<ソス書院,営州ソンビ村で撮影のドラマヘチ>
ワンポイントコラム
<韓国朝鮮 歴史のトリビア>
35.書院について
朝鮮王朝時代、各地に書院서원ソウォンが各地に作られました。
書院とは儒教の성현(聖賢)を祀り、人材育成の為に設立された私設教育機関です。
今日の地方私立大学と言えます。
<ドラマ六雄の龍も撮影された営州ソス書院>
↓↓中高校の郷校についてはコチラ↓↓↓
書院の起源は中国・唐時代の
麗正殿書院·集賢殿書院に遡ります。
儒教性理学国家の朝鮮王朝では高麗の寺院の代わりに儒教施設を奨励しました。
1542年안향(安珦)を祀る영주 소수서원ヨンジュ ソス書院(榮州 紹修書院)が建てられたのを皮切りに、各地に書院が建てられました。
王が御筆(어필)の扁額(현판)、書籍を下賜し、
奴婢,田畑を付与する賜額書院(사액서원)が盛行し、荒廃化する郷校に代わり国家の補助を受ける書院が各地に設置されます。
郷校と機能はほぼ同じでしたが、郷校と違い特定の先賢を祀った事が特徴でした。
元々、書院は成均館や郷校などの科挙合格が目的の学堂とは異なり、自己修練、先賢の祭祀に主目的が置かれて居ました。
他にも地方の士族の立場強化や士禍(사화:中小儒生弾圧↓参考)などにより隠居する士林の活動基盤となりました。
↓↓その頃の空気はコチラで↓↓↓
その性格上、郷土の士林勢力を結集する役割を担いつつ、教育の場と言う事で政治的反対勢力からの攻撃を受けにくいと言う利点も有ったので
時と共に増殖して行きました。
<ドラマヘチが撮影された営州ソス書院周辺>
明宗時代に17箇所だったのが、
宣祖時代には100箇所、
18世紀には全国700箇所以上に増えて居ます。
<ハミャン ナムゲ書院>
量的に増加すると共に、書院はいつしか付属の土地に租税を課されない、
良民が원노(院奴)となり軍役を忌避するなど特権的な存在となり、他にも学問よりも党派に加担して党争に熱を上げたり良民を強奪する弊害が増えました。
持て余した朝廷では書院を許可制にし、
むやみに増やす輩を処罰する規定を設けましたがさほど成果は無く、1741年(英祖17) 書院撤廃論が出た当時には1,000余箇所、
正祖期には650個もの書院が残りました。
そして勢道政治期には王権を脅かす地方権力の存在となって行きました。
<ドラマドクタージンの大院君>
1864年権力を握った大院君は失墜した王権の復活を図ると共に強力な中央集権を企図し
書院の整理に着手します。
1871年に全国47箇所の書院のみ残し他の書院は撤廃させました。
その後は近代化を経て性格も変わり、
現在では後世家門により維持されており、
今後の地方社会の伝統文化保存の中心体として期待されて居ます。
2019年7月、9箇所の書院がユネスコ世界遺産に登録されました。
書院では数々のドラマや映画が
撮影されて居ます。
最近ではドラマヘチ、新米史官クヘリョンなどが有名です。
<世界遺産の9つの書院ソウォン>
<参考文献>
한국민족문화대사전 서원
국사편찬위원회 서원 ,서원의 설립과 변천,서원의 융성과 폐단
네이버블로그 서원이란 무엇인가
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