2020年3月8日:パート2

 20時過ぎ。食後のほうじ茶を飲みながら、本日2本目のブログを書き始めた。

 本日の出発は14時。県庁に到着した後、関係部局との協議。新型コロナウイルスをめぐる現状の報告を受けると同時に、夕方の記者会見資料を確認した。

 16時15分。昨日に続く2度目の臨時記者会見がスタート。県内で初めて感染が確認された方の入院後の状況や濃厚接触者、感染ルート等について、これまでに判明した新たな事実を公表した。併せて、新たな事態を受けての今後の県の対応等についても報告した。

 今日の臨時会見では強調出来なかったが、次の定例会見で少し丁寧に説明したいことがある。それは(対応は個々のケースによって異なるものの)患者や家族の方々等への負の影響を考慮したプライバシーの保護は必要ということだ。

 加えて言うと、情報管理にあたっては、「ネットが普及した現代社会では、情報の秘匿が(以前に比べて)かなり難しくなっている」という事実を十分、頭に入れておく必要がある。

 例えば、昨晩、新型コロナウイルスの感染が判明した保育士が勤務していた保育所の関係者が、その日のうちに児童の父兄に事実を伝えた。その段階で、ネット上(SNS空間)では、すでに当該保育所の名前が出回っていた。

 もちろん、対策本部終了直後の知事のぶら下がり会見では一切、言及しなかった。が、こちらが施設の具体名は明かさないという方針を貫いていたとしても、隠すことは到底、無理だったろう。

 情報管理が難しくなっているからと言って、(様々な観点から)プライバシーへの配慮が重要であることに変わりはない。今回のケースでも、患者が勤める施設の名前を最初から公表すべきだったとは思わない。ただ、こうした問題に関する情報発信については、社会が変わっている(=ゲームのルールが変化している)ことを前提に対応していかねばならないと、改めて痛感した。

 会見の中で、集中治療室にいる患者の容態を何度も聞いてくる記者がいた。が、この方が重症であるということ以外の細かい説明は控えた。濃厚接触者として健康観察に協力していただいているご家族も心配されているに違いない。ご本人の1日も早いご回復をお祈りしたい。

 いろいろ考えてみると、群馬県に限らず、他府県で感染が見つかった患者の方々の個人情報に関しても、ネット空間から漏れる、又はすでに漏れている(?)可能性がないとは言えない気がする。

 ある報告によると、新型コロナウイルス対策の初期、武漢からの帰国者を受け入れた場所で、スタッフや家族の方々が圧力を受けたケースがあるらしい。だからこそ、行政としては、情報公開に慎重を期さねばならない場合がある。その点は、ぜひご理解をいただきたい。

 何れにせよ、感染拡大防止に繋がるような情報は、今後も「丁寧かつタイムリーに」公開していきたいと考えている。

 さあ、運動の時間だ。

追伸:ネットと言えば、今日の会見で、ある記者からこんな趣旨の質問があった。

 「PCR検査で陽性が出た(初の感染者が確認された)という情報は、知事がツイッターでいち早く発信した。関係者に相談する前に出して良かったのか?」と。

 こう答えた。

 「県内で初めての感染者が出たという事実を、一刻も早く県民の方々に伝えたかった。そのためには、自分自身のツイッターで発信するのが一番いいと思った」と。

 会見の後、ふと思った。「この場合の関係者って、一体誰のことを指すんだろうか?」と。「その関係者(?)の許可がないと、いかなる情報も出してはいけないのだろうか?」と。(苦笑)

 何度も書いているように、記者会見は常に真剣勝負だ。知事としての考えや政策を県民に伝えるための重要なツール(舞台装置)だもの。いつも「記者の人たちの背後には国民や県民がいる」と自分に言い聞かせている。

 ただし、世界は大きく変わっている。メディアはTVや新聞だけではない。SNSやYouTubeを駆使すれば、誰もが発信者になれる時代なのだ。

 僭越ながら、アメブロ政治部門ランキング1位のブログと、フォロワー数20万人以上(河野防衛大臣の100万人には到底、及ばないが(笑))のツイッター、そして5月以降に再開する予定のウェブ番組「直滑降ストリーム」を合体させた山本一太の「ネット発信力」は、依然として政界でトップクラスだと自負(いや分析)している。

 何しろ、ちび政治家(初心者知事)の数少ない強み(?)なのだ。(笑)これからもフル活用させてもらう!!

 

<会見の最後は県民への訴え。特に「こまめな手洗い」と「顔を触らないこと」をお願いした!>