2013年11月28日

 夜11時半過ぎ。 自宅の居間でパソコンを起動させた。 今晩は、科学技術部局の幹部5名と食事をした。 安倍総理から与えられた「総合科学技術会議の司令塔機能強化」というミッションを実現するため、力を合わせて戦って来た同志たちだ。 慰労と作戦会議を兼ねた会合だった。

 断っておくが、内閣府の官僚たちと「なあなあ」でやって来たわけではない。 内閣府スタッフの知識や専門性は尊重しつつ、彼らの意見には真剣に耳を傾けつつ、しかし、最後は常に大臣としての意思を貫いて来た。 随分、迷惑をかけているに違いない。 が、この人たちと一緒に仕事が出来るのは、政治家としてとても幸運だ。 スゴく楽しい! 心からそう思っている。

 過去10ヶ月間、科学技術部局の役人たちと、大臣室で何度もブレインストーミングや作戦会議を重ねて来た。 以前のブログにも書いたように、科学技術政策における内閣府(総合科学技術会議)の司令塔機能を強化するために大臣である自分が打ち出したのは、次の3つの方策だった。 すなわち、(1)各省の科学技術予算をあるべき方向に誘導するためのアクションプランの強化(2)総合科学技術会議が決定権を持つSiP(戦略的イノベーション創造プログラム)の創設(3)First(最先端研究開発支援プログラム)の後継であるimPACT(革新的研究開発推進プログラム)の創設だ。

 アクションプランの影響力を高めるための予算戦略会議を設置出来たのも、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)やimPACT(革新的研究開発推進プログラム)の創設に道筋をつけられたのも、周到な準備と内閣府スタッフの努力があったからだ。 そうでなくても、財政状況は厳しい。 付け焼き刃の要求で、ここまで来れるわけがない。 

 SIPとimPACTの創設は、「科学技術イノベーション総合戦略」で閣議決定されている。 これだけでも大変だった。 科学技術部局のスタッフと知恵を絞り、苦労しながら、総合科学技術会議で安倍総理に何度もSIPとimPACTに言及してもらった。 同時に、総合科学技術会議の民間議員と科学技術部局のスタッフが、議論を重ねて両プログラムの制度設計を進めている。

 SIPの予算は内閣府に計上する。 これは画期的なことだ。 500億という枠を確保するために、関係各省(ほぼ全省)から科学技術振興費の4%を拠出してもらい、その分を要求の基礎額として積み上げたのだ。 内閣府の事務方は、各省と必死で交渉してくれた。 自分も複数の大臣と協議した。 ちなみに、SIP創設の決定には、甘利経済再生担当大臣の力強い応援も不可欠だった。(感謝X10)

 科学技術部局スタッフの努力を無駄にしないためにも、自らの省の予算が厳しいにもかかわらず、総理指示を踏まえて拠出を承諾してくれた各省の協力に応えるためにも、SIPの予算は必ず確保しなければならない。 だからこそ、大臣会見で(何度も)「SIPの予算は死守する」と宣言しているのだ。

 imPACTは、Firstと同じ形での創設を目指している。 が、財政当局にも(?)少し誤解があるようなので、このブログで明確にしておきたい。 imPACTは、麻生内閣の下で創設され、山中教授のiPSや山海教授の介護ロボットHALのような画期的な研究開発を大きく後押ししたFirstプログラムの後継プロジェクトという位置づけなのだ。 昨年12月、科学技術担当大臣に就任して以来、「ポストFirstをどうするか?」をずっと議論して来た。 その意味で、imPACTは、いわゆる「新規の要求」とは違う。

 加えて、産業競争力会議の民間議員(有力経済人)を含め、経済界全体からもimPACT創設への強い要望が寄せられている。 財政当局には、ぜひ、こうした点を理解していただきたいと思う。

 あ、お湯が沸いた。 熱いほうじ茶を飲んで、もう1本だけ短いブログを書く。 

 
「fs山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」