「もしも一年後、この世にいないとしたら」って考えたことはおありでしょうか。

私はよくあります。

「この患者さんはもう一年後いないかも知れない。あるいは自分だって……」

今日はそんなことを考えさせてくれる本を紹介します。

『絶望をどう生きるか』（清水研、幻冬舎）

著者の清水氏は1971年生まれ。

1998年、金沢大学医学部卒業後、一般内科研修、精神科研修を経て、2003年、国立がんセンター東病院精神腫瘍科レジデントに。

以降、一貫してがん患者及びその家族の診療を担当し、現在は有朋病院腫瘍精神科部長として活躍しておられます。

20年以上、がん医療の現場でがん患者やそのご家族の診療を担当し、その数4000人を超えると言います。

この本に登場する6人の方たちは、20代、30代のときに突然がん告知を受け、死を意識。並々ならぬ絶望感や喪失感を味わったのち、今を精一杯に生きておられます。

聞き取りを行った清水氏が、この本の中で強調するのが「レジリエンス」です。

レジリエンスとはもともと物理学の用語で、バネがたわんでも反発してもとに戻る「復元力」。そこから派生して「困難な状況にしなやかに適応して生き残る力」を意味する心理学用語として、近年は知られています。

レジリエンスは誰にでも存在するものなのですが、その発揮の仕方は、「その人がそれまでどんな人生を歩んできたか」に大きく影響されると言います。そのため本書ではこれでもかというくらい執拗に、それぞれのがん患者さんの幼少期からのことが語られています。

がんという病気と闘うというより、強制的、必然的に強いられることになる別の人生を受け入れ、新たな視点で自分の道を模索する6人の「レジリエンス」。

ただただ圧倒されます。

がんを患ったこの方々だけでなく、新型コロナ、戦争、自然災害等々、今や全世界の人間が解決の糸口が明確でない、先の見えない問題と対峙しなければならない世の中になりました。

このブログを読んで下さっている皆様は今をどのような心持ちで生きておられるのでしょうか。

人の在り方はそれぞれでしょうが、本書は何か心に響くものがあります。

興味を持たれた方はぜひご一読ください。

「人気ブログランキング」にエントリーしています。
１日に１回クリックして頂けると嬉しいです！
↡　↡　↡　↡　↡　↡　↡

『いど鍼灸整骨院 / 中医鍼灸治療室』のFacebookも適宜更新しています。

Facebookはこちら → ♡
Instagramはこちら→💛

いど鍼灸整骨院 / 中医鍼灸治療室
大阪府八尾市北本町1-1-7
TEL : 072-991-3366
http://www.ido-s.jp/

『絶望をどう生きるか』（清水 研、幻冬舎）

『絶望をどう生きるか』（清水研、幻冬舎）