人生4回目の等々力渓谷
一回目は
一人で。カナダに行く前に日本を感じたくて
親友と一緒に散策した
神社で売ってるくずもちを彼女が買って
何を思ったのかおもむろに帰り道の歩道で開けて食べようとしたのを覚えてる
結局真っ白いくずもちには
何の切れ目も入ってなくて
彼女は諦めた。
2回目は
そうだなあ
あなたとだなあ
渓谷沿いにあるイタリアンレストラン
窓際の席で
お会計の時に交わした会話を思い出した
あの時の私は
自分の軸が何なのかわからなくなって
でもあなたの壮大な夢を共有されることで
その人生計画の一片に自分が組み込まれることで
居場所を確保したような気分だったのかもしれない
日々与えられる
愛情と環境に甘んじて
ずっとそこに浸かれると思っていたのか
いつしか大切な目の前のものを見失って
するすると
手の中かから確かなものは滑り落ち
からっぽになって
あっというまに置いてきぼり。
その数年後に
今度はひとりで訪れた場所
そんな過去の想い出を辿りながら
あの時の私に苦笑しながら
4回目は
全く違う立場で降り立って
この時までに自分に訪れてくれた沢山の出来事に感謝した
沢山傷ついて沢山泣いて沢山自分を責めて
それでも4回目になるこの日を迎えられて本当に良かったと
心から思えた日
次来るのはきっとずっと後
次回来るときも変わらず
こんな感じで静かに迎え入れてくれたら嬉しい
ありがとう
そういって立ち去った思い出の場所