1月8日 土曜日 AM7:30   妻が仕事に向かう。

 

というわけで、今日は小6の息子と保育園年長の娘とともに過ごす。まだ二人は布団の中だが早く起こしてもいろいろ大変なのでしばらく寝かせておこう。

 

 洗濯物と子供たちの朝食の準備をすませて、私はインスタントコーヒーとロングピースで寛いだ。

 

 私の布団から何やらチャカチャカと聞きなれた高音の音楽が聞こえる・・・。

 

 いつの間にか起きた娘が、タブレットでユーチューブをご鑑賞なさっていた。タブレットを与えてしまった事はずいぶん前から後悔しているが、そうでもしなければ自分の作業が出来ないというのも私然り主婦の方々の本音の部分でもあるだろう。娘はタブレットを見ていないときは私のそばから離れない習性がある。トイレにもついてくる。まあ、しばらくしたら自然と離れていくだろうから、今はこの習性を楽しませてもらってはいるが。

 

 「公園いきたい!」

 

 娘と目が合った瞬間、大きな声で朝の挨拶を頂いた。

 

昨日の夜から催促されていたのだが、やはり本気だったか。まあ、商業施設にこもるよりよっぽど健全だろうから私も行くつもりではいたので、さっそく準備しよう。

 

 まずは、息子をたたき起こす。

 

 朝食をテーブルに配置し、タブレットを両手で持った娘の両脇を抱えテーブルの前に配置完了。息子は・・・すでに飯を食っている。

 

 バッグに荷物を詰め込んで、公園に向かう。

 

 

 

着いてみると・・・・・・やはり、なかなかの盛況ぶりだ。遊具は交代で並ぶほど混雑して、周りはレジャーシートを広げた奥様の団体が花見でもしているかの如く大盛り上がり。奥ではワンタッチテントを設営してファミリーキャンプさながら。皆さん存分に楽しんでいらっしゃる。

 

 遊びだした子供たちを確認した私は、唯一空いていた日陰にあるベンチを発見し、まだ乾いていない朝露を、鳥の糞とともにウエットシートで拭き取り、3人分の水分とタオル等が入ったバッグをおろして腰を下ろした。

 

 1時間ほど子供たちが遊ぶのを見ていたが・・・・・・・飽きてきた。

 

正直、この公園もしょっちゅう来ているし、特に知り合いがいるわけでもなく、はつらつとした若奥様やアスリートのようなイケメンパパ達の横で娘のブランコを押す中年オヤジにはちょっときついものがある。と、常々思っていた。

 

 

 なので、川に行くことにした。

 

 私の住む福岡県南部には矢部川という有明海へ流出する1級河川がある。夏場には遠方からアユ釣りに訪れる釣り人も多い。支流もいくつかありその多くの場所では蛍が飛び交い多い時には川沿いの針葉樹をクリスマスツリーくらいに輝かせることもある。私の実家も庭先に蛍が飛んできて夏場の夜の散歩を楽しませてくれた。

 

 公園から撤収するとき子供たちを説得させるのは毎回苦労しているが、今回は川へ行こうと言うと喜んで車に乗ってくれた。この手間が省けただけで有り難い。

 


 

 

河川敷まで車を下ろして停め、ゴロゴロの石たちの上をヨロヨロと、中年オヤジと若き探検家二人が行く。息子は川のぎりぎりに立ち、平べったい石を水面になげ「水切り」に没頭しだした。娘はピンクの小さいバケツを持ってお気に入りの石を探すことにしたらしい。私も河原の石を探索するのが好きなので娘について回る。鉱石には詳しくないが、中にはチャートという硬度が高い石もあり、今はやりのソロキャンプユーチューブで人気のあるヒロシさんが着火の際に使用するような火打石になるようなものもある。実際、私が使っている火打石はこの河原で採取したものだ。念のために、海や河川の石や砂を持ち帰るのは違法になる場合が多いので注意が必要。1.2個や子供の石拾いなどは問題ないと河川法の条文に記されている。自然のものを持ち帰る場合には河川法、海岸法、自然公園法などの禁止事項を確認するほうがよい。

 ましてや、個人所有の土地に入り、物を採取するなどはもってのほかだ。

 

 「わあ! きれい!」

 

 

と、娘が持ってくるものは、

 

 

 

赤、茶、白などの石の中に模様のついた陶器の欠片やレンガ、植木鉢の欠片がある。子供にとっては白い石も陶器の欠片も同じように宝物だろう。流されてすべての角が取れた流木も味わいがある。ここにはヒスイや瑪瑙のような希少な石はないが、子供にとって価値のあるものは自分で価値をつけるという無意識の概念の中で動いている。素晴らしいことだと思う。価値のついたものにお金を払い、その価値相当の使い方や持ち方が出来ないままの私より優秀な人間でいつまでもいてほしい。

 

 

 

 

 

 あと10年後、20年後、大きくなって結婚して子供が出来たら、連れておいで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イベントバナー