若干ボケの疑いがある磯翁から、色々と磯の様子の変化を聞かされた後、隣にいたワヨン族に話を聞けと、唐突に言ってくる。
人に何かお願いする時は、先ずは報酬の話をしなければ行けないんですよ?
ほらほら、報酬だせるの? 出せなきゃ、聞かないよ?
ワヨン族のコチョに話を聞くと、どうやらここら辺で暴れているモンスターを討伐して、石を集めろというものだった。
報酬は色々な力が増える秘術か……スキルだね。
気が向いたら、集めてやろう。しかしだ、取り敢えず私はイリの港に帰らなければならない!
何故かだと?
綺麗なお姉さんの気配がするからだ!
そして私は、ワヨンの依頼を取り敢えず受けただけで、急ぎイリの港に戻ったのだった。
確か……この辺りから美女の気配が……
!? サツキさん!?
イリの港には、サツキさんがいたのだった。うむ、私の美女レーダーは正常に働いているようだ。
サツキさんは親方に呼ばれて、大城壁から此処へと戻ってきたらしい。親方、やっと仕事したな。
グッジョブだ!
ん? 私に頼みですか? モンスターを引きつける囮になってこいと……デジャヴかな?
まぁ、いいでしょう、こちらもプロです。報酬さえ貰えれば、こなして見せましょうとも。
そのザコを狩ったら、アキツの城門前で待ち合わせ……ですって!?
これは……アレですね? 依頼と見せかけたデートの誘いと言うことで、理解して良いんですよね?
と、言うことはだ……速攻で雑魚狩りして、サツキさんよりも先に到着しておき、遅れてきた彼女に対し『私も今来たところさ』と言うべきか。
逆にちょっと遅れて到着し、『ごめんごめん、ちょっと金になりそうな鴨がいたから、話しかけてたんだ』と、クールに言うべきか……
迷うな……ぐへへ
そんな脳内シチュエーションしながら、頼まれた討伐対象を狩って城門前に到着すると、既にサツキが待っていた。
ふむ、このパターンはクールに決めるパターンだな。
サツキさぉああん!! 超頑張って狩って来た……え?
ヌシみたいなを、さっき見つけた?
ん? その上目遣いはなんでしょうか……え? 囮だけじゃ……ダメ? 倒せと?