皆がぎゅうぎゅうになって着席した後、パパが立ち上がり、マイクを手に取った。


私の父から預かった手紙を皆の前で読み上げてくれたのだ。




――日本に残った私の父から、新しいフランスの家族や友人達への挨拶や想いをフランス語に翻訳をしてもらい、それをパパが読んだのだ。




中には涙を拭う人もいた。




夫はまた涙ぐんでいた。




パパが手紙を読み終わったとき、会場が大きな拍手と歓声で溢れた。




「Bravo!!!」



今回、初対面だった親戚も中には多くいたが、父の手紙のお蔭で、より一層絆が深まったように思えた。




パパの挨拶が終わると、皆で乾杯!!!

そしてパーティが始まった。




今回は本気のフランス料理!

いや、決して高級フランス料理とは言えないけれど、フルコースでたっぷり!美味しい料理が出てきました♪




サラダから始まり、次から次へと現れる料理達…




ワインは、赤も飲みたかったけれど、ドレスが汚れてしまいそうな気がして、白ワインをひたすら飲んだ私。

ドレスさえなければ…もっとガッツリ食べれたんだけど…





ぐ、ぐるじ――――――――っ叫び





息が…息ができん!!!




だんだん呼吸が浅くなって(←もはや命がけ?)本当に苦しかったので、隣にいた夫に言って

コッソリ後ろのチャックを緩めてもらった私。にひひ




あー、一度開放されると、もう締めたくないわーー





けれど、料理は容赦せず。

後から後からどんどん出てくる!!!!




そしてやっとこさっとこ魚を食べてから洋酒がたっぷり入ったソルベ(シャーベット)でカ――――っとなったあとは、皆で小休憩。(やったぜ!!)




なんと隣の部屋に移動してカラオケを始めるというので、私はこの隙に、日本にいる伯母から借りた着物に着替えに行くことにした。



これでちょっとは苦しくなくなるかもキラキラ



もはやインターナショナル語のカラオケ。

フランス発音で言うと、カハオケ。である。(雰囲気的にはラではなくハの方が伝わる気が…)




パパが用意した巨大スクリーンに映ったのは、フランス語の歌詞と映像!!!

やっぱり、ココはフランスだったか…!!!



しかも大合唱始めちゃったよ。



皆がカラオケに夢中になり始めたのを見届けて、私と夫はコッソリと抜け出し、

大草原の中をぎこちない格好で歩きながら、やっとの思いでジット(宿)に着いた。




今回持ってきたのは、伯母から借りた単(ひとえ)の着物。

結婚式用の振袖とは違い、少々控えめな大島紬というものだ。



素人の私から見ると、なんだかインベーダーみたいな柄なんだけど・笑



振袖だとそれなりの帯もしなくてはいけないし、何しろ伯母(着付けの先生)のお弟子歴1カ月に一回程度の超初心者の私(しかも今となってはユウレイ部員)。ひとえの着物でシンプル帯ならなんとか自分で着付けれるので、これにしたのだ。




夫に手伝ってもらい、大急ぎで着替えようと部屋に入ったら…






!!!!!





ナニコレ!!!!!??叫び





私達の部屋は、荒れに荒れて、何者かにぐちゃぐちゃにされていた――。







つづく。