2009年5月7日:パート3

 先日、「中川秀直元幹事長の議」というブログを掲載した。 その翌日に中川氏の息子さん(次男)から事務所に電話あったそうだ。 「ブログに書いていただいて、ありがとうございました!」というお礼のメッセージが残されていた。
 
 このエピソードを、ある場所で「親しい友人」に話した。 「彼」はこう言った。「なるほどなあ。中川ジュニアっていいねえ!そういう志の高い人物にこそ、ぜひ政治家になってもらいたい。オレはそう思うよ!」 全く同感だ。
 
 さて、「世襲議員の立候補制限はなぜ必要か?:その3」を書く。 「その2」で、自民党内で「『世襲候補の立候補制限』に慎重又は反対している人々の主張は大きく言って次の6つだと書いた。
 
1.たまたま「政治家の家系」に生まれたからという理由で「国政選挙に立候補出来ない」などというのは「憲法違反」にあたる。

2.「政治の世襲がいけない」というのであれば、自民党の4割を占める世襲議員が「政治家として不適任」(悪い存在)であるかのように捉えられてしまう。 「世襲候補」はもちろんのこと、「現職の世襲議員」にとって、こんな議論をすること自体が次の選挙でマイナスに働く。

3.「世襲候補の立候補」を制限するというのであれば、次の選挙から(又は次の次から)実施するというのは説明がつかない。 本当にやるというなら、「現職の世襲議員」にも遡及して適用すべきだ。 全員が選挙区を替わるなんて、実際にそんなことが出来るはずがない。

4.「世襲かどうか」にかかわらず、選ぶのは有権者。 国民の判断に任せればいいのであって、余計はルールは不要だ。

5.「世襲議員」だって「能力のない人間」は落選する。 ちゃんと選挙で審判を受けて来ているのに、最初から「色眼鏡」で見られるのは心外だ。

6.「世襲候補の立候補制限」は実現のハードルが高い。 それより、むしろ各選挙区に「予備選挙の実施」を義務づけるとか、「新人候補のチャレンジ権」を認めるシステムを作るほうが現実的だ。 加えて、選挙区の資金管理団体の世襲については法的に制限すればいい。

 それぞれに反論していきたい。 まず第1の点に関して、「『立候補制限』は憲法が保証する職業選択の自由に抵触するからいけない!」という主張は完全にポイントがずれている。 自分が知る限り、党内に「立候補を法律で禁止すべきだ!」などという意見は最初からない! あるのは「親(又は親族?)と同一の選挙区から立候補すること」を政党の内規(内部のルール)で禁止(又は制限)するべきではないかという議論だ。 政党が候補者を公認する基準をどう設定しようと、憲法に違反するはずがない!!(苦笑)
 
 第2の点に関して、「政治の世襲は全て悪だ!」とか、「世襲議員は全員ダメだ!」などというつもりはない。 山本一太は「イマイチ」でも、自民党内には(以前のブログに書いたように)優れた資質と能力と使命感を兼ね備えた世襲政治家は大勢いる。 
 
 が、だからと言って、政権与党のメンバーの4割が世襲で占められていたとしたら、それは「政党の既得権益になっている」と言われても仕方がない。 え? 「世襲の立候補制限」の議論をするだけで、世襲候補や世襲議員は(次の総選挙で)マイナスを被るって?! 民主党はすでに「世襲候補の立候補制限」を党のマニフェストにすることを決めているのだ。 自民党がこの問題を避けて通ろうとすれば、そっちのほうがよほど選挙にダメージを及ぼす。 加えて、本当に能力のある政治家なら、「世襲批判」なんて跳ねのけられる。 「実績」をアピールすることで十分当選出来るはずだ。
 
 第3のポイント(「世襲候補の立候補制限」をするなら遡及して現職にも適用するべきだという見解)について言うと、これは「立候補制限をマニフェストに入れるということ」を潰すための「ためにする議論」だと思う。 だってそうでしょう?! 現時点で全体の4割を占める自民党の現職議員(世襲議員)全員に「選挙区の鞍替えをしてもらう」などということは非現実的だ。 すなわち、「遡及して適用しないのならやるべきではない!」というのは、「このまま政治の世襲を放置しても構わない!」と言っているのと同じだ。
 
 ある会合で、ある若手議員がこうつぶやいていた。 「同一選挙区からの立候補を党の内規で制限する。これだけの提案をこうまでして潰そうとするなんて!突き詰めると、『将来は息子や娘に自分の地盤を継がせたい。立候補制限なんて認めたら、我が家の人生設計が狂ってしまう』って言ってるように聞こえる。政治って、ファミリービジネスじゃないでしょ?!(怒)」 なるほど、鋭い指摘かもしれない。
 
 あ、間もなく赴任する新しい「駐フランス日本大使」がやって来た。 この続きは「世襲候補の立候補制限はなぜ必要なのか?:その5」で。
 
追伸:新しくフランスの特命全権大使に任命された「斉藤泰雄前ロシア大使」からスゴく面白い話を聞いた。 ロシアのメドベージェフ大統領夫人は日本の「ドラえもん」にとても興味があるらしい。 何でも家で飼っている愛猫の名前が「ドラフェ」って言うんだって。(笑)

 えっ! 「ドラえもん」と「ドラフェ」が主人公のアニメを作る企画があるんですか! 実現したら面白いなあ。 日露の「子供文化交流」のシンボルになるもの!!(ニッコリ)
 
 
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