英国アンティーク ドールハウスの最高峰、ウィンザー城にあるメアリー王妃のドールハウス

 

世界で最も素晴らしいといわれるメアリー王妃のドールハウス。

イギリスのドールハウス専門店とは。

ウィンザー城の女王旗とユニオンジャック、熊の毛皮帽とアサルトライフル。

 

 

ドールハウスと言えば、リカちゃん人形の家など、子供のおもちゃを思い浮かべる方が多いかと思いますが、英国ではこれはもう、れっきとした大人のホビーです。この道の専門店があり、どちらかと言えば年配のご婦人方が訪れています。そして時間をかけて好みのドールハウスを仕上げていくのに情熱を傾ける方々が、イギリスには多くいらっしゃいます。

 

【ウィンザー城、この時は門番の衛兵が佇むのみ】

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今回はまず、英国アンティークドールハウスの最高峰をご紹介しましょう。テムズ川を望む高台に建つウィンザー城は英国王室の離宮として知られる観光地です。そのウィンザー城内の一室に、世界で最も素晴らしいと言われるメアリー王妃のドールハウスが公開されています。メアリー王妃のドールハウスを見ると当時の貴族の生活を垣間見ることができます。なにしろ1924年当時の最高の建築家、著名な作家、芸術家、職人が総力を結集して、調度品を何から何まで12分の1 縮小サイズにして、3年もかけて製作したものなのです。

 

【もうすぐ女王旗が掲げられると、係員が教えてくれました】

 


酒蔵には本物の最高級酒が 2.5cmのボトルに詰め込まれて貯蔵されていますし、小さなナプキン類にはイニシャルの刺繍が施されています(一体どうやって!)。貴重品保管室を見ると英国王室の財宝を保管するタワー・オブ・ロンドンのジュエルハウスにある品とまったく同じ王冠や宝石のミニチュアがありました。図書室の棚に並ぶ革表紙の書物は、当時の著名な作家達がこのドールハウスの為に特別に執筆したという凝り様です。シャーロック・ホームズを書いたアーサー・コナン・ドイルの作品も含まれています。図書室には精緻に描かれた多数の絵画コレクションもあり、よくぞここまで描けたなあと感心してしまいました。


【Windsor城ラウンドタワーに掲げられた女王旗】


ガレージにはロールスロイスなど、当時のヴィンテージカーのミニカーが並び、これだけでもマニアの方には垂涎ものでしょう。庭園は有名な庭師の設計によるもので、整然と刈り込まれた芝生の中にも花々が咲き乱れ、小さなキノコが頭を出していたりします。水撒きした後なのかホースが芝生に投げ出してあったり、熊手とシャベルが塀に立てかけてあったりと、あたかもそこについ先ほどまで庭師がいたような気配が感じられる庭です。 

1925年以来このドールハウスは老朽化を防ぐ為に、特別な注意を払って保存されており、写真撮影ができませんでした。そこで必死に描き写してみましたが、その精緻さ、細工の美しさには圧倒されてしまいました。 いつもは大変に混雑しているので、今回はじっくりスケッチ出来て幸せでした。

(左):製作当時のスナップ写真。(右):私が描き写した Queen Mary ドールハウス スケッチ。 


もともとドールハウスは16世紀後半のドイツとオランダが発祥の地で、本物の家や家具を作る為に、雛型を作ったことが始まりではないかと言われています。18世紀までのドールハウスは貴族の館を模倣したものが多く、持ち主は貴族や裕福な商家の奥様方でした。ミニチュア製作には金、銀、鉄、木材、ガラスとあらゆる材料が用いられ、職人が技を競い合いました。 

19世紀以降には、新たに裕福な中流階級が台頭して、ドールハウスは子供のおもちゃとしての意味合いも帯びてきました。彼らはドールハウスを子供達に買い与え、専門店も増えていったようです。そう言えば、メリーポピンズの映画でも、雇い主のバンクス家の子供部屋にはドールハウスが置いてありました。こうした歴史もあって、イギリスではドールハウスが子供にも大人にも楽しめる趣味となって今日に至っています。

 

【エリザベス女王が週末を過ごすウィンザー城の衛兵交代】 


メアリー王妃のドールハウスのような豪華な品はとても持てませんが、お好きな方向けに、ドールハウスのお店を一つご紹介しておきましょう。 『Enchanted Castles』はロンドン郊外のヘムルハムステッドにあるドールハウス専門店です。フェイさんご夫婦が経営されていて、もとはといえば御主人のテリーさんがドールハウスやミニチュアを作るのが大好きで、お店を始められたそうです。店内には様々なタイプのドールハウス キットや内装品のミニチュア家具、小物、壁紙などが所狭しと置かれています。人気のタイプはイングリッシュ・ジョージアンハウスとカントリー コテージとのこと。 ドールハウス キットはテリーさんに頼んで組み立ててもらうことも出来ます。 テリーさんの作業室には、作りかけのドールハウスが置かれていました。あるお客様が奥様へのお誕生日プレゼントとして注文されたものだそうです。

ドールハウスには小さな縮尺の専用壁紙があって、お好みで絵柄も選べますが、普通に家庭で使う壁紙よりも値段は高めとのこと。やはりドールハウスは子供の遊び物と言うよりも、大人のホビーという感じです、もちろんお店では子供向けの安価で丈夫なドールハウスセットも取り扱われているのですが。アンティーク ドールハウスを見たり、お店の方からお話を伺っているうちに、私もドールハウスを作ってみたくなりました。

 

 

以下はウィンザー城の写真について、追加の説明です。

【ウィンザー城、この時は門番の衛兵が佇むのみ】


いつもなら観光客が鈴なりで、もっとも活況を呈している界隈ですが、この時は門番の衛兵が佇むのみ。人々で賑わっていると、背景のウィンザー城も華やかに感じるものですが、こうしてみると、ウィンザー城って武骨な城砦だなあと、あらためて思いました。

イギリスのお城は敵から攻められにくそうな実用重視の四角っぽい要塞風が多いです。ディズニーランドのシンデレラ城のようなファンシーなお城は、独仏にはあっても、英国ではまず見当たりません。

【もうすぐ女王旗が掲げられると、係員が教えてくれました】


もうすぐお城のてっぺんに女王滞在中を示す目印の旗が掲げられると、係員が教えてくれました。 ホウホウと観光客としては、待ち遠しくて楽しいですが、911航空機テロを経た今日、それが英国の伝統とはいえ、君主の居場所をわざわざ旗で知らせるとは、セキュリティとして如何なものかとも、思いました。

ただ、イギリス人はやせ我慢が強いこともあり、多少の危険があっても伝統は曲げないだろうと。防諜やテロ対策には自信を持っているようですし。今後も大丈夫そうには思っています。

 

【Windsor城 ラウンドタワーに掲げられた女王旗】

この旗は女王旗と呼ばれ、週末にエリザベス女王がウィンザーにいらっしゃる時だけ掲げられます。 女王が不在の時にはイギリス国旗のユニオンジャックがはためいています。

 

ちょっと、見えにくいですが、描かれているのは、右上にライオンの立ち姿でライオンランパント、左下にはハープクラウンド、そして三頭のライオンが2セットいます。 


【エリザベス女王が週末を過ごすウィンザー城の衛兵交代】 


衛兵交代儀式はイギリスの観光イベントとなっているので、担いでいる銃もお飾り程度かと思っていました。このたび近くでよく見たら、これマジでやばいやつ。アサルトライフル(突撃銃)とのこと。Queen's Guardのしゃちほこばった立ち居振る舞いは、なんだか可笑しいけれど、本気で警護しているとよく分かりました。

この帽子、Bearskinと呼ばれる熊の毛皮帽で、ワーテルローの戦い(1815年)以降、200年来の伝統だそうです。対して自動小銃は、ロイヤル・スモール・アームズ・ファクトリーL85アサルトライフル、30発装填、重量5kg。あらためて、伝統と現代装備のアンバランスが凄い。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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英国で一番アンティークな村はクロベリーと思います。