕まったあとで、新たな事件を起こすかもしれません。

実際、1996年の事件は、菅家さん逮捕後に起こっているのです。

恐ろしすぎませんか?

 

恐ろしいといえば、警察の捜査も恐ろしい。

誤ったDNA鑑定をうのみにし、

それに合わない目撃証言などは、

裏付けもとらないまま放置してしまったのですから。

もし自分がたまたま真犯人とDNA型が同じで、

しっかりしたアリバイがなかったら、

菅家さんのようになる可能性だってあるんですものね。

 

もちろん、日本の警察は優秀なことに間違いはないと思うので、

そうそう冤罪はないとは思いたいけれど……。

 

怖いのはそれだけではないです。

マスコミの報道も恐ろしい。

あれこれ考えれば考えるほど恐ろしい。

でも何も知らずにいるのはもっと怖いかも。

私は最近ニュースなどをみて首をかしげることが多いのですが、

この本を読んだあとは改めて、

報道をなんでもかんでも鵜呑みにするまいと思いましたよ。

 

上の写真のような、おどろおどろしいカバーを書いたのは

さわや書店 フェザン店の文庫担当 長江さん。

長江さんが、少しでも多くの人に手に取ってもらいたいと、

こういうカバーをかけた気持ちがよくわかりました。

私からも、お勧めします。

ぜひお読みになって。

 

 

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