パパ(義父)が日本に初めてやってきたのは、昨年の夏―。
早いものであれから数か月が経った。
帰国前、家族で集まりパパと食事をした時のこと。
美味しい日本酒を、私の兄と楽しみ…
帰りにこう言った。
「クリスマスカード出すからね!
」
―そして、帰国してから
「Carte de voeux(グリーティングカード)を日本語で書きたいから、どうやって書いたらいいか教えて」
と言われ、メールで日本語とフランス語訳を送った。
彼が書きたかったのはBonne année(明けましておめでとう)だったので、それに合わせて
その後に「今年もよろしくおねがいします」を付けて送信。
その時、頭をよぎったのが
「年が明ける前に年賀状が着いちゃったらどうしよう?それじゃまるで、ちびまるこちゃんだよw」
※アニメ・ちびまるこちゃんで、うっかり年賀状が年内に届いてしまうという話
それで先日、スカイプでパパに会った時に、カードは年明けに着くように送った方が良いと言ったところ
「C'est pas grave!!(大丈夫だよ!!)」
え、セパグラーヴ?…(それ以上何も言えず)
まぁ確かに、Bonnes fêtes(クリスマスと正月二つに対して 「良いお祝いを」)だとか、 Joyeux Noël et Bonne année(メリークリスマス、そしてよいお年を)的に言うこともあるし…
でも、年が明けて言うのはやっぱり「Bonne année(明けましておめでとう)」だし…
でも、日本では年が明けてなければ「良いお年をお迎えください」だけど、明けたら「明けましておめでとうございます」だよな~…
と、一人ぐるぐると考え
取りあえず、放置したw。
そしてクリスマスイヴ。
フランスから、一通のカードが届いた。
私はよく見もしないで
「イヴにクリスマスカードなんて、ピンポイントで届いてすごいね!」
と言っていたが、帰宅した夫に見せると
「T'as pas bien regardé? C'est pour ta mère!(よく見なかったの?これ、お母さん宛だよ)」
「あっ!ホントだっ!」
カードは、私の母へ宛てたものだった。
それで私はすぐに気づいた。
これはクリスマスカードではなく、例の年賀状だったんだ!
私は母にその封筒を渡したが、その時に
「これ、年が明けてから開けたら良いと思うんだけど。」
「えー、いいよぉ。」
ぴり。(←すぐ開封)
そこには、パパの文字で大きく
「明けましておめでとうございます 今年もよろしくおねがいします」
と、日本語で書かれていた。
その時、笑う準備をしていたはずの私は
その文字を見て
逆に涙が出てしまったのだった。
いつ開けたっていいんだ。
大切なのは気持ちなんだから。
―それからというものの、私の家族あちらこちらから
「パパから年賀状が届いたんだけど、なんてフランス語で書けばいい?」
の問い合わせが殺到し、
それぞれの家族がこれまた頑張ってフランス語で年賀状を書き…
賑やかな年末を過ごしたのだった。