「罠の戦争」第10話
今回はさらに闇落ちしてからの草彅剛表情祭!
これまで物足りないくらい静かな芝居(とても難しい)が続いていたが、今回はありったけの(まだあるけど)感情を出しまくり。
総理に迫る、騙される、すがる。
鶴巻に怒る、悔しがる、ねじ伏せられる。
仲間を疑う、妬む、犠牲にする。
家族を忘れる、かえりみない。
等々。
中でも怪文書を出している犯人が誰かわからず、疑心暗鬼になりずっと支えていてくれた蛍原さんのほんのちょっとした一言にまで疑いが生まれ問い詰める時の顔。
わずかな時間だったけどめちゃくちゃ恐ろしかった!もうまともじゃなくなっている人の顔。
本当に本当に怖かった。
仲間からも友人からも仕事上の立場からも家族からも孤立していく鷲津。
草彅剛は孤独になってからの演技がいい。
孤独になってなんぼだぐらい思ってしまう。
鷲津は魑魅魍魎の政界の中では、どんなに能力をもっていようと青臭くて甘い。
はめているつもりがはめられている。
長年伏魔殿の中で生きてきた面々にはなかなか勝てない。
高橋克典や岸部一徳相手にもがくばかり。
鷹野にすらかなわないだろう。
弱いものには弱いものの戦い方があると言っていた鷲津はいない。
敗けが続くと力が欲しくなる。
1度力を得ると手放せなくなる。
もっと強い力が欲しくなる。
権力の魔力だ。
力をもつと言うことの罠。
自ら罠に落ちてゆき、もがけばもがくほどからめとられていく様が、45分の間の草彅剛の顔だけを繋いでも伝わるのではと思う。
善を重ねると悪になっていくという鶴巻の言葉は重い。
そしてやっぱり蛯沢くん…。
いろんな相手と対峙して来たけど今回は怒りを受け止める側。
この時の顔がまた複雑で何を思うのか鷲津。
悲しみとも諦めとも解放とも見えるような。
あの瞳の深みはなんなんだろうな。
瞳だけで毎回引き付けられてしまう。
台本は自分のとこしか読んでないとか、だからなんで走ってるかわからないまま走ってるとかが鉄板ネタだけど、私は信じていない(笑)
そういいながら案外深く考えているのが草彅剛だと思っている。
脚本は正直つまらないところもご都合主義なところもある。
最終回まで見ないとなんとも言えないが、草彅剛を生かしきれたかというと、私的にはクエスチョンだ。
むしろもて余したのではと思うくらいだ。
とはいえまだ最終回が残っている。
あと1回これで見納めになるかもしれない戦争シリーズ、カンテレシリーズ、地上波ドラマを心して見届けよう。
この瞳は何を語っている?
かっこええのう

