思春期の子供を育てる中で、
家庭内暴力という現実にぶつかることもあります。
家庭内暴力については、ケースバイケースなので
一概に言えませんが、一例を挙げます。
とある精神心理学の先生のところに、
10年間もの間、子供に殴られ続けている母親が来ました。
先生は言いました。
「どうしてあなたは、10年もの間、
子供に殴られる母親でいたのですか?」
お母さんはびっくりしました。
そんなことを言われたのは初めてだったから。
先生は続けました。
「お母さん、あなたの中に、『子供がこうなったのは私のせいだ。
私は殴られても仕方がない。』という思いはありませんか?」
お母さんにとって、その言葉は図星でした。
先生は優しく言いました。
「やめなさい、と、Noと言っていますか?
口でNoと言ってもダメならば、お母さんはその場所から離れなさい。
家を出なさい。
2~3時間したら、何事もなかったように帰りなさい。」
お母さんはびっくりしました。
さらに先生は続けました。
「親を殴るということは、子供が自分自身を殴っているようなもの。
子供に殴らせてはいけない。
親を殴ることで、子供は傷ついているんですよ。」
「自分は殴られても仕方がない・・・」と、子供への
罪悪感と詫びの気持ちで殴られてきたのに、
子供自身も傷ついているなんて、
お母さんはビックリするばかりでした。
そして
「暴力を受けることで成り立っている親子関係は、
共依存で共倒れしてしまいますよ。」と先生はおっしゃったのです。
「ひどい言葉を言えば言うほど、
子供は親から離れる努力をして、自立していきたいと思っています。
その時に、親を殴って自己嫌悪に陥らせてはいけません。
だから、Noと言ってもきかない時は、
子供にそれ以上殴らせないように、
そこから離れなさい。
そして、少し時間を置いて、何事もなかったかのように
帰りなさい。」
もちろん、先生がおっしゃったケースは、
そのケースに最善の方策であり、
すべての家庭内暴力に適応するかはわかりません。
お母さんにとって、目から鱗だったようです。
我が家の場合、家庭内暴力はありませんでした。
家を出たほうでした。どんだけ家が嫌だったんでしょうね (-_-;)
しかし、エネルギーが外に向かうタイプだったので、
他の人に矛先が向かうのではという不安がついて回りました。
事実、カウンセラーの先生からも
「今、お母さんであるトホホさんが逃げてどうするの!
踏ん張って受け止めないと、エネルギーが外に向かう子は
無差別に他人を傷つけるようになるんだよ!」と脅され?ました。
逃げずに立ち向かわねばと腹を据えることができたのは、
その言葉のお陰であったと思います。