2018年11月11日(日)、今まさに台湾で冬茶の仕入れ中です

 

前回からの四季春の後編を飛ばして旬の冬茶の最新状況をレポートをしたいと思います

 

今年は夏の間の長雨のせいで茶樹の根にダメージを受けました。人間で言えば栄養を吸収する腸が不健康な状態な為、生育不良が起こってしまっている状態です

結果今年は収量が限りなく少なく例年の半分以下になっています

 

半分ならばまだマシで3分の1以下や下手をすると10分の1という話も飛び交っています

 

写真のとおり冬茶の時期になっても小さいまま。これをこのまま待っていても繊維化(老化)していくだけで大きくはなりません

ひとつのサイズがこの有り様なので頑張って集めてみても収量はたかがしれています

 

ゆえに今年は本当に冬茶が少なく、茶農家の生計に大きな影響を与えています

 

私が台湾でお茶作りの修行をしていた折であれば、冬茶は春茶の半分くらいの収量があり次の年の春茶までの生活(半年近く)を支える重要な役割がありました

 

しかしながらこれだけ収量が下がってしまうと、単年度だけの影響というより来年以降の管理費等にも響きそうなのが恐いところ…

 

単純に今年は量が多かった少なかった品質が良かった悪かった、という話だけでなく長期的に考えると今回の収益悪化は先にとても厳しい現実があるように思います

・・・とまぁここまでは少し暗めのトーンでお伝えしましたが、状況に反して個人的な仕入れはとても順調で驚いています

 

少なくとも品質に関しては昨年よりも好印象で、いくら探しても全然見つからないという感じはしません(収量が少ないせいで買える買えないの問題はありますが…)

 

むしろそういう意味では今年は個人的に運がとても良く、早々に自分が欲しいクオリティに出会ってしまっているだけに現実とのギャップに拍子抜けしています

今年は昨年と違って味わいに柔らかさがあって冬茶らしく穏やか。滋味は若干薄めだけれども欠点も出にくいので淹れる側としてはとても淹れやすい雰囲気です

 

敢えて欠点を指摘するなら寒さが足りないせいで冬茶にあってほしい“冬香”が少ないのが少し残念なところ(今年に限らずここ数年ずっとそういう気候ですが・・・)

 

製茶方面に目を向ければ収量がぐっと落ちて小ロット生産になったおかげで全体的に作りは丁寧な印象

 

あとは原料の状態に合わせて萎凋時間を調整したり、攪拌の強度を上げたりできるかどうかで品質はぐっと変化します

 

冬茶づくりは総じて攻めが重要です。春よりも繊維化が進んでいるので積極的に攻めなければ与えるべきものが与えられません

 

台湾の気候も日々冬に向かっていきます。これよりも先にもっといいお茶に出会えるように鋭意探索していきたいと思います

 

【冬の東京セミナー】

 

日時:12月9日(日)

   ①午前10:00~12:00

   ②午後13:30~15:30

 

場所:China Tea 茶泉

http://www007.upp.so-net.ne.jp/chasen/sub7.html

 

参加費:3000円

 

内容

冬茶の最新レポートに加えて今回は“マッチング”の話をしようかと思います。

何のマッチングかというと技術×季節×品種×産地×焙煎の5つからベストの組み合わせ考えてみようという試みです

台湾茶の香味には様々な種類があります。これだけ多くの種類が生まれる理由は掛け合わせが多いからです

ただ掛け合わせてあるだけではダメで良茶を分析すると必ずロジックが成立しています

表面的に産地や技法に捉われることなく、一つ一つを分解していくことで台湾茶に対する理解がしやすくなると思います

 

参加ご希望の方は下記メールアドレスか茶泉・土井氏に直接ご連絡下さい

TeaBridge2012@gmail.com