中居正広は、とても狡猾なラブ・ハンターだった。
フジテレビの第3者委員会の調査報告書を読むと、そう感じる。
初めから彼女一人に的を絞っているのに、あたかも他の人を呼んだけれど来られなくなった、とか、探してもいないの他の店を探しそこなった、みたいなメールを送って、彼女を自宅に呼び込んだ。
ただ、その前に、「二人だけじゃ気になるよね」と確認している。
これで彼女が来ないと返信すれば、怒ったかどうかはともかくとして、自分に気がないと了解したのだろう。
けれど、やってきたから、気があると思った。
なんといっても、昔はもてもてのアイドルだったものね。
当然、性行為までOKだと思い込んだ。
だから、レイプ以降も加害者だという認識を持たず、彼女にメールを送り続けた。
もしかしたら、当夜についての露骨な表現もしたかもしれない。
被害者の心をますます傷つけることも想像できず。
中居正広は2020年から自分の会社を経営していて、しかもMC一本やりだっていたから、世の中がme too以降、変わっていることなど気づかなかったのだろう。ななにーの番組内や舞台でハラスメント予防の知識を得ていた新しい地図の3人のような先進的な環境にはいなかった。
つまり、とても古い頭のまま、芸能界にいたのだろう。
一方、20代の被害者が、親と同じ年代でテレビの視聴者を含む人前では好人物の50男に、男性性を感じ取れただろうか。
私が20代の頃には、50過ぎた男性など男性には思えなかった。
まして、中居はつい半年前には大病を患っていた人物なのだから、レイプする元気などないと(私なら)信じた可能性がある。
中居は、今も自分は加害者ではないと思い込んでいるかもしれない。
だからこそ、ファンクラブの人たちにあんな未練がましいお別れのメッセージを送ったり、可愛らしいスマホスタンドを送ったりできたのだろう。
いい加減、目を覚ましてほしい、SMAPという偉大だったグループのためにも。
そして、若い女性たちに言いたいのだけれど、古い教育を受けた男はアホな思い込みをするものだ。
絶対に二人きりの場所に出向いてはいけない。
たとえ、断ることによって、不利益を被るかもしれないと思っても、結果的にもっと大きな不利益をこうむる危険性があるのだから。