英国王 エドワード八世 幻の戴冠 記念 スターリングシルバー with ゴールドギルト アノインティング スプーン
1936年 バーミンガム アセイオフィス

興味深いアンティークが入りました。 英国王 エドワード八世 幻の戴冠 記念 アノインティング スプーンです。 エドワード八世のコロネーション(戴冠)を記念するはずだった品であること、そしてエドワード八世の在位期間は一年に満たなかったことから、エドワード八世ものは、この銀のスプーンに限らず、アンティークとしてはレアものの範疇に入ります。

 

http://www.igirisumonya.com/20060.html


国王の即位式で使われるクラウンジュエリーの一つにアノインティング スプーンがあり、コロネーション(戴冠式)を記念して、それを模したスプーンが作られました。 オリジナルのアノインティング スプーンは12世紀から伝えられてきた英王室の三種の神器のような品であって、戴冠式で新国王に聖油をつけるのに使われます。

アノインティング スプーンのオリジナルは英王室の宝物としてロンドン塔に保管されておりますが、『倫敦塔』といえば夏目漱石の作品にありますので、あわせて読まれると興味深いと思います。『怖い絵展』に行かれた方には、なおのことお薦めです。レディ・ジェーン・グレイの場面を夏目漱石が書いています。


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柄の側面部分には四つのブリティッシュ ホールマークが刻印されており、順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1936年のデートレターです。 写真二番目では、柄の側面部分に四つのホールマークが並んでいるのがご覧いただけます。

素材のスターリングシルバーにゴールドギルトが施してあって、ゴージャスな仕上がりになっています。 15グラムという持ちはかりは、このタイプのアノインティング スプーンとしては、重たい方になります。 銀がしっかり使われて作られていることを示しています。

柄の厚みは丸飾りの辺りが最大で3.5ミリほどあって、ボール部分の銀も厚めに作ってあって、持った感じのしっかりしたスプーンと思います。 上から見た写真では立体的な構造が分かりにくいのですが、ボール部分は一段低く、柄の部分がせり上がったかなり立体的な構造に出来ています。 



1936年は「王位を賭けた恋」で有名な英国王エドワード八世即位の年にあたっており、国を挙げての祝賀ムードから記念銀器が作られたことが、このアンティークの背景になっております。 そして、在位期間があまりにも短かったエドワード八世ものは、アンティークとしてはレアものの範疇に入ります。

例えてみると、阪神タイガースの優勝を見越して記念グッズを作っていたら、土壇場で阪神は優勝を逃してしまい、困ってしまった業者さんの事情とよく似ています。 エドワード八世は国王に即位したけれども、国民をあげて盛り上がっていく戴冠式を前に退位してしまったのでした。 

まあ、それから八十年以上の年月が流れますと、幻の戴冠式に向けて作られた記念銀器が、レアものとして尊ばれるようになっております。

エドワード八世は1936年に英国王になりましたが、その年の12月には退位を宣言し、この年は英国中が大揺れとなりました。 それというのも、エドワード八世は当時41歳の独身で王位につき、英国民はさて次はお妃探しと盛り上がったのですが、彼には皇太子時代からシンプソン夫人という愛人があったのです。 シンプソン夫人はアメリカ国籍で、夫のある身、さらには離婚歴もありということで、英国国教会や当時の英国政府が黙って見過ごせることではなかったわけです。 不倫を解消せよと迫る世論に対して、国王が下した決断は王位を捨ててシンプソン夫人をとるというものでした。 

当時の新聞によりますと、英国王が王位を捨てるとのニュースによって、イギリス国民の間には外国から宣戦布告を受けたような衝撃が走ったそうです。 ロンドンのシティでは電話回線がパンクしましたし、ウエストエンドの商業地でもこれまた機能不全に陥って、人々は夕刻の号外を奪い合い、バッキンガム宮殿に出入りする王族を一目見ようと殺到し、ロンドンは蜂の巣を突いたような騒ぎとなったのでした。

エドワード八世は、アメリカや日本を含めた諸外国では、「王位を賭けた恋」を成就させた王様として人気があります。 彼は晩年に至るまで一度も自らの決断を後悔したことはなかったと伝えられています。

ちなみにヴィクトリア女王の時代が終わって20世紀に入ってからの英国王は、1901年のエドワード七世、1910年のジョージ五世、1936年のエドワード八世、1937年のジョージ六世、そして1952年から現在のエリザベス二世になります。

ついでながら、『エッジウェア卿の死』(アガサ・クリスティ作)をご存知でしょうか。 英国国教会の離婚に対する考え方が、重要な作品背景となっていて、クリスティーはこの小説を1933年に書いております。 エドワード八世とシンプソン夫人の交際は1931年から続いていたので、この問題でますます英国国教会と、もめるだろうと分かっていたことでしょう。 おそらく、そんな王室事情もヒントになって、書かれたミステリーなのだろうと思うのです。


実際に起こった王室問題と、クリスティのミステリー小説、やはりどちらか一方よりも、あわせて親しむと、八十年前の人々の考え方がよりよく分かってきますし、歴史やアンティークに対する理解が深まるように思います。

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