2019年1月13日:パート2

 東洋経済新報社が2012年から2年ごとに発行している「都道府県幸福度ランキング」(寺島実郎:監修、日本総合研究所:編)に注目している。各都道府県の知事や役人たちも参考にしているはずだ。

 このデータに説得力があるのは、分析が緻密なことに加え、毎回、時代状況を反映した判断基準を取り入れているからだ。

 1人当たり都道府県民所得等の基本的な指標はもちろん、健康、文化、仕事、生活、教育の分野別指標等も含む全70項目の指標から、総合ランキングを割り出している。

 2018年(4回目)のランキングでは、1位が福井県(3年連続)、2位が東京、3位が長野県、4位が石川県、5位が富山県だった。北陸3県の強さが際立っている。

 2012年の最初の「幸福度ランキング」で1位に輝いたのは、お隣の長野県だった。この年の同県の県民収入は25位。けっして裕福とは言えない長野県が幸福度で全国No.1だと評価されたことに、少なからぬ驚きを覚えた。

 当時、長野県が幸福度ランキングでトップに立った理由に関しては、様々な説明や解説がなされた。が、最も胸にストンと落ちたのは、「長野県の高齢者就業率が全国一」であることが深く関わっているという解説だった。すなわち、長野県は「お年寄りが生きがいを持って働ける」場所なのだ。

 長野県は、その後も同じランキングで、トップクラスを維持している。

 日本一の長寿県(平均寿命全国1位)を実現したことも含め、長野県の独自の取り組みは、群馬県にとっても「大きなヒント」になる気がする。

 そういえば、長野県は「移住したい都道府県」のランキングでも全国1位だった。多くの日本国民は、1人当たり県民所得が10位の群馬県より、20位の長野県に住みたいと考えているのだ。

 「都道府県幸福度ランキング」に関しては、もう1つ注目すべき点がある。それは、2018年の幸福度ランキングでは33位の北海道、45位の沖縄県が、同年の「都道府県魅力度ランキング」では、それぞれ第1位と第4位になっていることだ。

 さらに言うと、幸福度ランキングでは下位にある北海道と沖縄県は、2016年の郷土愛ランキングでトップ3に入っている。愛着度では、北海道が1位で、沖縄が2位。自慢度でも、北海道が2位で沖縄が3位という結果だった。

 ちなみに、上述した長野県は、愛着度が9位で、自慢度が7位。群馬県は、愛着度が35位で、自慢度は44位だった。(ため息😞)

 実は、ここに「群馬を元気にする」鍵がある。この件については、続編「その5」で。