飯塚病院血液内科のブログ

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こんにちは。卒業生Tです。

 

今回は、骨髄移植と緩和ケアについて調べた論文をご紹介します。

 

Effect of inpatient palliative care on quality of life 2 weeks after hematopoietic stem cell transplantation: A randomized clinical trial

Areej El-Jawahri et al. JAMA. 2016;316(20):2094-2103.

 

骨髄移植(自家・同種)をする患者さん160人を半分ずつにランダマイズして、最初から週2回以上緩和ケアチームが訪問していた方が良いのか(介入群)、それとも必要なときだけ緩和ケアチームに診察をお願いした方が良いのか(対照群)調べた試験です。

 

骨髄移植の2週間後と3ヶ月後に、QOLや精神症状、symptom burden(ここでは症状負担と訳しておきます)を評価しています。

 

緩和ケアチームの訪問において、どんなことがテーマになったかというと、ラポール形成や症状の相談、コーピングなどがメインでした。また、症状については吐き気や痛み、下痢や便秘、倦怠感や不眠、心配や抑うつなどが言及されました。

 

さっそく結果です。

移植後2週間後においては介入群の方がQOL、抑うつ感、心配、症状負担について、対照群より改善されたという結果が得られました。倦怠感についてはあまり変わりなかったようです。

 

移植後3ヶ月後についてはやはり介入群の方がQOL、抑うつ感に関して、良かったという結果でした。あと、PTSDスコアも改善していたようでした。倦怠感や症状負担、心配についてはあまり変わりませんでした。

 

つまり、症状のないうちから緩和ケアチームが関与しておくことは、長期的にQOL、抑うつ感の改善をもたらし、短期的には症状負担や心配を軽減したのでした。

 

割と「確かにね」と頷かれる先生も多いのではないでしょうか。

 

私自身も「最初から緩和ケアチームの先生にご相談した方が、患者さんも主治医も楽」という印象を持っていたので、その実感は正しかったんだな、と思った論文でした。

 

 

 

余談:倦怠感に関しては短期的にも長期的にも変わらなかったので、今のところそれをなんとかする薬などはなくて、とにかくその時期をしのぐしかない!て感じなのかなー、なんて思いました。

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