10月23日に上尾市民球場で行われた東都大学野球連盟二部秋季リーグ戦、東洋大×国士舘大の観戦記です。

二部とはいえ、「戦国東都」だけに実力校ぞろいで入替戦出場に向けてバチバチの戦いが繰り広げられるのが常ですが、今季はコロナ禍の影響で入替戦は中止、さらに優勝校の自動昇格もないという事態になっています。春の入替戦で日大に敗れ二部に降格となった東洋大にとっては1シーズンでの再昇格を目指したかったところですが、入替戦も自動昇格もない今季のモチベーションは保てているのでしょうか?

対するは国士舘大。開幕週をコロナ禍の影響で出場辞退し不戦敗となりましたが、一部から降格の東洋大相手にどのような試合を見せるでしょうか?

 

<スタメン>

【先攻:国士舘大】

①ライト 薮井

②DH 渡邊

③センター 榛村

④セカンド 池田(来)

⑤ファースト 鈴木

⑥ショート 江頭

⑦サード 西浦

⑧レフト 夏賀

⑨キャッチャー 高橋(遼)

先発ピッチャー 重吉(写真下)

【後攻:東洋大】

①セカンド 石上(泰)

②DH 松本(渉)

③ライト 佐々木

④ファースト 小口

⑤レフト 矢吹

⑥サード 加藤(響)

⑦ショート 松本(憲)

⑧キャッチャー 後藤

⑨センター 左向

先発ピッチャー 細野(写真下)

 

<試合概況>

両先発投手の好投で無得点のまま迎えた3回裏、試合が動きます。

東洋は8番の後藤がレフトスタンドへソロ本塁打を叩き込み、1点を先制します。

東洋は4回にも2死走者なしから4番の小口がヒットで出塁すると、5番矢吹がセンターオーバーの適時二塁打を放ち、リードを2点に広げます。

東洋はこのリードを5回以降継投で守り抜こうとしますが、7回表に登板した1年生の岩崎が捕まります。国士舘はヒットと2つの四球で1死満塁のチャンスを作ると、6番主将の江頭がレフトオーバーの適時打を放ち同点に追いつきます。

さらに1死2・3塁の場面で代打後藤がレフト前へヒット性の当たりを放ちますが、東洋のレフト矢吹が地面すれすれでダイレクトキャッチ、飛び出した二塁走者が刺され併殺となり逆転のチャンスを逸します。

試合はこのまま両校決め手を欠き、2-2の引き分けに終わりました。

 

<注目選手など雑感>

入替戦中止の影響か、両投手ともオープン戦のような細かい継投に加え、4年生も途中交代など普段のリーグ戦とは違った印象の試合になりました。

その中で印象に残った選手を何人か上げていきます。

先制本塁打の東洋の捕手後藤は守っても3つの盗塁を阻止、6人の投手をよくリードしました。体格にも恵まれており、まだ2年生ですので今後の成長が楽しみな選手です。

5番の3年生矢吹は2安打1打点とシュアな打撃を披露。ポイントゲッターとして機能しそうです。

投手陣では先発の2年生左腕の細野が4回を1安打無失点の好投。

大きく曲がるカーブが効果的で、ゆったりとしたフォームから投げ込むストレートは球速表示以上に速く感じられました。また牽制も巧みでこの試合でも一つ牽制で走者を刺し、実戦力の高い投手だと思います。1年生からリーグ戦に登板していましたので、ポテンシャルは高く、一部での投球を再び見たい投手ですね。

一方の国士舘ですが、マリーンズ2位指名の池田(来)はノーヒットで途中交代、その代わりに4年生の意地を見せたのが同点適時打の江頭。

卒業後の進路が気になりますが、貴重な右打ちの内野手として、社会人での活躍も期待できそうです。

投手陣では3番手で登板した1年生の小野寺。

上背はありませんが、ブレーキの利いた変化球と小気味のいい投球で2イニングで5つの三振を奪う好投を見せました。花巻東高で甲子園も経験した投手が国士舘投手陣の中でどう成長していくか楽しみです。

 

国士舘大000000200=2

東洋大  001100000=2

【連盟規定により引き分け】

(国)重吉、中島、小野寺、荘司、鎌田、高清水-高橋(遼)、磯部

(東)細野、河北、渡邊、岩崎、大宮、羽田野-後藤

【本塁打】(東)後藤

【二塁打】(国)江頭

      (東)矢吹