今から70年以上前に作られた アンティーク 銀製ティースプーンで、アール・デコの直線的なデザインとピアストワークが特徴的です。ボールの裏面にはメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1943年のデートレターが刻印されています。

 

【アール・デコ スターリングシルバー ティースプーン、1943年 バーミンガム アセイオフィス】
英国アンティーク シルバー 英吉利物屋 銀 ティースプーン


この品が作られた1943年は第二次大戦の最中になります。 英国は戦勝国とはなったものの、大変な時期であったことは間違いありません。ロンドンはドイツから弾道ミサイルの攻撃を受けたり、爆撃機による空襲も頻繁にありました。私の住む街はロンドンの郊外で爆撃の目標にはならなかったようですが、近所のお年寄りの話では、ロンドンを空襲した帰りの爆撃機が、余った爆弾を燃料節約の為に投棄していくコースに当たっていて、怖かったとのこと。 

とは言うものの、写真のようなピアストワークの素晴しい、不要不急の銀製品を作っていたとは、当時のイギリスは結構余裕もあったんだなあ、と思うのです。

 

英国アンティーク シルバー 英吉利物屋 銀 ティースプーン

 

あるいはまた、戦争中であっても銀のティースプーンを作っていたのは、イギリス人にとってお茶が特別に大切であることを示しているのかも知れません。

写真の銀ティースプーンが作られた時代を知る手掛かりとして、1946年4月に発表されたエセル・ローウェル氏の『現在の意味』という小論、第二次大戦中のロンドンにおける空襲後の一婦人の話があります。

『爆撃の一夜が明けてから、一人の婦人が砲撃された我が家の戸口に幾度も行って、心配そうに往来をあちこち見ていた。 一人の役人が彼女に近づいて、「何か用ならしてあげましょうか。」

彼女は答えた、「ええ、どこかその辺に牛乳屋さんはいませんでしたか。うちの人が朝のお茶が好きなものですから。」

過去は敵意あり、未来は頼みがたい、が、道づれとなるべき現在は彼女とともにそこにあった。 人生は不安定であった。 しかし、…… 彼女の夫は一杯の朝の茶をほしがった。』(引用終り)

「絶対的現在(=永遠の今)」にしっかり足をつけて立つという意味で、私はこのお話が好きです。 

 

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お茶とイギリス人といえば、こんな経験も思い出されます。ある朝、駅に向かって歩いていたら、駅から戻ってくる人がいて、「Security Alert で、今さっき駅は閉まってしまった。あなたも家に帰ってお茶にした方がいいだろうよ。」と言われたことがあります。 

セキュリティ アラートと言うのは、警戒警報のようなもので、不審物など見つかると駅が一時的に閉鎖されることがあるのです。当該駅は閉鎖されますが電車自体は走っているわけで、日本的な感覚ですと、次に近い駅までバスなりタクシーで行ってでも職場に向かいそうに思うのですが、そうではなくて、「お茶にしよう。」と言うのが、なんとも英国風で、軽いカルチャーショックを覚えた記憶があります。

イギリスのティーに関するフレーズに、『Keep calm and have a cup of tea』というのがあります。上記の駅閉鎖の場面など、まさにこれだなと思います。 ただしこのフレーズには、原作があって、第二次大戦の直前に英国政府が国民に呼びかけた『Keep calm and carry on』の派生系と言われます。

 

 

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