「子猫との出会い」 | 光の世界からのギフト

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           (久しぶりに海は荒れています。)

先日温泉へ出かけたのですが、出かける時は空は明るいけれど、帰りの午後6時過ぎにはもう暗くて、車はライトをつけて帰ってきます。島のメインの道路よりひとつ下の海よりの道路はすいているのでいつもその道で帰ります。町の中心から離れてぽつぽつと家がある場所を通すぎて、人家が終わり300mほど暗い道を走り、その道を右に曲がり、坂道を上がっていくと、我が家は近いのです。道を曲がろうとすると車のライトに茶色の子猫が照らしだされたのです。子猫は明るいライトの中でも逃げようとしないで何かを夢中でいじっています。こちらも子猫を轢くのはいやなので少しの間待つと、何かを追いかけて草の中へ入っていきました。

その道はそこからは海へと下り、あたりにも、その先にも家はありません。迷っているか、捨て猫ではと、気になりましたが、暗くてわからないので、帰りました。

次の日も同じ場所で、また茶色の子猫に会い、今度は車に気づくとすぐ逃げました。気になったので、翌日の朝の散歩はその子猫をさがすことにしました。

子猫のいた場所の近くに普段は散歩では歩かない海に向かう道があるのです。その道の200m先に廃業した中華の店とさらにその300m下にやはり廃業したホテルがあります。ホテルはバブル期に海の近くにできたらしいが、ずいぶん前に廃業して建物だけが残っています。夏の観光客の多い時期だけやっていた中華の店もコロナの時期に廃業したらしいです。でもまだ人の出入りがあるようです。探しに出かけた朝に、その道の道端にあの茶色の子猫が兄弟らしい猫と一緒にいました。様子から地域猫らしくて、餌をくれる人を待っている様子でした。茶色の猫は他の猫より一回り小さくて目やにだらけて体が弱そうです。私はキャットフードを買い求めて、あくる日の朝、同じ時間に、また子猫に会いに行きました。餌を容器に入れて置くと茶色の子猫はおずおずと近づいて来て食べ始めます。2日目の朝になると茶色の子猫はすぐに来て餌をガツガツと食べはじめます。すると他の兄弟猫2匹も顔を出すのですが、警戒してすぐに隠れます。やはり小さくて体が弱いと人間を頼るのですね。

 

 

そこへ黒い車がやってきました。若い男性が運転していました。兄弟猫達は「待ってました。」とばかりにダッシュしてその車を追いかけていきます。車は廃業した中華の店へと入っていきました。兄弟猫たちも車の後を追いかけて入っていきます。でも茶色の子猫はまだガツガツと私があげた餌を食べ続けています。

兄弟猫たちは毛並みも良くて太っていて健康そうでした。多分あの男性から餌を貰い元気に成長しているのでしょう。しかし、茶色の子猫は毛並みも悪くて、痩せています。

私がいるからなのか、とにかく警戒心が強い兄弟猫です。なのに茶トラの子猫は私のそばでも餌を食べています。手をのばして触ろうとしたら、餌箱を離れてしまいます。「ごめん。ごめん。触らないから食べなさい。」と私が手を引くと、また餌箱に近づいて食べるのです。とても食いしん坊な子猫です。

3日目になると兄弟猫も警戒心が薄れてきて、子猫が食べていると、やってきて、子猫をたたいてどけて食べ始めました。

すると離れて見ていた私の所へ茶トラの子猫がトコトコやってきて、何か訴えています。私の足元に来て私を見上げて泣くのです。私のまわりをグルグルと回りながら、小さな声で泣いています。「あれは自分の餌だから取り返してよ。」と私に訴えているようです。子猫と心が通じたような気がしてうれしかったです。

子猫達は生垣の後ろのどこかに住み着いている様子です。覗いてみると菜園があり小さな道具入れの屋根付きの場所があります。中華の店の人の畑かもしれません。人の出入りがあるようです。安心しました。茶トラの子猫が元気になるまで餌をやるつもりです。もしかしたら、この茶トラの子猫との出会いは前世の縁かもしれません。朝の散歩の楽しみが増えました。

 

 ( 激しい風でもバナナとグヮバは耐えています。)