舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」
推しがハリーにならなければ、絶対に見なかったと思う。
ファンタジーは、「指輪物語」の映画でおなか一杯になっていたし、子供が主役の映画を見るのも好みではなかった。
小説はあまりにベストセラーになったので、食指が動かなかった(天邪鬼)。
舞台を見る前は、「呪いの子」がハリーの次男のアルバスのことだと思っていた。
でも、舞台を見たいまは、呪いの子はアルバスではないと思う。
呪いの子はハリー自身。
両親を殺され、自分も殺されていたかもしれないハリーは、世界を救った(らしい。呪いの子以外のストーリーは舞台とSNSで推し量っただけなので、「らしい」としか言えない)
生き残ったハリーが過酷な人生を歩んだのは、想像に難くない。
それを強いたのは、作者のローリング。
小説家というのは罪深いもので、物語を面白くするために、これでもかこれでもかと主人公に苦難を与える。
与えてから、主人公に申し訳なかった、と思う場合もなくはない、特に主人公を我が子のように愛している場合は。
贖罪をこめて、ローリングは19年後のハリーの生活を描きたかった。
とはいえ、幸せなハリーばかりではお話にならないので、結構きついスパイスを効かせなければならない。
そうして、出来上がったのが、舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」なのではないだろうか。
だからこそ、ラスト、ハリーとアルバスとのほのぼのとした会話でしめくくったのだと思う。
呪いの子・ハリー、多少波乱はあっても幸せな生活を手に入れられてよかったね!
