同市教委は「常にいじめがあるのではないかという目で見て早期発見し、端緒を見つけたら、学校を挙げて組織的に対応するよう指導を徹底したい」としている。
「いじめ撲滅大原則」に掲げたのは、「するを許さず」「されるを責めず」「いじめに第三者なし」の3か条。他自治体の例を基に、2年前から学校に指導してきた内容を明文化した。
また、いじめを早期発見したり、深刻化を防いだりするために重要な「いじめ発見のポイント」として、「笑顔がなく沈んでいる」「わざとらしくはしゃいでいる」「なくした、落としたなどと言うことが多い」など35項目を列記。「子供たちが発するサインに気づいたら学校にご相談下さい」と保護者に呼びかけている。
このほか、インターネットの掲示板などに悪口を書いたり、中傷する内容のメールを送ったりする「ネット上のいじめ」についても説明。いじめの相談先として、各学校の窓口や24時間対応のいじめ相談ホットラインなど計13か所の相談窓口をリスト化した。
教職員用の手引では、いじめの情報をつかんだら、教員が一人で抱え込まず、管理職や学年主任らに報告して事実関係を正しく把握するなど、組織的に対応するよう、具体的な対応の流れを図で明示した。
作成の契機は、今年度、市内の学校でも児童・生徒に対するいじめが複数、発覚したこと。「いじめの態様は複雑かつ多様化している」と認めた上で、市内の中学校が独自に作っていた対応の手引をベースにして全校向けに手直しし、今月初めに市内の全児童・生徒にリーフレットを配った。
同市教委指導室は「教委も積極的に関わり、いじめには学校の組織を挙げた対応が必要だと徹底する。子供たちには、いじめは絶対に許されない人権侵害だと指導したい」と話している。
(2012年11月9日 読売新聞)