国会議員をやっていると、いろんな人間が、いろんな「お願いごと」を持って訪ねてくる。誰かに頼まれて会うこともあるし、初対面でも本人からメールをもらって時間を作ることもある。地元からの陳情も含め、面会を希望する理由をしっかり確かめてから会うことにしている。もちろん、きちんとした陳情には、真摯に対応する。そこは政治家だから。

 

 時として自分に会いたい理由が不明確だったり、事前の説明が曖昧だったりするアポの依頼がある。こういう場合、たいてい何かウラがあったり、最初の説明とは違う目的がある。「こりゃあ何かあるな」と思っても(頼んで来た知り合いの顔を潰さないように)あまり詮索せず、会わねばならないこともある。そこは政治家だから。

 

 最初に会った時に、「ちょっといい加減だな」と感じたり、何かを頼んでおきながら無責任な対応をした相手でも、もう一度やってきたら、もう一度だけ会うことにしている。もしかしたら自分の印象は間違っていたかもしれない。無礼だと感じたその人の行動は、もしかしたらこちらに問題があったのかもしれない。そう思うからだ。ところが、二回会っても「やっぱり」と思うことがほとんどだ。第一印象というのは、結構、正しい。でも、会ってみる。そこは政治家だから。

 

 毎日、大勢の人に会う。政治とは「人間観察」だと言えないこともない。さらに、政策でも、政局でも、一日一日、神経をすり減らして勝負している。こうした経験を積み重ねていると、簡単にごまかされたり、言いくるめられたりすることはない。話の内容が事実かどうかを確かめるネットワークだって持っている。しかも、自分はハッキリしたストレートな性格だ。

 

 そういうことだから、意味不明の陳情(?)には本当にイライラする。山本一太に会いに来る時は、自分に何を求めているのかを隠さず、率直に話してもらえばいい。変にごまかそうとしても、匂いでわかっちゃうんです。そこは政治家だから。