2017年9月25日:パート2

 

 「安倍総理、早期解散の意向を固める。臨時国会冒頭も視野」みたいな報道が初めてNHKの早朝のニュースで流れた日、複数の同僚議員やメディア関係者から電話があった。

 ほぼ全員が同じ趣旨のことを言った。「一太さんが慎重派なのはブログでよく知っている。永田町関係者の視聴率、相変わらずスゴいよ。(笑)記者も政治家も皆、読んでると思ったほうがいい。」

 「でも、今回、総理が本当に解散するとすれば、ある意味、最高のタイミングじゃないだろうか。これほどの奇襲なら、野党共闘も新党の準備も間に合わない。党本部の世論調査も悪くないという噂だ。戦略としては見事だ!」と。

 事実、「臨時国会冒頭の28日に解散、10月10日に告示、22日に投票」というのは史上最短のペースだと聞いた。まさに電光石火だ。

 それでも、仲間たちの「あまりに楽観的な」分析に素直に頷くことは出来なかった。こう返事をした。

 「いや、オレは油断出来ないと思うよ。いつも言っているように慢心は禁物だ。対応を間違えて『怒れる無党派層』を生み出したら、反自民の受け皿なんて数週間であっという間に出来てしまう。そもそも党の調査って、『共産党が候補者を下ろす』ことを前提に数字を取っているんだろうか?」

 昨日、「新報道2001」に出演した。同席したゲストは細野豪志衆院議員と玉木雄一郎衆院議員。自分の目から見ると、この2人は「保守政治家」だ。政治理念や政策は、民進党の前原誠司新代表に近い。

 番組の中で、「民進党や小池(?)新党が共産党と連携する(=選挙協力をする)のは筋が通らない。国民には分かりにくい。『民・共政権』ということなら、とても緊迫した日本の安全保障を任せられない!」と牽制した。予想したとおり、細野・玉木両氏は「共産党と組む」ことに否定的な見解を繰り返していた。

 が、しかし、結論はハッキリしている。たとえ民進党が表面的には共産党との政策協定を拒否し、公には選挙共闘の体勢が整わなかったとしても、共産党は大多数の小選挙区で自発的に公認候補を立てないだろう。自分は最初からそう見ている。

 理由はシンプル。それが自民党にとって「最も嫌なシナリオ」だからだ。(キッパリ)この予想が外れたら、こんなに嬉しいことはない。(笑)

 さらに警戒すべき展開は、共産党が全国的に候補者を擁立しない状況の下で、民進党と細野・若狭新党(?)(それとも小池新党?)が連携することだろう。

 この2つの勢力が各小選挙区で候補者調整をやり、「最も勝つ可能性の高い候補者」を絞り込んで来るような構図になると、文字通りの「野党統一候補」が誕生する。こうなると相当にやっかいだ。特に東京を中心とする都市部の選挙には影響が大きいと思う。

 自民党にとって一番重要なことは、反自民の感情に突き動かされた「無党派の人たちの受け皿」を絶対に作らないことだ。そのために不可欠なことが2つある。

 1つ目は、国民の普通の感覚と乖離した言動を慎むこと。自民党の中で1人くらい「臨時国会冒頭解散は国民の目から見て疑惑隠しみたいに映らないか?」と懸念の声を上げるひとがいてもいい。もともと自由闊達に議論が出来る政党なのだ。大臣や党幹部の方々には、くれぐれも「国民を馬鹿にしたと思われるような失言」をしないよう十分に注意していただきたい。

 2つ目は、リーダーである総理自身の言葉で「どうして今、国民の審判を仰ぐのか?」「なぜこの選挙に勝って自公政権を続けなければならないのか?」を語ってもらうことだ。総理の真意を国民に理解してもらうことだ。

 国民の気持ちを逆なでするような奢りを捨て、有権者に安倍政権の実績と今の日本を取り巻く安全保障環境を冷静に見てもらえれば、怒りの受け皿を出現させるエネルギーは発生しない。その状況では、いわゆる「オリーブの木構想」は威力を発揮しない。単純明解な理屈だ。

 その意味で、今晩(18時から?)の安倍首相の会見はとても重要だ。「今回の選挙の趨勢を決める」と言っても過言ではない。

 さあ、今日も腹筋と背筋をやらないと。この続きは熱いシャワーを浴びた後で。