先日日本の野球殿堂の高津臣吾氏と山本昌氏が選出された記事を投稿しましたが、アメリカの野球殿堂の投票結果が今週発表されました。

 


今年の投票結果で大きな話題となったのがMLBで一時代を築いたバリー・ボンズとロジャー・クレメンスが落選し、資格最終年の10年目でも選出されなかったことで、記者投票による殿堂入り資格を喪失することとなりました。(今後時代別委員会による選出の可能性は残されていますが・・・)

現役時代にステロイドの使用疑惑があった両名だけに、記者投票で選出されなかったことで薬物への嫌悪感が表立った形になりましたが、一方で彼らの現役時代には薬物規制が不十分であり、勝利のためにむしろ使用が奨励されていたとの意見や、純粋に選手の功績をたたえるための野球殿堂入りの意義が揺らぎ、現役選手からも疑問の声が上がっています。

ボンズもクレメンスも1995年に野茂英雄がドジャース入りし、日本でもMLBが浸透する以前からバリバリのメジャーリーガーだった選手で筆者も印象に残っている選手だけにこの結果はやはり疑問に感じる部分もありますね。

 

一方で日本の野球殿堂についてもこんな記事が。

 


この記事では日本人初のというわけではないがメジャーリーガーである村上雅則さんや2000本安打を達成した往年の名選手たちがすでにプレイヤー表彰のエントリー資格を失っていることに疑問を呈し、誰でも彼でも野球殿堂入りさせてOKというわけではないが球史に貢献した野球人を存命中に1人でも多く野球殿堂に表彰すべきだと述べています。

筆者もこの主張には同意です。

そして、この記事の中で由々しき問題だと思ったのが今年のプレイヤー表彰の投票有資格者363人が、各自7票投票することができる、つまり総投票数2,541票になるはずだが、実際には総数に対し81%の2,062票であり、一人当たり1票が「棄権」となっていること、またプレイヤー表彰から漏れた野球人を再評価するエキスパート表彰の投票数は満票の77.4%しかなかったということです。さらにエキスパート表彰の投票権を持つ150人のうち4人、アマチュア野球人などを選出する特別表彰の投票権を持つ14人中3人が投票に参加しなかったというのも残念な話だと思います。

投票権を持つ方々は野球界に貢献した人々の功績をしっかりと評価し、自分の投票権をしっかり行使して一人でも多くの野球人を野球殿堂に顕彰してほしいなと思う次第です。

 

野球殿堂自体の権威をある程度保ちたいというのであれば、以前も当ブログで主張したことがありますが12球団各々がチームの殿堂を作ることで往年の名プレイヤーたちを後世に語り継ぐ役割を果たしてほしいなと思います。甲子園球場内の「甲子園歴史館」のような施設が各球団にできればいいなと思います。(個人的には甲子園歴史館のタイガースコーナーに川藤幸三氏のユニフォームが展示されていたことにうれしさを感じました。)

また、始球式などのイベントもタレントなどが来場して行えば華やかなものになるのは確かですが、もっと球団OBのレジェンドに来場してもらい、始球式を行うようになってほしいなと常々思います。(これもかつて当ブログで主張してました)

我々野球ファンとしても自分が見てきたレジェンドたちのプレーを後世の野球ファンに伝えていけるようにしていきたいものですね。