2022年7月17日

 午後。熱い紅茶を飲みながらのブログ。

 先ほど、歌代健康福祉部長に折り返しの連絡を入れた。13時30分に電話をもらっていたが、バタバタしていて気がつかなかった。報告によると、今日の県内の新型コロナ感染者は1,002人。予想していたとおり、先週の日曜日に比べて倍以上の増加となっている。

 重症者は依然として0人。亡くなった方(80代男性)が1名いる。高齢者の感染率が少し上がっているが、全体としては同じ傾向が続いている。

 最も注視すべき病床使用率は、約24%まで上昇したようだ。が、これだけの感染者が続いている割には、踏ん張っている方だと思う。以前のように、群馬県内の病床使用率が「関東地域で最も高い」みたいな現象は起こっていない。

 振り返ってみると、1ヶ月ほど前、群馬県の「直近1週間の人口10万人あたりの感染者数」が、首都圏で最も低くなっていた時期があった。全国順位が(瞬間風速で)44位まで下がった日があったほどだ。

 にもかかわらず、そうした期間でさえ、群馬県の病床使用率が、「連日、群馬県よりずっと多い感染者数を出していた首都圏の他の都道府県より高い」状態が続いていた。「なぜなんだろう?」と不思議に思った。

 「都道府県によって、感染者の重症化率が違う」というのは考えづらいし、実際、そんなデータは見当たらなかった。そこで目についたのが、群馬県内の入院率の高さだった。関東地方の他の都道府県に比べて、常に高い状況が続いていた。

 そもそも、「どのくらいの入院率が適切なのか?」を判断するのは難しい。が、第6波の感染が収束しつつある中で、群馬県の入院率が相対的に高くなっている理由を突き止めておかないと、「第7波が起こった場合の対応が後手に回る可能性がある」と考えた。だから、健康福祉部に分析を指示したのだ。実際、毎週の定例会見で予測していたように、第7波は(予想以上に遅れたものの)群馬にも到達している。

 

 様々な角度から群馬県の入院率の謎を調べた。その結果、次のことが分かった。すなわち、「これまで群馬県内の病床使用率が、関東地方の他の都道府県に比べて相対的に高かったのは、群馬の対応が他の都道府県に比べて劣っていたからではない」ということだ。むしろ、群馬県の過去の対応は、「(もしかすると)正確な情報発信という面でも、感染した人たちへの対処に関しても、他県より上手く進んでいるのではないか?」とさえ感じた。

 その事実を県民の皆さんに伝えるために、7月13日付の「群馬県の入院率と病床使用率が関東地域で最も高くなっていた理由は何だったのか?!:その1」というブログを記した。今回は、なかなか書けなかった続編(その2)を書く。

 さて、上記の「その1」では、群馬県の入院率が他県と比較して高くなっている要因として、(1)入院対象とする感染者の基準の違い(2)入院調整機能の違い〜の2つを挙げている。

(1)に関しては、前回のブログ(その1)で説明した。具体的に言うと、「75歳の高齢者を『原則入院』としていた群馬の対応が、結果として他の都道府県より手厚くなっていた」のだ。このブログでは、(2)の「入院調整機能の違い」に触れる。

 群馬県は、新型コロナ感染者の入院先を決めるに際して、「全県単位での一元調整」を実施している。これに対して、「保健所単位での個別調整」を行っている県も少なくないようだ。

 群馬では、コロナ禍の初期の段階で、「病院間調整センター」を設置した。以来、このセンターを通じて、全県単位で入院先を一元的に調整している。このシステムのお陰で、陽性判明から一両日で入院先が決定され、入院が必要な方が速やかに入院出来る状況が整えられている。

 他方、「保健所」が入院調整する県の場合、まず保健所の地域単位で入院先を調整し、見つからない時に県本部などが地域横断の入院調整するという流れになっていると聞いた。

 全県で一元的な調整を行なっている群馬県と、保健所単位の入院調整をやっている県が、同じ症状の患者を入院させたとしよう。結果としてより速やかな入院が可能な群馬県の方が、後者の県と比較して、その分、実際に入院している日数が多くなる。実はこのことが、県内の入院率の上振れに繋がっていたと思われる。

 なお、病院間調整センターでは、全県で入院対象者をトリアージし、優先順位を付けた上で、適切な病院への入院を図っている。そのため、病床のひっ迫時にも、重症者を確実に入院にさせるための調整機能が働くというメリットがある。

 さあ、少し身体を動かしてこよう。この続きは「その3」で。

 

         <都道府県の病床使用率等に関する最新データ>