放課後等デイサービスでの緘黙症状のある子への対応 | 場面かんもく相談室「いちりづか」

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緘黙症状のある子に対して、

放課後等デイサービスでは何ができるか

 

先日、放課後等デイサービスで研修会がありました。

学校の先生や心理専門職などに話す機会は多いですが、放課後デイでの研修は珍しいです。

 

そこで、放課後デイでは緘黙症状のある子にどんな対応ができるか考えてみました。

 

 放課後デイを利用している子は多い 

緘黙症状のある子で、放課後デイを利用している子は多いです。

 

私のところに相談のあるケースでは、小学生なら8割以上は利用していると思います。

おそらく病院等でカウンセリングを受けているケースよりもはるかに多いでしょう。

放課後デイは、緘黙症状への対応の主要なリソースになっていると私は考えています。

 

では、放課後デイでは緘黙症状のある子に何ができるでしょうか。

実はこれがなかなか難しい問題でもあります。

 

 

 

 放課後デイでの対応が上手くいっているケースもある 

放課後デイでの対応が上手くいっているケースもあります。

 

「学校で話せなくても、放課後デイなら話せる」という子は少なくありません。

これははっきりした理由があります。

放課後デイは学校よりも「話しやすい条件」が揃っているためです。

 

・小集団や個別で人数が少ない

・個室や静かな場所であることが多い

・スタッフが時間をかけて関わることができる

・活動の制約が少なく、本人の好きな遊びや活動ができる

 

概ね、「学校よりは放課後デイの方が動きやすい・話しやすい」と考えてよいでしょう。

(もちろんそうではないケースもあります)

 

 放課後デイで話せるようになったら、次は何を? 

ですが、放課後デイで話せるようになっても、それはゴールではありません。

学校で話せない状態が続いていれば、緘黙症状が治ったことにはならないからです。

 

緘黙症状のある子が、放課後デイで話せるようになったら、次は何をしたらよいでしょう。

ここが、多くの放課後デイのスタッフの方の頭を悩ませるところだと思います。

 

やはり私は「学校で話せるようになること」を目指してほしいと思います。

 

 

 「放課後デイで話せる」ができればゴールは近いはず 

「放課後デイでは話せるようになった」というのは、とても重要な意義があります。

これは「緘黙症状への対応の最も難しい部分がクリアできた」ということになるからです。

 

「放課後デイで話せる」というのは、次の2点が達成できているということになります。

 

1.本人とのコミュニケーション

多くの専門職を悩ませる、緘黙症状への対応の最大の難しさとは一体なんでしょう。

それは、「本人とのコミュニケーションがとりづらいこと」に他なりません。

本人とコミュニケーションがとれるというのは、非常に大きな一歩になるのです。

 

2.家庭以外で話すこと

「放課後デイで話せる」のは、緘黙症状が改善に向かっている証拠でもあります。

これは、「条件さえ整えれば、家庭以外でも話せる」ということを示しているからです。

そうなればあとは同じように、学校でも話しやすい条件を整えていけばいい訳です。


場面緘黙の症状は適切な対応によって改善させることができます。

放課後デイでの対応が上手くいっている場合は、ぜひそこから次のステップに進みましょう。

しっかり計画を立てて対応していけば、話せるようになる日は近いです。