低所得者向けのアパルトマン HLM | Parisの怒りマンボーのフランス愚痴日記

Parisの怒りマンボーのフランス愚痴日記

あこがれの花の都パリ、フランスの優雅な生活~~と現実は大違い。
8年のパリ生活で、穏やかだった私は怒りマンボーへ変身し、お馬鹿で自己チューなフランス人に怒り狂う毎日。
きらびやかなフランスのダークな面々をまきちらす、怒れるフランス愚痴日記です。

アイコンママブロネタ「日々のできごと」からの投稿



フランスにはHLMと呼ばれる低所得者向けのアパルトマンがある。
どうやらそのHLMにも段階があって、市場価格よりは安めだけど12-3万円で80m2くらいにすめるようなタイプもあれば、100m2の4LDKなのに家賃が5万とか7万とか破格のものもあるみたい。
そういうところに入りたければ、区役所に収入証明や子供の数など記載した書類を提出して、10年まちとか。
一旦入居できると、たとえ自分が引越することがあっても、(本当はいけないけど)それを又貸ししたり子供達に譲り渡したりするので、空き物件はほとんどなくて難しい。

また入れたらラッキーという反面、そういうところに住んでいる人は低所得者の人が多く、アフリカンやアラブ系の大人数の家族が住んでいたりするので、HLM自体を敬遠する人もいる。
また、自分が家を買ったり子供の学校を選ぶのに、HLMができるだけ少ないところを選ぶ人もいるらしい。

うちのアパルトマンの前には大きなHLMがあるし、娘が渡仏当初行っていた公立学校のお友達はそこに住んでいる人が多かった。
おうちにお邪魔すると、うちの3倍くらいの広さなのに、家賃が半分って、いいなぁと率直に思う。
しかもそういうおうちに限って、子供は4人も5人もいて、奥さんはベビーシッターの仕事をブラック(無申告)でしているけれど、ご主人の収入しか申告していないので低所得扱いで、HLMに住めるのみなならず、学校の給食も無料だし、毎月いろんな手当てをもらっている。
娘が「XXXちゃんのおうちは広くてうらやましい。うちはお金がないの」なんて言ったりすると、思わず憤慨してしまったりもした。

フランスの貧しい人を助けようという政策はいいけれど、高い社会保障費や税金を払っているのに、なんの恩恵もない私たちからすると、逆に不平等感がある。

今年1月にパリ市が新しいHLMのサイトを作った。毎週火曜日に新しい物件が掲載され、HLMを希望している人がそれに応募する。
その後パリ市と、パリ市が委託する不動産会社の選抜に数ヶ月間に及び、誰かがめでたくそのHLMをゲットできるらしい。

そのサイトは、1物件につき写真は2-3枚、内部の写真がなくて外見の写真だけだったりもするし、住所などの記載もない。
ただパリに建物ごと全部HLMというのが建設中のようで、そこの物件が数週間続けて掲載されていた。

うちは今1LDK 50m2のところに4人で住んでいてとっても狭いので、旦那がそこの3LDK応募しようというのだけれど・・・。
よくよく写真や条件を見比べたりネットで調べると、同じ建物内の同じ部屋数広さの物件でも、家賃が8万円台と16万円台のものがある。
もちろん8万円台の方には200人とか応募しているし(物件によったら1500人!)、勝ち目はない。
しかも公務員や子供が5人いる人など、点数性で有利な家庭、不利な家庭などあるみたい。

16万円台の方の応募する人は50人弱と少ないので、選ばれる可能性はある。
でも、同じ物件を、自分は毎月16万円払い、お隣さんは8万円しか払ってないなんて、不平等じゃないのか???って思えてくる。

それは、新しいパリ市長のイダルゴが、貧困家庭と裕福家庭が分離してしまわないように、混ざるようにという政策を採っているかららしい。
学校も、同じ17区の公立でも、高級住宅地側は裕福な家庭が多いし、反対側は黒人やアラブ人が多くなるので、ここの人は遠くなるけど反対側の学校にというように等、いろいろ混ぜる努力をしているらしい。

旦那は、「当たるには、高いほうに応募するしかない」というけれど、そもそも払うのは旦那じゃない。
でも私はこの家賃の差額がどうしても不平等に思えて納得がいかない。

しかも、もし税務調査の件が終ったら、私は郊外にアパルトマンが買いたいと思っていた。
パリみたいに高い家賃、15万-18万とかを毎月払っても自分のものにはならないし、定年後も払い続けなくてはいけない。
それを考えたら一日でも早く高額家賃をローン支払いにあてたいのだけれど、旦那は
「その気持ちはわかるけど、(買わずに家賃を払い続けるのは) 仕方がない」とな。

そのことを日本人の友達に相談したら、なんと明確な回答が!
「マンボー、下をみてたらきりがないのよ、フランスは。たとえ16万でも、普通の相場が20万のところを16万で住めるんだったらありがたいと思って応募したほうがいいよ!」と。
たーしーかーにー!納得。

そして速攻応募した。
そしたらなんと、2日後には返事がきて、「最終3人の中に残りました。不動産会社から書類提出など連絡がくるのをお待ち下さい」とのこと。
うれしい!!最後まで残れたらいいなぁ。
ただもしここに引越できるとしても、入居は10月末となり、子供達の学校が9月スタートなのに、新しい地区で行くか、前の学校に通い続けるか、などいろいろ問題もある。
しかも、新しい物件は家具つきではないので・・・冷蔵庫も電気コンロもテーブルもベッドも全部一気にかわなければ生活できない・・・なのに私の銀行口座になんと鼻くそみたいなお金しか残ってない・・・汗
10月末に出るボーナスで一気に買うしかない!

といろいろ夢を悪夢を膨らまさせながら、不動産会社の連絡を待ちわびていたところ、旦那がネットでこの物件についてかなり検索したらしく、新たな情報が・・・
なんとこの物件の家賃の枠は、8万円と16万円という2パターンじゃなくて・・・さらにもう1段階あるらしい・・・。
つまり、8万円よりもまだはるかに安い家賃で入居できるスーパーサイヤ人みたいな家族がいるらしい・・・
せっかく価格差から立ち直ったところなのに、うれしそうに話すなよ旦那。
もう知りたくない、知りたくない。フランスの逆差別社会なんて、見ないようにしよう・・・。