6月に東大が国際卓越研究大学で落ちそうだと予想しましたが、やはり厳しくなりましたね。
この時に、予想は東京科学大、名古屋大、京大、阪大の4校かと書きましたが、
名古屋大は「未来を先導する世界トップレベル大学院教育拠点創出事業」という文科省の事業に選ばれてしまった(卓越大と兼ねるのを禁止されている)ので、落選でしょう。
(令和7年度「未来を先導する世界トップレベル大学院教育拠点創出事業」の選定結果)
名古屋大の計画は素晴らしかったのですがね。新潟大や金沢大、広島大が選ばれる文科省の事業で、それと同格にされてしまったということです。岐阜大と関係でガバナンスの問題はあるんだろうとは思います。
国が現地調査に行かなかったので、当然、筑波大と九州大はないでしょう。
残る6校のうち、東大と名古屋大がないとすると、
東京科学大、早稲田、京大、阪大の4校と予想を修正します。
審査の核心は「ガバナンス」です。 国際卓越研究大学の審査において、最も重視されるのは「研究力」ではなく「ガバナンス(資金を適正かつ戦略的に使える経営体制)」です。国が数千億円を預ける相手として、「信用できるか」が問われています。
ガバナンスの次に、自己資金・外部資金が重要視されています。これは、国としては運営費とか科研費とか、増額しないから自分たちで成長してねということを言われているわけです。
学費、病院収入に頼った大学経営モデルがすでに限界を迎えているのは、財務状況を見ればどの大学も分かりきったことなのですが、資産運用とか思い切ったことをなかなかできない風習がありますね。
正直、研究力の基準をクリアするだけなら、いわゆる一流研究大学でなくとも、地方国立でも可能です。当然都市部の私立もそうです。
東大に関してはまさにタイミングの悪さですよね。 まさに審査の佳境にあるこの時期に、東大病院(東大の稼ぎ頭であり、研究の実装現場)で贈収賄事件が起きたことは、「巨大組織のガバナンス不全」を露呈させたに等しいです。
6月の佐久市での贈収賄から、芋蔓式に出てきたと言える今回の東大病院の事件ですが、この発表タイミングは、国際卓越研究大学で「落選」させる理由づけとして国か何かに使われたかなという印象です。
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今後予想されるシナリオ:
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シナリオA(延期・条件付き): 「認定は保留。抜本的な再発防止策とガバナンス体制の刷新を確認してから再審査」という飼い殺し状態。
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シナリオB(落選): 「東大ですらガバナンスができていないなら、今回は見送る」という、他の大学への見せしめ的な落選。
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