1054、「shared world」の話 | ウホッ! いいブログ・・・
2019年03月15日(金)

1054、「shared world」の話

テーマ:鍛練是娯楽

シェアド・ワールドとは簡単に言うと、「世界観設定の共有」とでも訳すべきだろうか。

一番有名なのは『指輪物語』から派生した「中世ファンタジー風味な世界」、

いわゆるエルフだのドワーフだのというアレである。

 

世界観という言葉の本来の意味がどうたらこうたらという御託はさておき、

まあ、最後に成功したシェアド・ワールドは、おそらく指輪物語だろう。

とはいえトールキンがいつ生まれていつ死んだのかを知ってる人なら、オチは既にわかりきっているだろうが。

 

 

 

Q:お前は読書が嫌いじゃなかったのかよ?

A:このブログは初めてか? 僕だぞ? 頼まれでもしなけりゃこんなもん書くわけねえだろ。

 

 

 

結論からいってしまうと、より新しいシェアド・ワールドほど、「うまくいっていない」。

 

なぜならと問われるまでもなく、

ネットやSNSの普及に伴い、庶民が創作活動に参加する敷居が劇的に下がったことと、

情報の共有や確認が容易になったことにより、権威化から陳腐化までの波が短くなったことに尽きる。

 

 

 

うまくいっていないシェアド・ワールドのうち代表的なのはクトゥルフ神話だろう。

 

もともとは小説家たちのお遊びとして自由な発想から生み出されたものだが、

いつのまにか自称読書家どもによって「コレじゃなきゃダメだ!」「いやコッチこそが本家だ!」という、

醜いお家騒動が勃発した結果、新参者がホイホイとオリジナル要素をブッこむことは許されない空気ができてしまった。

 

おかげさまで、過去の作家たちが生み出した用語や定型句を使いまわすことしかできず、

名もなき誰かによって新たな設定が追加されても、それが波及的に共有されていく風潮は死滅したも同然となり、

生誕から100年経とうという現在、SF・ホラー系の小説を愛好する界隈以外での知名度は低いままだ。

 

おまけにクトゥルフ神話が日本で広がり始めた頃からパソコンとインターネットが普及し始めたので、

「知ってる人だけがニンマリすればいいネタ」ですらなくなってしまい、

まあ、某ラノベで既に餌食にされているわけだ。エロゲーから遅れること15年といったところか。

 

 

 

全く同じ構図で、生まれてわずか10年で死につつあるのがSCP Foundation(SCP財団)だろう。

 

こちらは無名なので説明をしておくと、まあ往年のX-Filesみたいなものだ。

SCPってのはSecure(確保)Contain(収容)Protect(保護)のイニシャルであり、

いわゆる「架空の」OOPARTSやUMAなどをソレっぽく妄想して楽しもう、というシェアド・ワールドのひとつ

 

・・・だった。

 

※OOPARTS・・・Out Of Place ARTifactS、場違いな遺物。近年になり大半のウソが暴かれたのが悲しい。

※UMA・・・Unidentified Mysterious Animal、未確認生物。ネッシー、雪男、ツチノコ、ヒバゴンの類。

 

SCP財団のコンセプトは都市伝説マニアにうってつけだったものの、

最初期に面白さを創出していた面々が権威化されて、

彼らの基本設定を歪めてはいけないとか、この設定に従わないものは評価しないとかっていうお約束が増えすぎた。

 

そのため新しく何かを作っても、既存の大御所様の名声を聞いて集まっただけの固定ファンたちの意向によって、

これはダメだ、あれもダメだと、ダメダメダメの大合唱によって、

もはや新しく何かを作れる場ではなくなってしまった。

 

偉そうにしてるクレーマー気質な自称ファンが古株を権威化しすぎて新規参入が減り自滅する・・・

ゲーセンや格ゲー、シューティングなどのジャンルでもおなじみな、

口だけ達者なくせに自分では何もしないノイジーマイノリティに配慮した結果である。

 

また発祥があちらの掲示板(4chan)であるせいもあり、

白人至上主義や反LGBTという、よくも悪くも古臭いアメリカ保守層がメインな場所でできたというのに、

2018年にいきなり「今月はSCP財団のロゴをLGBT仕様にする」などと言い始めたせいで、SCP財団は分裂してしまった。

 

今となってはこのSCP財団という話題そのものが政治的イデオロギーの塊みたいなもので、

日本版のSCP財団も創価学会カラーに染められた過去があるので、

もはや健全な創作を楽しみたい人はSCP財団に近寄らないほうがいい、っていうオチまでついてしまった。

 

とはいえあちらの創作界隈には「メアリー・スー」という模範的な汚物が君臨している以上、

その経緯を考えれば、フェミニストやLGBTが創作界隈から煙たがられるのは必然ともいえる。

LGBTへの配慮を始めたアメコミ各種やハリウッド映画も、どんどん人気がなくなってきているように。

 

種死にしろ鉄血にしろサムゲ荘にしろ、女にやらせるとダメになるのは規定路線みたいなもんだからな・・・

 

 

 

まあ、要するに、だ。

 

 

 

面白い創作をする人がいて、その設定を借りたい、自分も使いたいっていう気持ちは、

ある程度以上本格的に創作活動をしたことがある人なら、一度は経験したことがあるだろうよ。

 

だからこそ、このシェアド・ワールドというものは上手に活用すべきなのだ。

 

 

 

最も歴史のある代表的なシェアド・ワールドといえば、宗教世界と神話である。

 

日本神話ではイザナギとイザナミ、あるいはアマテラス、スサノオ、ツクヨミ、コノハナサクヤなどが有名だが、

これらの名称や設定は、さまざまなゲーム・漫画・アニメなどに活用されており、

名前だけなら知っているという人は多いのではないだろうか?

 

あるいは西洋の神話や宗教から、

サタンだのミカエルだのゼウスだのポセイドンだのキューピッドだのという名前を借りた作品は、

数えていけばキリがないほど転がっているのは、皆さんもご存知のことだろう。

 

そもそも「祈る」という行為は、両手を合わせるか、それとも両手を組むか。

あの仕草ですら宗教からきているのだから、

演劇だの映画だのテレビドラマだのも含め、ありとあらゆる創作物は、宗教や神話の影響を免れえない。

 

日本人としては宗教的作法や用語が日常に浸透しすぎたせいで、

宗教心がなくても宗教的行為を自然と行う人が大勢いるがな。

「根性」はもともと仏教用語だっていうと驚く人が非常に多いように。

 

その中でも北欧神話と日本神話とインド神話とエジプト神話がなぜ世界的な評価を受けているのかというと、

キリスト教(とユダヤ教とイスラム教)が世界各地をキリスト教の神とその神話で塗り固めてしまったせいで、

キリスト教の影響を受けていない神話というものが稀少になってしまったからだ。

 

とはいえ北欧神話もキリスト教の影響を無視できていないので、

平たく言えば「欧米人はバカ」で済む話でしかないんだが、

あいつらにそれを認められる器量なんかありゃしないから、SCP財団みたいなことが起こるわけで・・・

 

 

 

まあ、話を戻そう。

神話や宗教は圧倒的な歴史があり、ウンザリするほど多くの人が研究・検証を行ってきたので、

ただ名前や概念を借りるだけなら「最も安価で味がこなれている」わけだ。

 

だから今から新しく何かを作り出すよりは、よほど確実なわけだ。

オリジナルの固有名詞を作るよりは、

既にある固有名詞を借りるほうが、知名度も高いだろうし、なによりも楽だからな。

 

しかしながら一般的な人類が認識する「宗教や神話」の大半は、

昔からあり、歴史も長ければ知名度も高いものばかりであるがゆえに、

新しい概念を付与することは、およそ不可能に近いわけだ。

 

つまり、創作には向かない。

それこそクトゥルフ神話やSCP財団がやらかしたミスと同じように、

既存の概念に新しい風を吹きつけることすら許されないからだ。

 

 

 

だからこそ!

 

新しく神話なり何なりを作り出していくことは未来の創作者のためにも欠かせないのに、

俺が私がこれを有名なものにしたんだぞと言い張りたいだけの連中が、

自力で何かを生み出しているわけでもないくせに、新規参入勢力にマウンティングをキメて、陳腐化する。

 

一瞬で権威化し、即座に陳腐化する。

 

権威化させる連中は何も作らないからすぐ飽きるし、

陳腐化に加担させられた人たちは創作意欲を失くす。

 

 

 

昨今では「なろう系」が、シェアド・ワールドに近いことをやってるよね。

 

しかし自称読書家どもは「ハイ・ファンタジー」ではないということで「ロー・ファンタジー」などと呼んでいるが、

だからハイファンタジーもSFも絶滅危惧種じゃねえかっていう・・・

ハリポタだって典型的ななろう系設定なのに、超有名になっちゃったからハイファンタジー認定してるしな。

 

 

 

結局のところ、創作から自由を奪うのって、やたら共有したがるくせに、自分では何も作らない奴なんだよね。

 

 

 

自分では何も作りはしない連中がピーピー騒いで、

新しく作ろうとする試みを叩き潰す。

やれ格式だのポリコレだのという政治的要素を持ち込んでは、下品だ邪悪だと罵倒する。

 

創作は、創作だ。現実じゃない。

現実の要素を持ち込みたいなら現実でやれ。

なぜ自由になれる世界にまで、不自由なものを持ち込もうとするのか。

 

簡単だ。

 

愛しているのは「創作と自由さ」ではなく、

「ステキなものを愛好している自分」でしかないからだ。

だから自分の理想を自分で作れはしないくせに、他人の自由に身勝手な理想を見出しては強制しようとする。

 

乞食そのものだよ。知的乞食。

 

 

 

・・・とはいえ、それでも、そういうことを先刻承知であろうが、

そのうえで、そういう活動(共有可能な世界を創造し公開すること)をしている人は大勢いるんだけど、

結局のところフォロワーが出てきてくれないことには、それを活用してくれそうな人には届かないんだよね。

 

ニワカが増え始めた時点で叩き潰すか、本当の意味で好き勝手に任せるか。

 

いずれにせよ唯一やっちゃいけないことは、管理者が特定の方向に偏ることなんだよね。

 

東方Projectが同人世界で一大ムーブメントを築き上げた理由だって、

原作者がどちらにも偏らず、かつ二次創作にケチつけない寛容さによるものだからな。

そして寛容さゆえにフォロワーが増えて、知名度を獲得した。

 

そういう意味では「幻想郷」ほど、有名なシェアド・ワールドはないかもしれない。

MMDでいう「ゲキド街」もそうだけど、

まず知名度、それからフォロワーが増えて、という流れが本来あるべきなんだけどね。

 

なかなかそうはいかない。

 

 

 

僕も妄想大好きだから、定期的にあれこれ無駄に設定を練っては、

それを誰かさんにプレゼントしてあげたりもするんだよ。

だからこそ、今でも作る側の端くれだからこそ思うんだよね・・・

 

 

 

作らないなら、黙れ。

 

作る奴だけが、正義だ。

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