飯塚病院血液内科のブログ

日々の活動を紹介していきます。だいたい金曜日更新。
ときどき火曜日に更新あります。


テーマ:

こんにちは。血液内科スタッフKです。

 

先週、卒業生T先生が記事にしていましたが(こちら)、「緩和ケアと輸血」問題は、がん、特に血液がんに携わる医療者の永遠のテーマという気がします。

 

私も、最近発表された血液領域関連の論文をご紹介します。

 

Why are patients with blood cancers more likely to die without hospice?

Odejide OO et al, Cancer. 2017 May 22. doi: 10.1002/cncr.30735

 

アメリカの血液腫瘍医に対して行われた、アンケート調査を解析したものです。この研究によると、大部分(68.1%)の血液腫瘍医は、血液がんにおけるホスピスケアの重要性を認識しているにもかかわらず、46%の医師は、在宅のホスピスケアは患者のニーズに対して不充分であると回答しました。また、回答者の半数以上は、赤血球・血小板輸血ができるのであれば、より多くの患者をホスピスに紹介すると回答しています。

 

アメリカではホスピスケアで使用できる医療費で輸血の費用を賄うことはできず、またホスピスケアのほとんどは在宅で行われるため、「ホスピスケアイコール輸血はできない」が一般的なようです(アメリカは医療保険が州や個人によって異なりますから、様々なケースがあると思います)。

 

今回の研究で、アメリカの)ホスピスケアが血液がん患者のニーズを充分に満たしておらず、ホスピスケアへの紹介を阻害していることが浮き彫りになりました。医療制度や社会背景の違いはありますが、日本でも似たような状況と感じます。

 

輸血が必要(と感じる)ため、なかなか退院できなかったり、転院先が見つからなかったり、ホスピスに紹介できなかったり。

 

血液がんの場合、「血液細胞は少ないけど、臓器機能はある程度保たれる、末期がんの患者さん」が一定数存在します。病状は決して良くないけれど、赤血球輸血をすれば、ある程度元気に過ごせたり、血小板輸血をすれば、重篤な出血を抑えられたり…。輸血をすることで、助けられることも多いです。自己満足の部分もあるのかもしれませんが。

 

また、ずっと輸血を続けてきたのに、ある日を境に輸血をしなくなるというのは、患者さんにとっても、医療者にとっても、なかなか受け入れるのが難しいことだと思います。

 

限られた医療資源を使えることに感謝しつつも、安易に輸血だけに頼らずに、患者さんやご家族と、どのような最期を迎えていくのかを、輸血のことも含めて、早い段階から、時間をかけて相談しておくことが大事だと日々感じています。

 

悩みは尽きませんが、これからも悩みながら終末期の輸血を考えていきたいと思います。

AD
いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)

飯塚病院血液内科さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。