明日の朝、党本部で外交部会と外交調査会の合同部会がセットされた。この2ヶ月、外交部会長として参加してきた「歳出削減プロジェクトチーム」の議論の現状を報告するためだ。

 

 一部の外交関係議員から、この件で「なぜ部会をやらないのか?」とか、「歳出削減プロジェクトチームのやり方自体が密室的で問題がある!」とかいう意見が出されていた。が、あえて部会の召集を控えていた。

 

 「歳出削減プロジェクトチーム」の発足にあたって、中川政調会長から「各プロジェクトチームに所属する部会長は、担当省庁のために予算を確保するという役割ではなく、自ら予算を削減する先頭に立って欲しい!」というご下命があった。「他の部会」は「歳出削減チーム」の件で一度も開かれていない。そういう状況の中で、外交部会だけが突出してオープンに「予算確保のためのアピール」をやったら、あれだけの決意で歳出削減に取り組んでいる政調会長の努力に水を差すことになる。しかも、かえって逆効果になるかもしれない。そう思ったからだ。

 

 ところが、外交関係の某幹部から再三の「強い要請」(というより批判)があった。個人的には気がすすまないが、有力な幹部の「強い意向」をそのまま無視するわけにはいかない。「皆、心配しているんだから、報告くらいあってしかるべきだ」というのも理屈のない話ではない。いろいろと考えた末、現状を報告するための「平場の部会」を(外交部会長の責任で)をやることに決めた。通常は外交関係合同三部会になるはずだ。が、党の対外経済協力委員長は、「この時期にオープンな部会で議論するなどということは反対だ。党のPTが削減の知恵を絞っているところなのに、建設的な議論になるはずがない。他の部会だってどこもやっていない。経済協力委員会は外して欲しい!」(*もっといろいろなことを言っていたが…これ以上は書けない(笑))という意見だった。結局、外交部会と外交調査会の合同会議ということになった。

 

 自分は「外務省の族議員」をやるつもりはない。JBICの問題だって、政治家としての信念に従って行動したまでだ。他の分野と同様、ODAが「削減の対象」になることはやむを得ない。しかしながら、外交政策に関わってきた政治家として「公共事業や社会保障予算に比べたら規模の小さいODA予算だけがやり玉にあげられ、深堀りされる」ことには反対だ。プロジェクトチームの会議では「削減の先頭に立たねばならない部会長の新しい役割」を踏まえつつ、毎回、ギリギリの立場でODAの意義を主張してきた。 チームのメンバーである外務副大臣なども終始一貫、「ODA擁護論」を展開していた。にもかかわらず、出てきた案は「5年間にわたって前年比4%の削減」というもの。他の分野に比較しても「アンフェア」だと言わざる得ない。だいたいこんな方針が決まったとしたら、結果的に次期首相の「外交手段の幅を狭める」ことになってしまうかもしれない。

 

 ああ、やりにくい!!自分には「中途半端なこと」が出来ない。信念の持てることなら何でも全力でやる。たとえば、外交部会長として「ODA予算の削減を食い止める」という政治的目標を定めていたとしたら、あらゆる手段を駆使して、徹底的に戦っていただろう。(*半分狂っているだけに、どの部会長より強力かもしれない。(笑))「正しい」と思ったことを完遂するためなら、誰とぶつかろうが、どんな反発を受けようが構わない。最後まで「直滑降」で行く。

 

 ところが、中川政調会長の肝いりで立ち上がった「歳出削減プロジェクトチーム」の目的は、政治主導で「歳出を減らす」ことだ。あらゆる方法でギリギリまで予算を削ることだ。「歳出カット」出来ない分は「消費税に戻ってくる」という中川政調会長の姿勢を支持している。微力ながら中川氏の「改革の覚悟」を少しでも後押ししたい。「『関係省庁の予算を確保する』『官僚の代弁をする』という旧来の部会長であってはならない」と自分に言い聞かせつつ、「しかし4%の削減なんていくらなんでも受け入れられない」という気持ちが交錯する。チームの主旨を考えて遠慮していたら「ODA分野ではあまり具体的な要望がない」などと言われてしまう。たまったものではない。

 

 今回のことでつくづく思った。「部会長の役割」を見直すためには、政治家自身が「シンクタンク機能」を持たねばならない。この件については、改めて解説する。

 

追伸:普段は「カッコいい」ことを言いながら、肝心なところで「逃げ出す」タイプの政治家がいる。もっともらしい理屈を並べても回りの目はごまかせない。要は自分自身が「悪者になりたくない」「矢面に立ちたくない」ということだ。「それでも政治家なのか!」と言いたくなる。政局では「とても使いものにならない人々」だ。きっとどこかで淘汰されるだろう。(*あくまでも一般論です!(笑))