飯塚病院血液内科のブログ

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こんにちは。卒業生Tです。

皆さん、マッサージを受けたことありますか?私は長年肩こりに悩まされていて、ときどきマッサージに行っています。

 

というわけで、なんかこう、マッサージに関する論文が読みたかったので、今回は「がんの痛みに対してアロマオイルを使用したマッサージは効果あるのか」という論文を紹介していきたいと思います。

 

The clinical effects of aromatherapy massage on reducing pain for the cancer patients:Meta-analysis of randomized controll trials

Ting-Hao Chen et al. Evid based complement alternal med 2016; 2016:9147974

 

1990年から2015年までに出たランダマイズド試験を解析したメタアナリシスです。278人の患者さんを含む3つの試験が対象です。アロママッサージ群が135人で、143人がコントロール群(通常ケア)でした。

 

で、結論です。アロママッサージはがんの疼痛を・・・改善しませんでした(standardized mean difference=0.01)!

 

わざわざ論文にしてあるんだから、「きっとアロママッサージは、がんの疼痛を改善するに違いない!」と思って読んだのに、大変残念です。ただ、差が出ないというツライ結果をきちんとまとめているというのが、大変良心的な論文です。

 

ちょっとこれだけだとあまりにも救いがないので、もう一つレビューを紹介しましょう。

Massage with or without aromatherapy for symptom relief in people with cancer.

Ein-Soon Shin et al. 

DOI: 10.1002/14651858.CD009873.pub3

 

痛みだけではなく、症状全体に焦点を当てたコクランデータベースのレビューです。

一応、最初に言っておくと、「レビューしようにも、それぞれの研究のNが小さすぎるし、バイアスかかりまくりだから、その辺は考慮して読んでくれよな!」と、どの章にもしつこいくらいに書かれていました。まあ、プラセボが使えないからですね・・・

 

それでは結果を見てみましょう。

マッサージ vs マッサージしない群・・・マッサージは短期的には疼痛を結構改善する(1つのランダマイズド試験(RCT)(N=72))。「心配」の症状は明らかな改善なし(3つのRCT(N=98))。全体的にうつ状態などの精神症状には効果なく、痛み以外の身体症状には改善なかった。

 

アロママッサージvsマッサージしない群・・・中期的・長期的な疼痛の改善あり(1つのRCT(N=86))。心配について改善あり(2つのRCT(N=253))。乳がんの患者さんの胸に関する症状について長期的な改善あり(1つのRCT(N=86))。ただ、どれも臨床的にすごく良くなったというわけではない。中期的なQOLは改善した(1つのRCT(N=30))。

 

アロママッサージvs普通のマッサージ・・・データなし。

 

総合的に見ると、マッサージで痛みは取れるかもしれないし、取れないかもしれない。アロマを加えることでちょっと気分的には改善する・・・かもしれない。といったところでしょうか。

感覚としては妥当なところじゃないかと思います。

 

個人的には緩和ケアの現場などで、アロママッサージを看護師さんや家族が行っているのを見ると「コミュニケーションツール」として機能しているんじゃないかな、て思っているんですけどね。その辺はなかなか測定できないところなので・・・。

 

以上、本日の論文紹介でした。

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