2021年7月31日

 14時過ぎ。熱い紅茶を飲みながら、パソコンのキーボードを叩いている。

 午前11時から、新型コロナ感染症に関する関係部局とのオンライン協議を実施。ここ数日間の感染者の急増、病床稼働率の急上昇を踏まえた県の新たな対応、国のワクチン供給をめぐる問題、県営ワクチン接種センターの現状と見通し等に関して、真剣な議論が続いた。

 再び襲って来た危機的な状況を受けて、群馬県は週末も「フル稼働」している。関係部局に、幾つかの大事な指示を出した。明日(日)の夕方、再びオンライン協議を行う。明日の全国知事会でも、(いつも以上の熱を込めて)発言する予定だ。

 13時過ぎ。本日、県内で確認された新型コロナの新規感染者数が判明した。これまでの過去最多となる136名。内訳は、前橋市が30名、高崎市が28名、太田地区が23名、伊勢崎地区が18名。群馬県の人口の7割を占める4つの地域で、特に感染が広がりつつある。

 加えて、館林地区が14名、桐生地区が8名、渋川地区が7名、県外が6名、吾妻地区、利根沼田地区が各1名だった。

 感染経路不明は5割。いわゆるデルタ株(N452R)に関して言うと、新たに13名の感染が判明。累計で157名となった。

 年代別の感染者を見ると、20歳未満が22%、20~30代が43%、40〜50代が26%、60代以上が8%(10名)という結果だった。

 136名の陽性者のうち、ワクチン未接種の人は58名。1回目のワクチン接種を終えた人が4名、2回目を済ませている人が1名いた。残りの73名については確認中だ。

 新規感染者数は、3日連続で100人台。今まで一度もなかったことだ。末尾に添付したグラフを見て欲しい。前週差は第3波、第4波の倍近くに達している。第5波における急増ぶりが際立っていることが分かる。

 現時点で、1週間の10万人あたり新規感染者数は27人まで上昇。国のステージ4基準である25人を超えた。

 最も深刻なのは、明日からも「状況が好転する要素」が見当たらないこと。病床稼働率が予想以上のスピードで跳ね上がっていることも、大きな懸念材料だ。

 何度も言って来たように、「地域の経済活動を制限するような措置を再び打ち出すことは、出来る限り避けたい」というのが、知事の基本的なスタンスだ。今も、その気持ちは変わらない。

 しかしながら、第5波をめぐる情勢は、思った以上に緊迫している。新たな感染拡大の脅威から県民を守るため、警戒度を含む新たな対応に関しては、より迅速な判断が求められている。事業者の皆さんにも、市町村長にも、県議会関係者にも、そして県民の方々にも、この点は理解していただけるはずだ。

 

追伸:一昨日(29日)の定例会見で、県全体の警戒度を「3」に引き上げることを発表した。その前に、35の市町村に県の方針を伝達。12人の市長には、知事である自分から電話をかけた。

 

 その際、「現時点では、経済制限措置には言及しない。が、今の感染拡大の深刻さを考えると、(今後の展開によっては)更なる対応を緊急に打ち出さねばならない可能性もある。その点はご理解いただきたい」と伝えておいた。前述したように、これまで経験したことのないスピードで感染が拡大している。