昨日センバツ高校野球大会の出場32校が決まりました。

先日筆者が投稿した「勝手に選考委員会」の出場校予想は21世紀枠の1校外しの31校的中という結果となりました。

 


さて、やはり21世紀枠の選考基準は難しいですねぇ。今回の候補校だと富山北部高・水橋高の連合チームは21世紀枠の選考基準の一つの「少数部員などによる困難環境の克服」にあたると思ったんですけどね。

過去の21世紀枠の選出校から傾向を探ってみることにしたいと思います。

 

【参考】21世紀枠選考基準

「少数部員、施設面のハンディ、自然災害など困難な状況の克服・学業と部活動の両立・近年の試合成績が良好ながら、強豪校に惜敗するなどして甲子園出場機会に恵まれていない・創意工夫した練習で成果を上げている・校内、地域での活動がほかの生徒や他校、地域に好影響を与えている」

 

この選考基準から、選考理由を下記の項目に分類し、どういった選考基準で選出されているかを調べてみました。(選考理由はWikipediaによる)

①困難環境克服(困)・・・少数部員、施設面のハンディ、自然災害

②文武両道(文)

③復活出場(復)

④創意工夫(創)

⑤地域密着貢献(地)・・・地元出身者、地域貢献、ボランティア活動

 

2001年・・・安積高【福島】(文)、宜野座高【沖縄】(地)

2002年・・・鵡川髙【北海道】(困)、松江北高【島根】(文)

2003年・・・柏崎高【新潟】(困)、隠岐高【島根】(困)

2004年・・・一関一高【岩手】(文)、八幡浜高【愛媛】(文)

2005年・・・一迫商高【宮城】(地)、高松高【香川】(文)

2006年・・・真岡工高【栃木】(地)、金沢桜丘高【石川】(文)

2007年・・・都留高【山梨】(創)(地)、都城泉ヶ丘高【宮崎】(文)

2008年・・・安房高【千葉】(文)(地)、成章高【愛知】(困)(文)、華陵高【山口】(地)

2009年・・・利府高【宮城】(地)、彦根東高【滋賀】(困)(創)、大分上野丘高【大分】(文)

2010年・・・山形中央高【山形】(地)、向陽高【和歌山】(復)(地)、川島高【徳島】(困)(創)

2011年・・・大館鳳鳴高【秋田】(文)(地)、佐渡高【新潟】(困)、城南高【徳島】(文)(地)

2012年・・・女満別高【北海道】(困)、石巻工高【宮城】(困)、洲本高【兵庫】(復)

2013年・・・遠軽高【北海道】(地)、いわき海星高【福島】(困)、益田翔陽高【島根】(困)(地)、土佐高【高知】(文)(復)

2014年・・・小山台高【東京】(困)(文)、海南高【和歌山】(困)(復)、大島高【鹿児島】(困)

2015年・・・豊橋工高【愛知】(創)(地)、桐蔭高【和歌山】(復)、松山東高【愛媛】(困)(復)

2016年・・・釜石高【岩手】(困)、長田高【兵庫】(困)(文)、小豆島高【香川】(困)

2017年・・・不来方高【岩手】(困)、多治見高【岐阜】(創)(地)、中村高【高知】(困)(復)

2018年・・・由利工高【秋田】(地)、膳所高【滋賀】(文)、伊万里高【佐賀】(文)(創)(地)

2019年・・・石岡一高【茨城】(文)(創)、富岡西高【徳島】(地)、熊本西高【熊本】(困)(地)

2020年・・・帯広農高【北海道】(文)(地)、磐城高【福島】(困)(文)(復)(地)、平田高【島根】(地)

2021年・・・八戸西高【青森】(創)(地)、三島南高【静岡】(地)、東播磨高【兵庫】(創)、具志川商高【沖縄】(困)(地)

 

項目別に分けると

①困難環境克服(困)・・・23校

②文武両道(文)・・・20校

③復活出場(復)・・・8校

④創意工夫(創)・・・10校

⑤地域密着貢献(地)・・・25校

 

となっており、「文武両道」という高野連のおぢさんたちが好きそうな選考理由が多いのと、困難環境克服が選考理由なのが多いですね。一方で近年は昨年の平田高、今年の三島南高のように地域の子供たちへの「野球普及活動」が評価されるのも増えてきているように思えます。

 

地域別でみてみると

<地区別>

北海道・・・4校

東北・・・13校

関東・・・5校

東海・・・4校

北信越・・・3校

近畿・・・8校

中国・・・5校

四国・・・9校

九州・・・7校

 

東日本大震災以降、東北の出場校が多く全地区でトップ。四国も9校と多いですね。

一方で意外だったのが北信越が3校で最も少ないことと、近畿が8校と意外と多いこと。今回の富山北部高・水橋高の連合チームが落選したように北信越地区は豪雪地帯のハンデ、部員減少のハンデなどがありそうな気がするんですけどね…。近畿が8校と多いのは古豪復活枠が多いのとやはり甲子園のおひざ元であることが理由なんですかね?

 

<都道府県別>

①4回・・・北海道、島根

②3回・・・岩手、宮城、福島、兵庫、和歌山、徳島

③2回・・・秋田、愛知、新潟、滋賀、香川、愛媛、高知、沖縄

④1回・・・青森、山形、茨城、栃木、千葉、東京、山梨、静岡、岐阜、石川、山口、佐賀、大分、熊本、宮崎、鹿児島

⑤0回・・・群馬、埼玉、神奈川、三重、長野、富山、福井、京都、大阪、奈良、岡山、広島、鳥取、福岡、長崎

 

都道府県別で最も多いのは北海道と島根の4回。今回の選出で青森と静岡は初の21世紀枠選出となり、21世紀枠での出場経験がない都道府県は15府県になりました。このうち、最終選考の俎上に挙がる「地区代表校」にすら選ばれていないのは神奈川、岡山の2県となります。また三重は7回地区代表校に選ばれながらも未選出と21世紀枠に縁がない状態になっています。

 

この傾向からみると、今まで選出のない都道府県で地域貢献やボランティア活動が顕著な学校が地区代表校になったら選出される可能性が高いような気がします。

また近年は県大会だけでなく、地区大会に進出していて、勝利を収めている学校が選出される傾向(今年で言うと八戸西や具志川商)にあること、好投手がいるチームが選出される傾向にあること(今年で言うと八戸西)などは今後も続くのではないかと思います。

 

なにはともあれ、コロナ禍に遭うことなく一般枠選出の学校および21世紀枠選出の各校が無事にセンバツに出場できること、大会自体が無事に開幕することを祈りたいですね。